メタバース上で起きた奇跡の夜に、バーチャルで暮らす住民へ伝えたかったメッセージの話
勢いだけで書いた昨日のnote、たくさんの方に読んでいただきました。本当にありがとうございます。
メタバースで起こしてもらった奇跡の夜は、改めて本当に特別な夜でした。イベントの振り返りの記事ってあんまり書いたことないのですが、こちらも今の感情を忘れないように記録に残します。
メタバースというのは様々な概念や説明があるので一言で説明するのが難しいのですが、一旦「インターネット上に構築された3次元の仮想空間」でしょうか。そして今回私がお話しさせていただく「cluster」はそんなメタバースプラットフォームの1つです。
そこで昨日開催されたのは「H!dro Bøøster by mxizm」というイベントです。clusterというメタバースプラットフォームで生まれたクラブイベント「mxizm」、そしてそこから生まれた番組シリーズの1つです。これまでもバーチャル内外でプレイするDJさんが出演されてきました。
そして、私もclusterの中でUKハードコア、J-COREなどをプレイするDJとして活動しており、いつかは呼ばれてみたいイベントの1つでした。
そんなイベントに呼んでいただいた上に、日本のハッピーハードコアシーンをの最前線を走るDJ GENさんと同じイベントでプレイするというのはこれ以上ない奇跡だと思いますし、本当に幸せな夜でした。
リアルでバリバリ活躍されているDJ GENさんとイベントで共演させていただく。一方の私はバーチャルの中でしか活動したことがありません。そういう思いで、この2曲だけはどうしてもここでみんなに聴いてほしかった楽曲があります。
それがラストにプレイした2曲、nadecoさんの「MATERIAL」という楽曲と、にじさんじさんの「Virtual to LIVE」です。(昨日はMtellさんの「にじさんじ - Virtual to LIVE (Mtell Hardcore Bootleg)」をプレイさせていただきました。
これらの曲は、バーチャルの世界で暮らす私たち、そして現実世界というもう1つの世界で暮らす人々。そんな隔たりを繋げてくれる楽曲だと思うのです。
メタバースで出会った「MATERIAL」という楽曲
まず、「MATERIAL」についてお話しさせてください。
これはMakinaのDJ/トラックメーカーとしてリアル、そしてVRChatなどでも活躍されているnadecoさんの楽曲です。
私がこの曲に出会ったのは本当に偶然でした。たまたま遊びに行ったいつかのMusicVketというメタバース上で開催された音楽の即売会的なイベント。全く下調べなどをしておらず、会場で気になるジャケットや紹介文、完全にランダムに楽曲を試聴している時に出会ったのです。
私は元々ボーカルが乗っているMakinaや、UKハードコアの楽曲が大好きでした。そういう意味でこの楽曲に惹かれたというのはもちろんあります。
ただ、理由はそれだけではありません。それは素敵すぎる歌詞にあります。
私は、バーチャルの世界は本当に可能性があると思います。そしてそれは多くのバーチャル世界に住む住人の皆さんも同じではないでしょうか。私が長い時間を過ごしているclusterはもちろん、Second Lifeも、VRChatも、Resoniteも、バーチャルキャストもそうでしょう。ほかにもメタバース的なプラットフォームはたくさんありますし、いわゆるオンラインゲームの世界もバーチャル世界でしょう。
私は、そんなバーチャル世界で暮らす、すべての住人の感じられているであろう「バーチャル世界の可能性」が大好きです。(そんなもの感じてないよ、という方はすいません)。イマジネーション次第であらゆることができる、それがバーチャルな世界だと思っています。
その可能性、その魅力から離れられないからこそ、私はずーーーっとなんらかのバーチャル世界で暮らしてきたのだと思います。
そんな思いがギュッと凝縮されたこの歌詞が、そしてこの楽曲が大好きなのです。
今回は現実からDJ GENさんがバーチャルの世界に来てくれました。一方でバーチャルの世界から現実で活動されているDJさんもたくさんいらっしゃいます。まさにuMe店長もその一人ですし、VRChatでもそんなDJさんがたくさんいらっしゃいますよね。
このイベントは、そんなバーチャルと現実が重なった場所、リアルからバーチャルへ、バーチャルからリアルへ。そんな場所だと思いました。そんな色んな思いが歌詞と重なったんです。
もう一つがこのフレーズです。
バーチャルと現実にはまだ隔たりがあると思います。それは否定できませんし、多くの方がそう思われていると思います。
ただ、そんな隔たりがあっても、お互いの事はわかりあえる、どんな言葉だってわかりあえる、お互いの思いは伝わると私は思っています。
そんな思いが重なったのです。
私はこのバーチャルな世界が本当に大好きです。色んなチャンスをもらいましたし、夢のようなことを実現させていただきました。
離れているようで重なる世界、隔たりはあるかもしれないけど、お互いのことはわかりあえる。私はそう信じています。その1つの成果がこのイベントだと思うのです。
だから、このclusterというバーチャルな世界に来てくれたすべての人、私の友達もそうですし、VRChatなど他のプラットフォームから遊びに来てくれた方、DJ GENさんのプレイを聴くために現実から来ていただいた方、全ての方に思いを伝えたかったのです。
楽曲は下記から購入できます。
clusterのアンセム「Virtual to Live」
そして、もう1つが「Virtual to Live」です。
VTuber/バーチャルライバーグループ「にじさんじ」の1周年記念の楽曲で、
作詞・作曲・編曲をkzさんが担当されています。kzさんと言えばGoogle Chromeとのタイアップ楽曲「Tell your world」をはじめ、数々の名楽曲を世に送り出されてきました。
私がこの曲に出会ったのは、幸甚亭ライブというイベントでした。DJ Nasobemさん(謎部えむさん)がプレイされたのが初めてでした。
私は、そこで出会うまで。聴いたことも名前も知らない楽曲でした。でも、メロディはもちろんですが、この歌詞に感動してイベント中に一人で泣き崩れました。それは、Meta Quest 2というヘッドマウントディスプレイの中が涙で滲み、レンズが曇るほどでした。それからもこの曲は幸甚亭ライブで必ず流れるアンセム曲の1つになりました。
まず、楽曲名がズルいですよね。「Virtual to Live」、直訳すると「バーチャルで生きる」という言葉になるのでしょうか。(意味違ったら教えてください)。
まさに、バーチャルの世界で生きている私たち。そんな私たちに刺さらないはずはないですよね。
そんな中でも次のフレーズが大好きです。
私たちはバーチャルという世界に生きています。この世界でどう生きるか、どう生きていきたいかは人それぞれです。
向かう先は、向かいたい先はバラバラです。それでもこの世界で繋がっている。そしてみんなで前に進んでいこう、そういうメッセージを感じました。
いくつかの事情が重なり、幸甚亭ライブは終わってしまいました。でも、clusterというバーチャル世界でDJイベントを作った、バーチャルクラブカルチャーを作ったのは幸甚亭ライブ、そしてDJ Nasobemさんさんだと私は思っています。
そんなカルチャーを作ってくれた感謝の思い、そして私は、私たちはこの世界でどうしようもなく今を生きているんです。DJ Nasobemさんが向かっている先が、そして私が向かっている先はそれぞれ違うかもしれません。それでも、私たちは進んでいます。そういう思いでどうしても聴いて欲しかったんです。
私たちが暮らすバーチャルという世界は、君と僕、そしてすべてのバーチャル世界に住む住民が作り上げていく「七色に輝く世界」だと思います。この世界で生きて、この声が届く未来が、幸福だと言いたい。そんな強いメッセージを私はこの曲から感じました。
私は、バーチャル世界で生きるすべての住民へのメッセージでもある楽曲だと思い、何度もプレイさせていただいてます。バーチャル世界で生きる私たちの思いをこの特別な日に改めて伝えたかった。そういう思いでプレイさせていただきました。
正直、私のプレイは拙かったですし、音を止めるくらいのめちゃくちゃヤバい失敗もしました。それでも私が伝えたかったメッセージは皆さんに伝わっていると信じています。もし伝わっていなかったらこの記事を読んで理解してください(笑)
本当はこの内容をイベントでお話しできると良かったのですが、自分で感極まりすぎて全然話せなかったので、こういった形で失礼します。
拙い文章で恐縮ですが、この思いが1mmでも伝われば、それは私にとって幸甚の至りです。
ライター:咲文でんこ
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