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カオスの研究

先日のnoteで天気予報について書いたが、天気を当てることは非常に難しいようだ。昨日、家に積まれた「複雑さを科学する」という物理学者/米沢富美子先生の本を手に取り読み進めると、その理由が書かれていた。

天気予報が当たらないのは、考慮すべき情報の量(インプットすべきデータ)があまりにも多すぎて、対処できないからだと考えられていました。しかし、それだけではなかった。

1961年のこと。アメリカのローレンツという気象学者が気象の変化を決めるモデルを作り、それを方程式に書いてコンピューターを使って研究(シュミレーションの検算)をしていました。

ある日に何度やっても検算が合わない。シュミレーションのグラフが想定通りにいかないことに気づき確認していると、入力の数値が5,000分の1ほど誤っていたのです。

初期値の小さな誤差が、与える結果に大きな影響を与えることが分かりました。時間がたてば、結果も大きくずれていくことを「初期値に対する敏感な依存性」と専門的な言葉では呼び、カオス理論と命名されました。

なるほど、確かに仕事をする上でも最初のボタンの掛け違いが大きなミスにつながることがあるし、「会社のルール」や「人の特性(性格)」や「使える予算」など色々と考慮すべきことが多い。

この本「複雑さを科学する」にも数式なども書かれていて、理解が及ばないこともあるけれど、偉人たちの物事の分類が物理、化学、生物、遺伝学、経済学、心理学に渡る幅広い分野を跨ぎ物事を捉えようとする米沢先生のエネルギーを感じた。

僕が東京にいた頃、日経新聞の「私の履歴書」に連載されていた米沢先生の記事を見て、物理を専門にする後輩からの勧めで手に取った本。

今やっと、読了しました!


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