明けない夜はない
年明けの地震から4週間、毎日がこれまでになくとても長く感じたひと月でした。
地震の翌日は余震が怖くて外出せず、三日の日に恐る恐る初詣に行きましたが、境内の燈籠がどれも無惨に倒れたままの状態でした。
お参りを終えて帰る際に余震があり、古い社務所の木枠のガラス窓がいっせいにガタガタと音を立て、慌てて近くの鳥居から離れました。
私の住んでいる地域は震度5強、能登よりかなり離れているので被害は少ない方です。
ただ市内を車で走ると道路がひび割れていたり隆起して通れない場所がいくつもあります。
築年数の古そうな家の屋根にはブルーシートが被せてあったりブロック塀が崩れていたり、庭先の燈籠が倒れている家も見かけます。
いまだ通行止めの市道も数箇所あり、公園に行けば遊歩道の石畳がめくれ上がり、住宅地のあちこちには危険を知らせるポールが目につき、どこを走ってもあの長く続いた揺れが爪痕として残っています。
ある時は発生から2週間後に道路が突然陥没し急遽埋め立て工事をしていたこともありました。
そして衝撃だったのは、一般の人はあまり通らないけどわたしがたまに利用する山の中の道が崩れてしまい通行不可になっていたこと。
これを実際に見た時、いつもの当たり前の景色が無くなってしまったことのショックと同時に、能登の人たちの目に映る変わり果てた町が現実とは思えない、思いたくない日々を送っていることが少しだけ分かる気がしました。
暮らしは今までと変わらず過ごせてますが、長く続いた余震に身体も神経質になり、揺れていないのに揺れてる気がして地震速報を確認したり、心理的にもダメージを受けて気持ちが沈む日々。
昨日のニュースを観ていたら、倒壊した家から家族の遺品を探す父親に向けて
「震災からひと月たちますが…」
とマイクを向けて帰ってきた言葉が
「ひと月経とうが…ふた月経って家族が帰ってくるならいいですけど…何も変わらないですよ、何も…」
それでも能登の人達は毎日必死になって明日を、未来を生きるためにがんばっている。
わたしもいつまでも沈んでいる訳にはいきません。
能登が復興するまで微力ながら応援し、復興したらまたあの自然豊かな素敵な能登に必ず行きます!
冒頭の写真は先日の夕方、太陽の周りに虹の輪ができていたのを偶然発見。
太陽の周りにある薄い雲に反射してできる現象らしいけど、わたしはこれは能登への希望の虹の輪と思っています。
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