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オジサンのための現代用語#20 ”アリよりのナシ”と”ナシよりのアリ”

一昔前から「それはアリだよね」とか「それはナシなんじゃない?」という表現をよく耳にするようになりました。この表現が進化して、いまでは”アリよりのナシ”や”ナシよりのアリ”などのように使われています。ここでいう”より”は、”寄り”と同じ意味です。

アリとナシだけの表現では、YesかNoかの二択になってしまいますが、これを組み合わせると2×2で、4通りの表現ができます。私の認識では、アリ/ナシの確率で分類すると、以下のような順番だと考えていました。

アリよりのアリ⇒アリよりのナシ⇒ナシよりのアリ⇒ナシよりのナシ

『オジサンの認識』
アリよりのアリ =  確率90%以上
アリよりのナシ = 確率60%程度
ナシよりのアリ = 確率40%程度
ナシよりのナシ = 確率10%以下

しかし、実際にはこの順番は間違っていました。本当は以下の順番です。

アリよりのアリ⇒ナシよりのアリ⇒アリよりのナシ⇒ナシよりのナシ

前半の順番は私が勝手に想像した”前半のアリ/ナシ”を基準とした受け取り方です。しかし実際には、”後半のアリ/ナシ”が重要なようです。つまり、最後がアリなら”アリの領域”、最後がナシなら”ナシの領域”になります。

『若者の認識』
アリよりのアリ =  確率90%以上
ナシよりのアリ = 確率60%程度
アリよりのナシ = 確率40%程度
ナシよりのナシ = 確率10%以下

たしかに、最後のアリ/ナシで意味を決めた方が、合理的なように思えてきました。つまり、”後半のアリ/ナシ”が主役で、このアリ/ナシはベクトル量です。もっと砕けた表現にすると、”ナシよりのアリ”は”ナシの方向を向いたアリ”ですし、”アリよりのナシ”は”アリの方向を向いたナシ”になります。”よりの”を左を向いた矢印『←』にすると判り易いと思います。

アリ←アリ ナシ←アリ アリ←ナシ ナシ←ナシ

この記事を書いて、私もようやくこの表現の使い方が理解できました。しかし、若者の言語感覚には目を見張るものがあります。ところで、アリとナシを調べていたら、『蟻と梨』というタイトルの音楽アルバム(CD)があることを知りました。私は存じ上げないのですが、加藤千晶さんと言う方のアルバムのようです。どんな歌なのかな?。


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