バランスがいいとはどういうことか?

絵を見る技術という本を読んで、たくさん得られることがあったので、めっちゃ雑にまとめていく

線的なバランス・量的なバランス

絵のバランスは、大きく分けて二つあるんやけど、それが、線的なバランスと量的なバランスで、それぞれ順番に説明していく。

線的なバランス

直接見えない構造線というものがあるんやけど、それのバランスが取れてないと美しく見えへんっていう話。
例えば、縦線のだけやと倒れてしまいそう、斜め線やともう倒れる寸前やったりするから、すごく不安定に見えてしまう。その不安定さっていうのは、見た人に伝わるし、美しいものを見にきてる人からしたら美しくないって思ってしまうんよね。やから、縦線やったら横棒をついかしてバランス取ったり、斜めやったら、支えになるような線が絵野中にあったりする。それを構造線の補助線というんやけど、なんでそんな言い方をするのかというと、
構造線って実は絵の印象を作り出す効果があって、構造線を縦にするか斜めにするか横にするかで、全然印象が異なってくる。でも、バランスが悪いと美しく見えないということで、構造線を邪魔しない程度にうまくバランスを取る線を入れる必要があるねんて。やから、1番のキモは、構造線もやけど
どうやってバランスをとるのか、補助線をどこに配置するのかがめっちゃ重要になってくる。
構造線と補助線があって初めて、バランスが取れてるっていうねんて。
でも、横の線ってそれだけでバランス取れてしまってるんやけど、別の理由で補助線が必要になってくる。なんなのかっていうと左右の辺って目を惹きつけやすくってそのまま絵の外に視線がいってしまうリスクがあるんよね。だから、すこしでも絵を長い時間遊んでもらうために縦線や斜め線を補助線として絵に止めようという工夫があったりする。
で、構造線でも曲線を加えることでまた別の印象を与えられたり、縦線、横線、斜め線などを同時に使ったりもできるから、構造線はいろんな組み合わせで印象を複雑にできたりする。なんか、現代芸術ってその作品から得られる印象の数で価値が決まるって本で見てんけど、構造線をどれだけテクニカルに使えるかが肝になってくるんかなって思った。

量的なバランス

量的なバランスとは、絵の中の要素間のバランスのこと。人は、絵の中の要素にみかけ上の重さ絵を感じ取るようになってるらしくて、有名な絵というのはその要素それぞれの重さが釣り合うように作られているんやって。見かけ上の重さは、現実世界からの連想や大小での重さに加えて、目立つ感じの3つの重さがあってこれらを考慮してバランスを取る必要があるんやって。目立つ感じは、大きさとかもあるけど、主役とモブが1:1やと釣り合わへんように主役の目立ち具合と同じ目立ち具合にモブを増やしたり、同じくらい目立つ主役を用意したりとかせなあかん。
でな、釣り合わせ方には絵の構図が関係してくるんやけど、絵の構図は大きく分けて、「古典的な構図」「大胆な構図」ていうのがあるんやって。

古典的な構図

左右対称に配置する構図や真ん中に主役を置いて左右にものを置く構図で、フォーマルバランスと言われるんやって。
この場合は、天秤をイメージして左右のバランスが取れてるか見ていくんやけど、ラファエロはそれを極めた人で、これまでは、左右のでバランスを取るときにどうしても両方とも似たり寄ったりしたポーズとかになっててんけど、ラファエロは左右別のポーズでより自然にその瞬間を切り取ったかのような絵を描けるようになったんやって。フォーマルバランスってその名前から分かるようにめっちゃフォーマルやから、安定し過ぎてて作為的・人工的な作風になてしまうんやけどラファエロはそれを自然的に見せることができる天才やったんやって。で、フォーマルバランスは作為的・人工的な作風になるから、静止画や風景画にはあまり使われへん。

システィーナの聖母
自画像

こんな感じで、上の自画像とかめっちゃ神聖な感じがするし、拝みたなるんやけど、こいつ全然普通の人やから。うん。まじで。こんなかんじ、古典的な構図を使うとどうしてもマジ感がでてまう。

大胆な構図

主役を真ん中に配置しない構図のことで、今までW主役でバランスを取ったり、そのほか同士でバランスを取る絵だったが、大胆な構図では、主役とその他でバランスを取る構図。
そのバランスの取り方は、古典的な構図とちがい、シーソーのようなバランスの取り方をする。つまり、真ん中を支点としたときにその支点近くに重たいものを配置して軽いものを視点から離れた場所に配置させることで重たいものと軽いものが釣り合うような効果を利用した方法。
そのほかに、逆に視点を動かしてバランスを取る方法で竿秤をイメージしたものがあるんやって。正直、ここの違いがよくわからん。

青い安楽椅子の少女
嘆きの壁
アンドリュー夫妻像

てかアンドリューの顔キモくね?
ということで、バランスの取り方はこんな感じでした。みんなもこれで、グラフィックデザイン作るときに困らなくなったでしょ?僕もです。
しらんけど。

ところで、なんでバランス取るんやろ??

バランスを取らなあかん理由って何?と思ってたらしっかり納得いくように説明してくださってたというか、ルドルフ・アルンハイムが言うてたことを引用してただけやねんけどめっちゃ納得したから僕もここに記しとく

世の中でバランスを取れている状態というのは部分的、もしくは、一瞬しかなく、世界は常にうい転変している。そして芸術というのはそういう中で、バランスが取れた、一瞬の理想的な瞬間を絵の中に組織化しようとする試み。絵は単に、バランスを取ることが目的なのではなく、その方法は無限にあり、どうバランスをとっているかという点に意味が込められてある。

ルドルフ・アルンハイム


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