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【和訳】DLC / Fisherman

2024年3月にFishermanのEP『DLC』がリリースされました。Zion.TのレーベルSTANDARD FRIENDSに加入してから初めて出すアルバムです。韓国の音源サイトに掲載されている音楽評論家blucによるアルバム紹介を日本語に訳してみました。

ゲーム好きならDLCという単語は聞き慣れているだろう。新コンテンツがアップデートされることや、一種のパッチ (内容の修正・調整) を指し得る。そのような面で、プロデューサー・演奏者・作曲家であるFishermanがリリースする『DLC』は正確な表現であり、前に発売したアルバムたちに比べて相対的にもう少しストレートなタイトルではないかと思う。
このアルバムは後に公開される原本の追加コンテンツであるが、聴く者によってある人にはFishermanというプロデューサーのDLCであると解釈する余地も十分にあり、以前のフルアルバムの改良されたDLCと解釈してみても面白くアプローチすることができるはずだ。そのようなアプローチを外れて、このアルバムだけを純粋に楽しむことができる要素もいろいろある。アルバムのプロダクションと歌詞を分析する基本的な形態を越え、どのような脈略でどのようなものを持ってきたのか悩ませる力があるからだ。
『DLC』はFishermanが扱ったことのないスタイルが大胆に含まれている。例えば、それまでのやり方でないトラックチェンジや展開、電子音楽的なサウンドの構成まで一種の実験が含まれている。これまでのFishermanのサウンドを基盤にしているため、異質であったり難しく感じられたりするところはない。しかし、基盤だけを残してたくさんのものに変化をもたらしたからこそ、ある人には面白さを、ある人には慣れない感じを与えるかもしれない。このアルバムは4曲の完成版の音源と3曲のインストルメンタルの計7曲で構成されている。lIlBOI, pH-1, SUMIN, GIRIBOY, Wonsteinが参加したこのアルバムのテキストはどこか鋭くもあり刺激的でもある。
なじみがないながらも最も共感のできる、最も実験的で非現実的な形態の中に最も現実的な内容が含まれた『DLC』は短いが、だからこそ力強く、既存の作品とは異なり、より聴きごたえがある。おそらく聴く方々も自分なりの解釈をさらに創り出すだろう。-bluc

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