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ホン雑記940「なれたらアカン~♪」

いきなりだが、オレが嫁を年々溺愛していってるのは、何年か前に起こった虫へのゲシュタルト崩壊も関係してるような気がしてきた。


出会ってからずっと右肩上がりに溺愛していってるっていうデフォルトの分と、こないだ嫁が乳がんこいちまって(治ったよ)、こりゃーだいじにせんとアカンなーなんて思いはじめた分(そもそもしてるよ)もあるんだけどさ。やっぱりあの虫との戯れはオレの人生観をびっみょーに変えた。

自室で黒い半球状の、直径? 全長? ま、どっちでも一緒か、2mmほどの虫を見かけた。
普段ならプチっとやるか、そいつがツイてりゃ逃してやるんだけど、2mmのまんまるの虫ってちょっと可愛いじゃない。ちっこいテントウムシみたいな見た目で。黒一色だけど。

で、そいつがノコノコ歩いてるもんだから手でせき止めてやった。そしたら避けて通るんだよね。「ふーん」って思うわね。ま、察しはついてたんでそこは「へーえ」じゃなくて「ふーん」だわさ。で、そこで「?」って思ったのがことのはじまりだった。
なんで回りこむの? 手をどのぐらいの斜面にしたら登るの? 進行方向に対してどのぐらいの角度で邪魔すると左右に分かれるの? なんで指を上に上っていくの? などなど、次々と「?」が湧いてくるわけ。

夢中になって30分ほどそんなことしてたら、だんだん動きがのろくなってきて、それから止まってしまった。あぁ、やっちまった。
もうそいつは他の個体とはまるで別人…別虫で、友達同然だったんで、当然最後は逃がしてやるつもりだった。
が、潰す気はまったくなくても、こんな巨人にツンツンされたら結構なダメージだったんだろう。いや、別にツンツンもしてないぜ? でも、戯れるのに上から触るとかもあったと思うしさ。そのダメージが蓄積していったんだろうね。

で、彼(彼女かもしれんが)の人生…虫生を振り返った時に、いや、ホントはご存命中に薄々来てたんだけど、彼の「虫」感がゲシュタルト崩壊していた。
あの感覚には驚いた。人生初だったな。虫が虫に見えないのだ。まったく違うものに見えてとにかくすごいって感覚。
それはプログラム化された単純なロボット的なもののようにも見えるし、あるいはまったく逆に、オレの好きな「見えないもの」のエネルギーだけを視覚化した何かにも見える。
まさに筆舌の及ばぬ感覚なんだけど、超ヒマな人なら誰にでも訪れることなのかもしれない。ってかたぶん来ると思う。やってみて。


いままでで強めだったゲシュタルト崩壊は、「と」とか「む」のひらがなだった。漢字とかよりも、やっぱりちょっと単純でちょっと変わってる文字がよく「来る」気がする。「を」とかも結構来そうだな。

それがだよ。虫だと、つまりそんなシンプルの極みみたいな単なる黒丸であっても、それが虫であると、30分もゲシュタルト崩壊に時間を費やす。
この差はそいつの持つ「情報量」によるんだろうか。本当の情報量じゃなくて、こっちが「こいつにはこれぐらいの意味合いが含まれているだろう」と勝手に推測する情報量だ。
虫にゲシュタルト崩壊を起こしたオレが見る「それ」は、まるで『ナディア』のブルーウォーターだ。あの青い結晶には宇宙開闢以来の全情報が詰め込まれているらしい。
その情報量がバカデカすぎて物理的に質量を持ってしまうほどである、という設定らしいけど、そんな感じだ。とにかく、情報と、その企てを携えて虫さんは歩いていく。

「なんでそうなるの?」は、「誰がそうしたの?」に当然変わる。
軽々にスピリチュアルを持ち出すヤツも嫌いだが、軽々に否定するヤツも、「自分で」この領域に来てないんだろうなぁと思う。感じなきゃそりゃー「そんなもん気のせいだよw ぷげらっちょw」言うしかないわな。
とにかく、無機的なのか有機的なのかしらんが、「神のプログラム」めいたものをもうハッキリと感じるのだ。
いまは虫は虫に見えてるけどね。


案の定話が長くなったのう。
ま、そういうことですわ。虫ですらそんなレベルなんだから、これが人間だったらどんなんなるんだろうっていう好奇心。
自由に観察し続けられる、しかも人間にしてはちょっと単純でちょっと変わってるという、これ以上ない逸材が嫁なのだ。
たぶん、っていうか、間違いなくゲシュタルト崩壊の日は来ない。虫に比べて意味合いがあまりにもデカすぎる。

常時一緒にいるのは自分なんで、ホントはこれが一番時間的自由はあるんだけど、とてもじゃないけど自分は観察者すぎて観察対象にならない。「ふーん」の対象にならないのだな。
「自分がやられてみてはじめてわかる」って現象と同じライン上の出来事なんだろう。


ヘンな話ではありますが、これはかなりオススメの遊び。
嫁が動いてると、途轍もなく巨大なものが一緒に動いてる感覚になる、時もある。だって、虫でさえあんなんだからね。

ホントはこれ、赤ちゃんが生まれた時とかに、どの親も感じることじゃないのかなぁ。ウチはおらんからしらんけど。
とにかく、なんだかとんでもないものが誕生した感じがあると思うんだよ。子犬とか産まれてきてもそうじゃん。いや、それもしらんけど。

「当たり前」を崩壊させるのにうってつけの遊び。




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【今日の過去詩リーズ】




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