読書感想 ハイ・コンセプト

著者:ダニエルピンク 訳:大前研一

なぜこの本を読もうと思ったのか覚えていないが、何かに不安になり、急に大量に本を買いあさった中の1冊だった。
一緒に買った本も手をつけたが、何故か読み進まず。。
しかしこの本は読み始めてから一気に読み切ってしまった。
おそらくこの本の言いたいことが、自分の求めていることと合致したんだろう。
読めば自分の中で何かが変わるような、新しい何かが手に入るような、そんな気がして読んでいてワクワクしながら読んだ。
当然、急に何かが変わったりするわけないのだが。。

簡単に本の説明をすると、
今の時代、すごい早さでテクノロジーが発達し、単純作業や簡単な知的労働はコンピューターやインターネットに奪われてしまうようになっている。
当然、賃金の安い国外のリソースも活用されれば、ますます自国で仕事にありつけることが難しくなる。
そんな時代に勝ち残っていくためには何が必要か。
6要素に大きく分けて説明するのが、本書になる。
その6要素とは、
・デザイン
・共感
・物語
・遊び心
・調和
・生きがい
となっている。

また右脳と左脳では、左脳が今までの仕事では重要だったが、右脳こそがこれからは大事になるということも書いてある。
要因としては、
・世の中が豊かになり、物質的ニーズが満たされたこと。
・それに伴い美しさや感情面を重視する傾向が強まり、物事の意味の追求に拍車がかかったこと
・また、左脳型ルーチンワークがアジア等の安いコストで行われるようになったこと。

こういったことが具体的な例とともに記述され、また6要素や右脳を鍛えるためにはどういったことをすれば良いか、おすすめの本なども記述している。

自分が読んだ感想としては、今まさに不安に思っていて、自分が不安に思っていながらも、正確につきつめられない何かを提示されたような内容だった。それだけに自分の中が随分とクリアになったように感じる。

前職では、主に制作業務を行い、左脳ばかりを使っていたように思う。しかし、それだけでは限界だということになんとなく気づいていた。
大事なことは、クライアントを満足させること、ユーザーを満足させること、であり、技術云々・デザイン云々は手段であり目的ではない。
そのことに気づいた時に、自分の中にもっと引き出しがほしい、このままではヤバいと思うようになった。
当時は気づかなかったが、上記6つの要素が自分にあれば、と思うことが多々あっただけに、この本に書かれている練習や訓練を実践して、少しでも自分の身になればと思う。

自分が行いたいと思うのは、紙とペンを持ってカフェ等に行く。そこで不満に思うことを改善する方法をたくさん考えるという、ごく簡単なこと。
カンヌ広告賞を何度もとった方から、以前企画の練り方を教わったことがあるが、その人曰く、思いつくことをなんでも紙に書くことが大事だ、ということだった。
もう毎朝なんでもいいから書く。思ったことをひたすら書く。それが大事らしい。
教わってから2年くらいたつが全然実践できてないので、そろそろやらねばと思っていたところなので、丁度良かったから始めたいと思う。

他にも色々、自分の引き出しを増やすヒントがこの本には書かれている。
何か自分に足りてないと不安になった時、この本を読むだろう。それくらい、今の自分にとって素晴らしい本であると思う。