「お説教もの」の到達点としてのアニメ「一休さん」
テレビアニメーション「一休さん」は、一九七五年から一九八二年にかけて、東映(現東映アニメーション)の製作で全二百九十六話(!)が放映された。
史実の一休宗純は、室町時代の僧侶。南朝最後の天皇・後小松天皇の庶子であったが、南北朝統一に伴い出家、のち大悟して大徳寺の住職を務めた。しかしガイコツを杖につけて京の町を練り歩いたり、盲目の美女と同棲したりする、パンクな破戒僧としてのエピソードも多く残っている。また、民話の中では「とんち小坊主」として、幼少時の一休がとんちで権力者や悪人