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雑記1052「歌もだいぶ物理的なんだけどさ」

NHKでやってた「no art, no life」の一挙放送で障害者支援施設「やまなみ工房」を知った。


芸事の道をゆく者の精神を、いつも目の上のたんこぶのようにわずらわせる「何のために」の観念が抜け落ちた人たちを見てメタクソ泣いた。底の底から救われた。

特に号泣させられたおふたりが、前もここで書いたけど「サッポロ一番 しょうゆ味」を触り続ける酒井美穂子さん。
そしてもうひと方が、10万体を超える土人形を作り続けた山際正己さん。

このたび、彼の作った「正己地蔵」を購入した。わーい。
工房をはじめいくつかのサイトでSOLD OUTになってたんで、前に諦めたことがあったんだけど、今回は直接電話して訊いてみた。何万個も作ってるんだったらなんとかして手に入れられないかと思って。

そしたら普通に「送りますー、小さいおまけもつけちゃいますー」とのことだった。

ねんがんの まさみじぞうをてにいれたぞ!

はい。これです。

前に、鍵盤で弾けなかった部分を弾けるようになった時に、自分の頭を両手でナデナデナデナデナデナデナデナデしてやりながら「よーやった、よーやったぞ」って褒めてやったことがあるんだよね。
そこでこのお地蔵さんのことを思い出した。正己さんも一体作るたびに「ようやったなー、日本一やなー、ありがとうさん」って言ってたんだよね。そこで超泣いたんだけどさ。
そしたら「他者の、本物の祈りのほうがいいんじゃね?」ってなって、早速電話したわけ。音楽道を行こうと決めたオレの、いいお守りになると思って。そこは直感よ。

で、悪いんだけど、オレ寺社のお守りは本物じゃないと思ってんだよねぇ。だってオレ、あれ見ても泣かないもん。作ってるとこ見たって泣かない。坊主がまとめてなんかフニャフニャやってるだけ。
オトンの戒名を自分で付けるようなオレはそんなもんには騙されんでー。あんなもん坊主の流れ作業じゃんか。
(お守りを買う人に祈りがあればそこで何かが入るような気はしてる(しらんけどな)。だから普通のお守りを買うことに意味がないとは言わんさ)

ところが正己さんのは違う。少なくとも一体作ったあとに正己さんは「本気で」、その一体が日本一であり、有り難いとマジで思ってるはずだ。伊達や酔狂でやってんじゃないんですよ。命の時間のほとんどを費やしてやってるんだから。
その祈りが時空を超えてここに届くのか、そもそも祈りなんてものがあるのかはしらんが、少なくとも祈りのインプット時はマジモンなんだよ。
ってか、意味の無いことを人間が何万年もかけてやってるとは思えないし、オレが泣くこともないと思うんだよね。

そういうギリギリのところから出て来た人形ひとがたっていうのは、「おまえの音楽にも意味はあるよ」と、たびたび「オレがやってることに意味はあるんだろうか?」と思っちゃう情けない心を、強めにそこのけそこのけしてくれるんだよねぇ。


あぁ、やっぱり物理的なモノってのは強いよなぁ。
マンダラチャートのひとつに「歌は我が子」なんて書いてはみたけど、なかなかオレよりだいじとは思えん。ゆえに意味も疑うわさ。
でも実際の子供は、たとえ毒親であっても、超ネグレクトであっても、産まなきゃ良かったと思ってても、さすがに「こいつの存在、意味ある?」とは思わんよなぁ。いるのに無視したり忘れることなんかできんでな。

FFの絵描いた天野喜孝氏が、
「この絵のために何ができるのか。そう考えるようにしています。絵の中の人達や生き物も生きていますから」
って言ってたけど、これさえリアルにリアルに思えたら、そいつはもう天才だと思う。もうこれだけでいい。スキルや熱なんか勝手についてくるわな。生きてると思ってるんだから。まったく手なんか抜けないわさ。

あー、特に作曲月間で作ったあの歌たち、だいぶ育児放棄してるなぁ。
第1弾の「転轍期」を除いて。




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【今週の過去分オリジナルソング】




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