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男だって着飾りたい!? セーラー服とオジサン

その昔、薬師丸ひろ子さんのヒット曲に『セーラー服と機関銃』というのがありました。”セーラー服と機関銃”という組み合わせは確かに意外性がありますが、”セーラー服とオジサン”という組み合わせはもっと意外です。

インパクト充分のタイトル画の”セーラー服おじさん”は実在の人物で、小林さんと言う印刷会社で働く普通の会社員らしいです。小林さんは、極めて普通の男性?で、女性になりたいわけではないそうです。では、なぜ小林さんがセーラー服を着ているのでしょうか?

小林さんが言うには、「自分に正直でありたい」と思ったからだそうです。小林さんは、こう続けます。「心は男性ですよ。ただ、小学生のころからずっとかわいいものが好きで、女の子が着ているヒラヒラした服装をうらやましいと思っていたんです。でも男がそんな格好をするのはおかしいので、その願望を抑えて暮らしてきました。」

小林さんが、セーラー服を着るようになったキッカケは、『セーラー服を着て来店した人は無料』になるというラーメン屋の企画だそうです。小林さんは”ラーメン無料”のためにセーラー服を着ました。しかし、小林さんに対する周囲の反応は、意外なことにスルーだったそうです。確かにタイトル画のようなオジサンが近くにいたら、「ちょっと危なそうなので、近付くのはやめよう」と考えるでしょう。

このとき小林さんは、「自分は法律に反しているわけでもないんだから、別に女装しててもいいじゃん」と吹っ切れたそうです。これ以後、毎週末には、特に用がなくてもこのセーラー服の格好で過ごしているそうです。

ロリータファッションをこよなく愛する女性(または男性)がいるように、ファッションは自由です。自分が着たい服を、他人に制限される謂れはありません。オジサンのスカート姿はあまり見たくありませんが、スコットランドではタータンチェックのスカートは男性の民族衣装です。また、セーラー服の”セーラー”は水兵さんの意味で、セーラー服はもともとは男性の船上での制服です。ホウレン草を食べて無敵になるポパイは水兵さんですから、いつもセーラー服を着ています。

かのアインシュタインは、『常識とは、18歳までに身に付けた偏見のコレクションである』と言い、常識は真理とは違うと指摘しています。セーラー服オジサンには、”女性はスカート、男性はズボン”という常識に挑戦し続けて欲しいと思います。でも私には、セーラー服を着る勇気はありません。

バグパイプを吹くスコットランドの男性たち

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