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ホン雑記 Vol.802「子育てと同じで成長してしまうと思えばいいんじゃないか。その高原はもう戻って来ないんだから」

『スマホ脳』と並行して『達人のサイエンス』って本も読みはじめた。これがめっさいい。ワシ最近めっさばっか言うてるな。


いやでもホント、めっさいいのよ。これ、もっと早く出会いたかった本のひとつだわ。トップクラスのひとつだわ。
その名の通り、達人になる方法を科学する、みたいな感じ。え、達人って誰でもなれるの? って思うじゃない。なれるんですよ。なれるんですって。

達人の定義は特に書いてなかったんだけど、まぁみなさんが思うようなイメージでいいんじゃないでしょか。その分野のトップレベルだわね。
で、なぜみなさんが達人になれないのか、それってこういうことですよーってことが理論立てて書いてある。

著者はアメリカの総合雑誌の『Look』誌の編集局次長を務め、アメリカの教育問題に関するレポートで多くの賞を受賞したらしいジョージ・レナードという人で、合気道5段の腕前でもある。実際達人でもあるんだねー。


著者は、達人マスターへの道へ歩を進める人を「マスタリー」と呼ぶ。そしてそこに届かない普通の人たちを「ダブラー」「オブセッシブ」「ハッカー」に分けることが出来るという。

ダブラーはいわゆるミーハー型だ。あたらしモノ好きで、最初の成長段階に差しかかった時に「俺スゲー!」ってなって、最初の成長が停滞してくると「これ向いてないんだ」「つまんない」となって道から降りる。

オブセッシブは猪突猛進型。ダブラーと似てエネルギッシュではあるが、停滞期には「こんなはずはない」と、周りも見てられなくなるほどの痛ましいまでの努力をする。それがうまくいくこともあるけど、ダメだった時の落胆の度合いはその執念ゆえにダブラー以上に激しい。

ハッカー型は、(これだけ急に特徴の説明のカラーが変わるんだが)結婚生活などコミュニティにおいて成長や学びの要素を求めず、安楽・逃避の場として考えているところがある。
定時、もしくは定時よりも多少早めに退社し、それでいて「自分はなぜ昇進しないのだ」と訝しむのがこのタイプである。

いや、最後のだけおかしくね? オレがまさにこのタイプだけどさ。悪口要素多くね?
ところがですね、人の成長の過程はだいたいこうなってるらしくて。

マスタリーはこの道のりをいつまで歩き続けた者ということになるわけ。
で、他の3タイプはこんな感じ。

そうなんですよ。のーんびりしてるけど、マスタリーの形に一番近いのがハッカーなんだな。
で、著書では横棒一直線の停滞期を「プラトー(高原、台地)」と呼んでるんだけど、ハッカーはこのプラトー状態を気にしないというんだな。
いやいやいや、それだけは認めんぜよ。オレはぐうたらののんびりのアホぼんだけど、何も変化のない時の焦りったらなかなかのレベルだと思うぜ。マジで指全部切り落としたろかとよく思うぐらいで。あ、鍵盤の練習の時だけど。
まぁ、そこは置いとくけどさ。たとえば恋愛においてはダブラーだけど、仕事のほうはオブセッシブなんて人もいるし、日々のバイオリズムによっても違うらしい。もちろん普通の人でもマスタリーの道を数日、数週間は歩んだりもしている。

で、この本の中核を書きますよ。いいですか。
買う前から、帯だったかレビューだったかに書かれていてすでに目にしてしまっていたその真髄を。

「マスターとは、プラトーを愛する者だ」

どーよこれ。どーよこれ。
これ中1の時に知りたかったわ。水泳部の時に4コース(真ん中)の実力しかないのにもかかわらず、顧問の先生に「今日からお前1コースな」とひとりエリート軍団の中に放りこまれたあの時に(なんかフォームが良くて伸びると思われたらしい。顧問は水泳部のホープだと言っていた。なのにオレはこっそりオトンのHOPE吸ってた。スマン)。
ただでさえメンドーサなオレは、エリートにまみれてクッタクタになり、2年からは帰宅部に入部することになる。3年まで部活必須の学校で。そしてHOPEを吸う日々がはじまる。

いやいや、言いわけはすまい(もう十分したやんか)。
ま、とにかくですよ、プラトーを停滞期とか伸び悩みとか言っちゃうからこそ、そう人から聞いちゃうからこそ、そこにマイナスのイメージしかなくなって、人はイヤんなっちゃうわけでしょ。イヤんなっちゃうんだよな。なんか音が可愛いから2回書いた。発音はしていない。

このことについて、なぜどこにも教育機関がないのか、とも著者は言っている。いやホントそうだで。脳や心の勉強がおろそかすぎる。行き過ぎた民主主義ってやつだぜ。その結果ウツと疲弊と絶望が世界を覆ってると言っても過言じゃねーぜ。
日本だけじゃなく、やっぱり世界中が疲れてるみたいだな。特に先進国な。


で、いまちょうど個人的には超面白い部分に差しかかってきた。
「マスタリーの道とアメリカとの戦い」という内容で、「マスタリーの道を目指す者とアメリカ(成長・成果主義、消費過多社会の象徴としての意味だろう)は衝突を避けられない」という。

そして、負けるのは「アメリカ」のほうだ、いつまでも不自然な成長が続くわけがないという(著者はアメリカ人)。
ITやAIや効率やスピードに辟易してる人、安心してください。そのうち戻ってきますよ。

そのうちいうても、だいぶ世界が疲弊しきってからだと思うけど。そしたら、北斗の拳みたいな世界線を楽しんでやるしかないわな。




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【今日の過去曲(Youtubeだと概要欄に説明と歌詞あります)】

「疑問符の中で」かぁ。
いいタイトルだなぁ。最後にわかることがひとつだけあるんだねぇ。
自分で言うねぇ。




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