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無職な毎日(15)雨宮まみさん

前回、仰々しい決意をしましたが、ダメです。
やっぱり毎日泣いてします。
そもそも、環境の変化に弱い自分が転職なんて無謀だったのだろうか。
何故、自分が考え抜いて結論を出したことはいつも失敗するのだろうか。
もう弱音しか書けません。
もう前向きになれないのです。

以前にもこんな弱気になった事があります。
仕事も中途半端、結婚も出来ない、友達も子育て真っ最中で自分の悩みなんて言えない…自分はこれからどうなっていくんだろう…って、ベッドの上で毎日天井を見ながら泣いてました。

その時に出会ったのが雨宮まみさんでした。WEBで連載していた記事を偶然目にしたんです。

題名からわかるように「結婚したくてもできない」女性を考察したエッセイです。私と同じように結婚に向けて様々な努力をしましたが、エッセイの最終回までに結婚相手が見つかったとかハッピーエンドになったという事はありませんでした。でも最終回でまみさんは

私は、「もう若くない独身女」ではなく、ただ私自身として生きたいです。それは、結婚している人も、子供を持っている人も、みんなそうであればいいと思うのです。立場で生きるのではなく、意志で生きることだけが、人生を輝かせるのだと、私は思っています。

という結論を出しました。
もう、全私が泣きましたね。それと同時に自分自身が自分にも他人にも「独身」「既婚」という括りで見ていることにも気づきました。
文章も思いやりがあって、笑える。読者が不快になるようなことも、傷つくようなことも、批判もしない。すごい人が現れたなぁ…と思い、色々調べてみたところ、なんと私と同い年(爆)AVライターにしてすごいべっぴんさん。ファッションセンスも半端ない。え?こんな方が婚活に苦労しているの?って衝撃を受けました。しかも他のエッセイを読むと結構ぶっ飛んでいる所があり、まみさんのトリコになりました。

その後、他サイトで連載が始まりました。

この題名と帯の「泣きそうなほど努力しているのに、なんにもうまくいかないんですけど?」ってこれ読んで響かない人なんている?そんな人、よほど人生うまくいってる人だよー(僻み)
この本は発言小町のような悩み相談ではなく、とことん愚痴を聞いてくれる本です。悩みや愚痴の正解はいつだって正論。その正論が人を救える?そもそも悩みの解決方法なんて本人が一番知っているわけで、それでも何かしらの理由があって解決できないんだから、解決策を提示するのではなく、こう折り合いをつければいいんじゃない?ってお酒を飲みながら話してくれる…という本です。その中で一番心を揺さぶられた言葉がこちらでした。

自分が弱ったときにだけ、見えてくる世界があります。ずっと正しく、強い人には見えてこない世界です。それを少し見ていてください。

今、すごくこの言葉を思い出します。辛いけど、今の辛い状況から逃げないで向き合わないといけない。誰も助けてはくれないのだから。

うん、やっぱり私の文章ではまみさんの良さは伝わらないなー。でも誰かが辛くて苦しんでいる時、この本をプレゼントしたいくらい大好きな本。

自分も今の状況から折り合いを付けられる日は来るのかな。

まみさんの本と出会ってから数年後、じたばたした後に私は縁があって結婚しました。なんとなく落ち着かない生活の中、ネットニュースでまみさんが亡くなられたことを知りました。
「雨宮まみさん亡くなったって!」と旦那さんに言いましたが
「誰それ」
そりゃそうだよね、テレビに出ている人ではないから知らないよね。
でもなんか伝えたかったんだ。

まみさんの文章がこれから読めないことがただただ悲しかった。
今もTwitterや連載途中の文章が残されており、まだまみさんが生きているようだけどもう読めない。

でもまみさんありがとう。私はあなたの文章で救われたことがいっぱいあります。私はまた新たな問題に直面していますが、じたばたしながらまみさんの言う折り合いを探したいと思います。

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