オトナの勉強(本編/懐中電灯、教科書、うさぎ)

【オザケン講義+ライブ(東大900番講堂講義・追講義 + Rock Band Set)概要】
ドレスコードはパーティー向きの服装、持ち物、懐中電灯。チケット代16,600円。場所、LINE CUBE SHIBUYA(元・渋谷公会堂)。
十八時開演。

これだけで、なんだかUFO観察に行くみたいな不思議さと、ドキワクが入り混じりませんか。講義とは?パーティー向きとは?懐中電灯???

そんな心地よいハテナを胸に持ったまま迎えた当日。
いやーーーーーーー凄かった。
オザケンオリジナル作成の全126ページに及ぶ分厚い教科書を手に、ステージ上のオザケンの声を通してオザケンが今考えていることを約3時間ぶっ通しで聞き続けるという体験。
もう二度とない気がするこのシチュエーション。
会場は満員御礼、わたしは奇跡的に抽選当たったから行けたけど、もし次また同じような試みがあってもまた行けるかは分からないし。

この講義イベント?はもともと東大卒のオザケンが現役東大生を集めて行ったものが元で、それを多分渋谷公会堂に集まった人たち向けとしても少しアレンジしてくれたもの。

トピックスはみんな、日常の中に埋もれていることだった。そういえば自分もちょこっとひっかかっていたな、ってことに繋がったり、普段そんなこと考えるの?!と思うようなこと。
たとえば今noteを書いてるスマホひとつとっても、その手のひらの端末から宇宙に接続するのだ。スマホみたいな文明の利器を世に送り出す人の「売るため」の仕掛けや、スマホで映せる色の限界、数十年間を通して膨れ上がる情報が襲いかかってくること、わたしたちはもういつのまにか、「科学」とか「社会学」の世界に漂っている。
そこには現象を分析した論文や、有識者の言葉が泳いでいる。膝の上に分厚い教科書を置いたまま、わたしたちは頭より少し高い位置に浮かぶそんなことばやデータを眺め、これはわたしたちの現実生活の話なんだと認識して取り込もうとしてる。

なんの変哲もないプレーンのパウンドケーキを色んな角度から切ったら、切り口ごとに思いがけず赤や緑の断面を顔を出すように、たのしい手品みたいなことが怒涛で続く。

こんなとこにつながってたの!おもしろ!
そしてとてつもない、と途方にくれる。
学ぶことが楽しい、もっと知りたいと前より強く思うようになったわたしは、すでにもう週5で働く社会人にもなっている。
時間は有限で、あまりヨケイなこと考えない方が社会人うまくいくなーなど思っている自分にとってこの欲求は贅沢。

最高のライブをした後、オザケンも締めの挨拶で言ってた、「ありがとう、こんなユートピアみたいな時間を」と。
(言葉は正確でないけどユートピアとは言っていた)

そう、ユートピアなんだよね。あの時間、あの楽しさ。確かに現実と繋がっている事実なのに、そうは思えないシェルター感。現実から逃れてみんなで薄暗いホールに集まり、懐中電灯をつけて声を聞いて文字を読んでいくうち見えないものが見えるような気がするってさ。

ホール、懐中電灯の灯り、そしてステージで足を組んで座り、うさぎの耳をつけて、講義を続けるオザケン(!)。
「時間ない(講義が長くなるし渋谷公会堂は時間厳守らしいので)」「分かる?」「ありがとう」を最もよく言ってた。
オザケンでもあり、ふつうに先生にも見えてくる不思議。大学時代、講義じゃない時間に好きな教授に話しかけた時みたいにどう思われるとか怖気つかず心弾ませて、オザケンに質問したくなる不思議。遠い、雲の上のアーティストだと思っているのに。

うん。魔法的空間でしたね。
こうやって書き起こしてあらためて、そう思いました。
いい夜でした!

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