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ホン雑記994「草刈正雄とぞうさん」

のちに神回と言われる番組をたまたま観てたのはなんだか嬉しいもんだけど、「ファミリーヒストリー」の草刈正雄回がまさにそうだった。


本人の比にならないほどむせび泣いた。この感覚はどこからやってくるんだ? とワクワクと共に泣いた。あれは気持ちええ瞬間やね。
朝鮮戦争で亡くなったと聞かされてきた元米兵の父親が実は10年ほど前まで生きていて、草刈氏が番組内で初めて父親の顔を見るという回だった。

「ファミヒス」はテレ朝の「あいつ今何してる?」と同様にチャンネルザッピングしててたまたまやってたら見るぐらいのスタンスで、何曜日の何時にやってるかも知らない。
だからたまたま見たなんかスゲー展開に「これってなんかスゲくね?」(語彙がなくてスマン)なんて感じでワクワクさんだった。ワクワク嗚咽さんだ。

それもこれも、草刈氏の伯母であるジャニタさんが97歳にしてまだ存命だったことでつながった縁だった(亡くなっていても調べ尽くしたらたどり着いたかもしれないがそれでも番組も相当苦労して探してた)。
その番組の最後で、まだ見ぬ甥のあなたに会いたいという動画を見て、草刈氏は死ぬほど嫌いな飛行機に乗ることを決意する。

その後、ファミヒスの「草刈正雄 特別編 ~アメリカへ 決意の旅路~」をやってたんで観たんだけど、これもアホほど泣いた。
なんか、こういうことのために人は生きてるのでは? と思えるほどに泣いたなぁ。人はこんなにしてまで、会いたいんだなと。

その特別編の最後だったと思うけど、草刈氏の長女である紅蘭さんが出てきて、前回の番組を観て父と話をしましたと。
それ以前にも、酒を飲むたびに「俺の父親はどんな人だったのかなぁ」とこぼしていたらしい。
そして紅蘭さんが「(おじいちゃんに)似てるよね」と言うと、「そうか」と嬉しそうにしていたという。

続けて紅蘭さんは「ある意味、おばあちゃんは捨てられてしまったわけだけど、父にとっては苦労の原因でもあった父親を全然恨んでないんだなと、嬉しそうに聞いていたことでわかった。血というのはすごいものだと思った」というような内容のことを言っていた。
まぁ、ここでも紅蘭さんより泣いてたわ、オレ。こういうのたまらんねん。


オレのかなり好きな詩人のひとりにまど・みちお氏がいる。
彼が自身の書いた「ぞうさん」の歌詞について言及してたテレビを観たことがあってそれをいまだに覚えてる。

ぞうさん ぞうさん
おはなが ながいのね
そうよ
かあさんも ながいのよ

この歌詞は人間で言えば指摘に当たるんだろうと言う。
たしかに他の動物と比べて甚だユーモラスでユニークな特徴だ。人間の子供だったら、からかいと受け取るだろう。

だけどこの子象はそうは取らないんです。ただこの長い鼻が誇らしいんです。だって母さんも長いから。

と言うんだね。
「そうよ かあさんも ながいのよ」はそんな意味だったのかと、そこでもむせび泣いた気がする。いまも泣いてるぐらいだしな。


自分の近くにいる人に…親に、連れ合いに、友達に、上司に、顔でも性格でも考え方でも、「似てるね」と誰かに言われた時に「えっへん」って思える人は幸せな場所に居られてるんだろうなぁ。




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【今週のオリジナル曲】




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