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ジーンズって縦糸と横糸の太さは違うって知ってた!?

今日はデニム生地の仕組みについて。
少しだけ。

昨日綾織の構成として四つ綾と三つ綾の
話をしました。


ここからはそれを前提として。
  ※経糸(縦糸)緯糸(横糸)

我々の知る5ポケットのジーンズの大体は
経糸が緯糸の上を3本跨いで緯糸1本をくぐる四つ綾の織り方。
この糸構成の結果、表面は経糸が見えるので
インディゴ色。

裏面は緯糸が見えるので
白っぽい色
の生地になります。

そしてこの組み合わせに糸の太さが絡んできます。

リーバイス社の501XX(1950年代頃)は
経糸に7番の太さの糸。緯糸に6番の太さの糸を
使用した生地でした。
糸の太さは0番が1番太い糸なので、
デニム生地は経糸より緯糸の方が太かった
ということになります。
この7番、6番という組み合わせは今では
デニム生地の構成としてとてもポピュラーですが
もちろん経糸、緯糸が同じ太さのデニム生地も
存在します。

このリーバイス社501XX時代は経糸の方が
細かった理由として以下の推測をしてみました。
◯まず経糸、緯糸同じ6番にすると、オンスが
 上がり、ゴワっとしたより固く履き心地が
 良くない生地になってしまう。かといって
 どちらも7番にすると生地の強度が
 ワークウェアとしては足りない。
◯そこでどちらかの糸を細くしよう。
 となり経糸、緯糸どちらが良いか考えた。
 緯糸を細くすると、破けた時パンツの形状を
 保ちにくくなり、補修が難しい。
◯経糸が細い方が糸も染まりやすい。

そんなことを考えて糸の太さが決まったのでは
ないでしょうか^_^

70年代後半までのセルビッジジーンズは
上記を鑑みた当時ではワークウェアとしての
要件を満たしたジーンズだったと言えます。

そして現代では
さらにここにオンスという考え方が加わります。
単純に糸が太くなっていけばオンスは上がります。

世にあるヘビーオンスのジーンズなどが
このパターンに当たる場合も多いです。

それともうひとつ、この経糸と緯糸を高密度に
織ることです。
高密度で織ると緯糸はより表面から見えにくく
なり、青さが増すと言われています。

また高密度になると、経糸と緯糸の遊びが
なくなり規則正しい生地になる。
これを綾目が立つという言い方をしたりします。
綾目が立つと生地の表面はフラットになり、
縦落ちか綺麗になります。さらに
糸のムラ加減だけで色落ちの雰囲気が
変わってきます。

現代のジーンズはヴィンテージと比べ
生地が高密度になっていますので、
生地の特性はムラ糸の形状によって
決まってきているのかもしれません。

生地が高密度ではないとやはり
やぶれやすい。といったことは
起きやすくなります。
ヴィンテージの生地は現代に比べ
やぶれやすいのは密度にも関係しています。

その意味で現代のジーンズは
密度と強度のバランスがよく、
色落ちとジーンズの強度とのバランスが
とても良いと言えると思います。

僕もまだまだ勉強不足ですが、生地の特徴や
成り立ちを知っていくとジーンズへの
愛情が増していきます^_^

今度ジーンズを見るときはそんなことを
考えながら手に取ってみても面白いかも。

さらに勉強してまたこちらに書きたいと思います。


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