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映画の中の「back」考

英単語の”back”を名詞で使うときは、”背中”という意味になります。ですので背骨は back bone になります。バックボーンは日本語としても使われていて、その人の思想・信条生い立ちなどのことを指します。タイトル画は乗馬の様子ですが、乗馬は horseback riding と言います。直訳すると”馬の背乗り”です。

馬と言えば、昔見た西部劇『シェーン』の有名なラストシーンを思い出します。「シェーン、カムバック! (Shane, come back!)」。この時のbackは副詞として使われていて、”戻る”ということを表わしています。この場合のcome backは、自分のいる場所に誰かが戻ってくる、ことを表わします。つまり、「シェーン、”僕の家に”戻って来て!」と少年は言っているのです。

似たような言葉にgo backというのがあります。この場合は、その人が元居た場所に”戻っていく”という意味になります。もし、この台詞が「Shane, go back!」なら意味が変わってきて、「シェーン、”君の家に”戻りな(=あっちに行け)!」となって、感動的なシーンにはならなかったでしょう。

backを使った別の有名な台詞に、『ターミネーター』でシュワちゃんが言った「I'll be back」があります。シュワちゃんは未来から来た戦闘アンドロイド(T-800 )役で、この台詞は、警察署で女性主人公・サラとの面会を断られた際に発した言葉です。日本のマイコミジャーナルでは、「つい口に出してしまう映画の名台詞」で堂々の第1位に輝いています。

『ターミネーター』は1984年の大ヒット作品ですが、この次の年に大ヒットしたのが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(Back to the Future)です。これはタイムマシンを題材にした映画ですが、1985年の興行収入世界一を記録しています。

でも私が最も好きな ○○back は、come back や go back ではなく、キャッシュ バック(cash back)です。キャッシュバックとは、「現金を払い戻すこと」という意味の言葉です。ただし、この言葉は和製英語で、英語で現金を表すcashと、”返す/戻す”などを表すbackを組み合わせて作られました。キャッシュバック・・・、良い響きです。

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