大人ってすごいんだと思っていた。

大人になったら、なんでもしっかりできて、子どものお手本になるんだと思っていた。
学校の先生は、何でも知っていて、子どもたちの模範になる人たちなんだと思っていた。
だから、学校の先生になりたいと思ったことはなかった。
自分のことを子どものお手本になるような素晴らしい人間だとは思っていなかったから。
もしかしたらそんな風に信じられた私の子ども時代は、幸せなものだったのかもしれない。

けれど、実際に自分が大人になってみて、成人して、そこからまた十年経って。
子どもの頃思い描いていた“大人像”とは程遠い。
世の中の知らないことなんてたくさんあるし、やらないといけないことに気が乗らずに後回しにしたり、休みの日はお昼まで寝たりしている。
大人って、何でも出来るスーパーヒーローでは無かった。

その代わり、大人は自分の意志で何でも選ぶことが出来るということが分かった。
仕事を、住む場所を、誰と一緒にいるか、選ぶことが出来る。
子どもの頃は学校に行くことを決められて、住む場所は生まれた家以外考えられなかった。
誰かに守られているという意識があったが、大人になるにつれて守られる枠の中から徐々にはみでていって、いずれ守る側になるのだろう。

大人になって分かったことは、完璧な人間なんていないということと、自分の選択で如何様にも人生は変わるということ。
このこと、子どもの頃の私に教えてあげたいなぁ。
でも、年月をかけて自分で理解していったことだからこそ、価値があるのかもしれない。

子どもの頃の理想の大人の自分からは遠いけれど、私は今日もこの自分で生きていて、確実に二十歳の頃の自分とは違う。
いつか自分のことを素晴らしい大人になったと思える日が来るのかしら。
そんな日は来ない方が、毎日前に進んでいく力になるような気はする。

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あや

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