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古生物バンザイ#4 巨人伝説と小人伝説

 絶滅した古生物というと、三葉虫のような”節足動物”や、アンモナイトのような”頭足類”、恐竜のような”爬虫類”などを思い浮かべると思いますが、霊長類にも絶滅した古生物はいます。

 古くから伝わる伝説に中には、洋の東西を問わず、『巨人の伝説』があります。ヨーロッパでは、旧約聖書のゴリアテ(タイトル画)、一つ目の巨人・サイクロプス、牛頭の巨人・ミノタウロス、北欧のトロール他、まだまだいます。日本でも、ダイダラボッチ弥五郎どんなど、巨人伝説は各地にあります。また、巨人伝説とは少し異なりますが、雪男の伝説も各地に残っています。雪男は山岳地帯限定ですが、多くの場合は”巨人”です。

 人種が違い文化も違う様々な国々に”巨人伝説”が残っているのは、なぜでしょうか?。これらの巨人を人間の”想像の産物”だと切り捨てるのは簡単です。しかし、本当にただの虚構でしょうか?。全くの虚構だとしても、それまで見たことも聞いたこともない”巨人”を頭の中だけで想像するのは難しいと思います。

 そこで考えられるのが、”巨人のモデルになった人/動物”を遠い過去に見た可能性です。人類がホモサピエンスに進化する過程では、さまざまな類人猿が現れては消えています。その中には、ずば抜けて大きな類人猿がいます。それがギガントピテクスです。ギガントピテクスの骨は一部しか見つかっていないので、正確な身長を見積もることは難しいようですが、3mくらいあったのでは?、と推定されています。これは私の妄想ですが、このような大型類人猿を見た我々祖先の記憶が、巨人伝説の元になっているのかもしれません。 

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 巨人伝説の反対に、小さな人達の小人伝説も各地に残っています。ヨーロッパでは、ノーム、ドワーフ、精霊/妖精などの伝説が残っていますし、昔話や小説では、おやゆび姫、ガリバー旅行記のリリパット、指輪物語のホビットなどがいます。日本でも、アイヌのコロポックル、沖縄のキジムナーなどの伝説がありますし、昔話では一寸法師がいます。この小人にも、モデルがあったと考えています。それが、インドネシアのフローレス島で発見されたフローレス原人です。

 フローレス原人は、ホモ・フローレシエンシス(Homo floresiensis)と言って、小型のヒト属と考えられている絶滅種です。その身長は1mあまりで、それに比例して脳も小さいのですが、火や精巧な石器を使っていたと考えられています。

 我々のDNAに組み込まれた”原人の記憶”が、『巨人伝説』や『小人伝説』を想像したと私は睨んでいます。証拠は全くありませんが・・・。

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