読書感想 思考の整理学

東大・京大で一番読まれた本って帯に書いてある本書。
何がきっかけでこの本に興味を持ったのか覚えていないが、
確かにもっと早く出会っていればと思うことがいくつもあった。
そして一番驚いたのが1986年に出版された本ということ。
本書は、「アイデアのつくり方」や生産性を上げるためのシステム,
今で言う「GTD」のようなことも、セレンディピティやコンテクストも書かれている。
久しぶりにこのnoteに書こうと思ったのも、本書内にある「とにかく書いてみる」という箇所を読んだからである。
では軽く本書の説明へ。

まず最初の項では、近年受け身の学生が多すぎるということを指摘している。
自分から考えず、答えを暗記して解答するようなお受験的な学習方法が浸透しているからという指摘。
またそのまま社会に出たところで、言われたことをしっかりやるだけではコンピューターが台頭してきている今、ただのコモディティにしかなれないと指摘。
これを読み、約30年くらい前から今起こっているようなことが書かれていることに驚いた。そして今自分が読書をしなければと焦っているのも、この受け身だらけの人生を歩んできたからだと思う。(てかよくこういう記事を目にするので、受け身の自分は単純に鵜呑みにして焦っているだけかもw)

次の項ではいいアイデアはどのようにして浮かぶか、ということが書かれている。これは発酵と書かれている。
発酵には時間がかかり、例えば悩みや考えごとがあった時、ふとした時にいいアイデアが生まれることがある。それはそのいいアイデアにはそもそも時間が必要だということ。またリラックスしている状態に、よくいいアイデアが生まれるとも書かれている。

その次の項では情報のメタ化。情報は抽象化を高めることによって高度の思考になる。普遍性も大きくなる。と書かれている。また自分がGTDっぽいと感じた所は気になることをノートに取り、カードやスクラップブックとして残しておくこと、また色等で区分を分けることで情報を扱いやすくしていることが書かれている。

あとは忘れることの重要性。人間は文字による記録を覚えて忘れることがうまくなった。それだけでも頭がよくなったのでは、と。思考の整理とはいかにうまく忘れるか、とも書かれている。
その他には、既知・未知について。また拡散と収斂について等が書かれており、自分にはまだまだその真意を理解することができない領域だった。

この本を読むことで、自分の固くなっているかもしれない頭を柔らかくするきっかけを与えてくれそうないい本だと思う。
今後も読み込んでいき、思考の整理を定期的にしていけたらと思う。

ここから先は

0字

¥ 100