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Siri は万能細胞の夢を見るか?

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クラウド化された人格には、性別も、国籍も、肌の色も無い。
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Siri は万能細胞の夢を見るか?

先日の「万能細胞」のニュースが頭を離れない。
ダナ・ハラウェイによって「サイボーグ・フェミニズム」が発表されたのは1985年。
これはすでに過去の遺物になってしまった。
これからは「バイオノイド・フェミニズム」あるいは、「クラウド・フェミニズム」や、「モバイル・フェミニズム」の時代となるのだろう。

欲望にも段階があるように、憂鬱にもまた、段階がある。
だが憂鬱のそれは、階段を一段上がるのではなく

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片っぽ手袋の国。

手袋が片方見付からない。いつの間にか「片っぽ手袋の国」に旅立ったようだ。
この国ではヘテロにしか人権が認められてないようだけれど、「片っぽ手袋の国」では、真の自由恋愛が認められている。
だから、「ミトンの右手×軍手の右手」なんて素敵なカップリングもある。
友よ、君が居ないと寂しいけれど、良きパートナーを見付けてくれ。

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作品に作者は必要なのか。

ゴーストライター騒動の件だが、究極を言っちゃうと、「そもそも作品に作者名は必要なのか」って話にならざるを得ないよね。

最新科学の研究だって、国家的な巨大プロジェクトによって進められるのが主流で、個人に対してノーベル賞を贈ることに違和感が出て来ているという話がある。

Linuxのプログラムや、匿名掲示板のコピペのように、匿名の誰かが作ったものを、別の匿名の誰かが改良し、更に別の誰かがぶっ壊して作

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桜が咲く頃になると。

桜が咲く頃になると、何故こんなにも残酷な、凄絶な気分になるのだろう。

東京大空襲の死者たちは、上野の山に集められて焼かれた。安吾によると、折りしも桜は満開で、人けのない森を風だけが吹き抜け、逃げだしたくなるような静寂がはりつめていたという。

その風はきっと、死者を荼毘に付した灰と、散った桜の花びらを同時に吹き上げたろう。人心の乱れた大空襲下、舞い散る死者だけが軽く、美しかった。
その風景を思う

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見ていたら死にたくなった。

見ていたら死にたくなった、と言う人に、今年は3人も会った。僕もこの2週間くらい、理由もないのに憂鬱で仕方がない。今年の桜は何かおかしい。

ソメイヨシノは江戸中期頃、エドヒガン系統のサクラとオオシマザクラを人工交配して作出されたと言われる。長く厳しい冬を我慢に我慢を重ねて乗り越えると、一気呵成に満開へと昇り詰め、次の刹那にははらはらと儚く散っていく。そのドラマティックな展開と妖艶な肢体は、まるで浪

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僕らをあざ笑うスマイル・カーブ。

満期・原資産が同じオプションは、行使価格によってボラティリティが異なるのだが、x軸に行使価格、y軸にボラティリティを取ってグラフを描くと、何故か直線にはならず、原点に対して凸の曲線となる。

そのカーブが人の笑った口元に似ているため「スマイル」と呼ばれている、というのが大変僕の気に入った。

オプション価格を求めるために、ブラック・ショールズ・モデルが導き出され、それが金融工学の先駆けとなったと言

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人類共通の快楽のコード。

意識を持つ前の古代人の脳は、右脳と左脳が分断されていて(バイ・キャメラル・マインド)、右脳では神々の声を聞いていたという。音楽の起源とは、その神々の声かもしれない。

僕の志向していた、「人類共通の快楽のコード」というのも、その神々の声のことだろうか。
ビートルズの「A Hard Day’s Night」の冒頭の「ジャーン!」には多くの人が胸を躍らせるが、果たしてG7sus4 は人類共通の快楽のコ

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僕らとフラクタルを形成する微生物。

カナダの微生物学者ジェイソン・テトロは、僕らの恋愛には細菌が大きく関わっていると言う。

僕らの身体には、何千万種類という微生物が住んでいる。人はそれぞれ、育った環境によって形成された「微生物叢」を保持しているが、パートナーとの物理的な接触によって、ブドウ球菌やアクネ菌、あるいはミュータンス菌といった細菌やミトコンドリアなどの微生物を交換することになる。

お互いの微生物叢の相性が良ければ

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この感覚がなくなってしまう前に。

現代病と呼ばれる原因不明のエラーの多くは、偏執的な殺菌消毒により、人や町から決定的に「匂い」が失われてしまったことと無関係ではあるまい。匂いがなくなったことにより、僕らは日に日に嗅覚を鈍麻させている。

今までは鼻を利かせさえすれば誰にでも明らかだったはずの事実も、「エビデンス無し」、「測定不可能」のラベルを貼られて、無造作にオカルトの箱へと投げ込まれるようになった。時代が時代であれば優秀なシ

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脳について考えるな。

「精神病を”会話”で診断するなんてもう古い!」 83,000個の脳をスキャンしてわかった、精神病の正体
http://logmi.jp/11687

素直にすごいなぁと思いつつも、何か危ういような感じもしていて、しばらくの間、その正体に気付かなかった。

そうだ、これはまるで「家畜人ヤプー」だ。
ヤプー(旧日本人)たちは、白人たちから虐待を受けることで、至上の愉悦を感じるように馴致されてい

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無限の広さを持った白の牢獄。

人間が不自由なのは、「生命を与えられた存在」だからだ。

生命には、「自己保存」と、「繁殖」という目的がある。それは本能として、深く僕らに刻印されている。その本能に抗って生きることは出来るかもしれないが、無視して生きていくことは出来ない。その点において人間は不自由であり、だから本当の自由を獲得するには、ただ死の瞬間を得る他ない。

「目的」を持って生まれてきたということは、僕らが「呪い」を

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