モナ

とあるおばちゃん。

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人は2度死ぬ 2 「柿の話」

祖父のエピソードで一番好きな話。 祖母がしてくれた。 祖父は庭が好きで、よく手入れをしていた。 祖父母宅には周りぐるっと色んな樹木が植っていた。 花木や果樹。 特に橙になる実は立派で、 毎年鏡餅のてっぺんを飾ってた。 柿や枇杷も毎年良くなってた。 美味しかったよ。 父が中学生の頃の話。 父と同い年くらいの子ら3人が、 柿を盗もうとしていたらしい。 祖父はそれに気付き、激怒した。 「盗むな! 欲しいなら欲しいと、盗る前にわしに言え!」 祖父がその子らの荷物を取り上げ

    • 人は2度死ぬ1 「序章」「水族館」

      祖母の七回忌の時に、 お上人さん(うちは日蓮宗なので)読経後のお話にて。 「人は二度死ぬと誰かが仰ってるのを読みました。私はこの言葉に心を打たれました。 一度目の死、これはこの世からのお別れ。 誰しもが受ける事ですね。これは避けようもない。 二度目の死は、人から忘れ去られること。 亡くなったその人についての思い出話を誰もしなくなった時だそうです。 せめて、故人の生前を知っている私らが生きてる間だけでも、 故人との思い出話、 たくさん、何度でもしていきましょう」 と言われた

      • 実家

        夫と結婚してもうすぐ25年になろうとしている。 子供達はそこそこ成人してます。 25年順風満帆かといえば決してそうではなく、 今から10年ほど前、離婚危機があった。 今から思えば、あれは「盛大な夫婦喧嘩」だとは思うんだけど(一旦離婚したしね)。 私が夫と「もうやっていけない」と思った時、 私の実家は私のやりようを許さず拒絶した。 話を聞くまでもなくの拒絶。 ので、私は祖母宅に身を寄せた。 私にとって実家が消滅した瞬間だった。 その事もあり、 私は「実家の在り方」を

      人は2度死ぬ 2 「柿の話」