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 乱丁らんちょう落丁らくちょうというのは、製本業界の専門用語です。乱丁は、”製本の過程で折丁の順番を間違うこと”で、つまりページの順番がばらばらに綴じられてしまうことをいいます。また落丁は、”製本の過程で折丁が抜けてしまうこと”で、一部のページがそっくり抜け落ちてしまうこといいます。どちらも製本の工程で起きることですが、最近は防止センサーの発達により、ほとんどないとのことです。もう一つ、よくあるのが、タイトル図のような”折れ曲がり”です。

 デジタル書籍では、こんなことはあり得ませんが、アナログ本ではタマにあります。アナログ本好きの私は、これまで何度もこのような”本の不具合”に遭遇しました。落丁を始めて経験したのは、大学生の頃でした。推理小説を買って読んでいたのですが、肝心の謎解き部分で”数ページが抜けて”いました。これには流石に閉口しました。よりによって、一番のクライマックス部分で・・・。

 乱丁も何度か経験しました。しかし、こちらは順番がおかしくても、文章そのものは残っているので、何とか読了できました。一番多いのは、”折れ曲がり”です。タイトル図のように大きく折れ曲がっているのもあれば、ページ下の隅がちょっとだけ折れ曲がっているものもありました。つい昨日、注文していた本が届いたと知らせを受けて受け取った本を読もうとしたら、いきなり1頁目の表紙が大きく破れ、さらに折れ曲がっていました。これはたぶん、輸送時でのトラブルでしょう。もちろん、速攻で返品しました。

 それから珍しいのは、オジサン心をくすぐる”袋とじ”のように、ページが繋がっていた本もありました。これは、製本途中の裁断ミスです。この時は1か所だけだったので、カッターでページを切り分けました。

 乱丁・落丁の経験も、このようにして記事にすることができるので、何が役に立つかは死ぬまでわかりません。

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