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【和訳】Vanilla / Fisherman

2024年4月にFishermanのEP『Vanilla』がリリースされました。韓国の音源サイトに掲載されている音楽評論家blucによるアルバム紹介を日本語に訳してみました。

長い間蓄積してきた数知れない破片を基盤にして、その中で選択という方法で何かを作ることと、真剣に一つの作品を完成させようと悩みながら何かをようやく完成させることは、それぞれ異なる結果を生む。Fishermanはその面で「曲」を作るというこだわりを明確に持っている。良い曲を作るために悩み、それを皆が聴けるような作品として具現する。
『Vanilla』を聴くと、その前にリリースした『DLC』がなぜ追加コンテンツという意味を持っているのか初めて分かるようになる。二つのアルバムカバーを注意深く見た人びと、中でもFishermanがこれまで見せてきた多くのビジュアルと物語を共にしてきた人びとならば、私の言葉に頷けるだろう。『The Dragon Warrior』で最後に龍という存在を探しに旅に出た主人公は『Vanilla』という何かに出会ったが、むしろそこで出会ったオリジナリティーは一種の虚無感なのかもしれない。このため、二つの連作を一緒に鑑賞することをおすすめする。どの順番で聴くのかはそれこそ鑑賞する人の自由だが、一気に聴いたときにやっと完成される感覚が存在する。
「叙情」という表現を越えてFishermanは今センスと技術的な面はもちろんのこと、音楽を制作する方法と表現において、さらに共に曲を作っている音楽家の特定の部分をよく活用しているという点で、優れた音楽家以上の人物になっていっている。これまでリリースしたアルバムを順に聴いて『Vanilla』に辿り着くと、音楽を作る人でなくともたくさんのことを感じられると思う。4年前、あなたにとって龍が何であるか尋ねたならば、今は皆さんにとってバニラがどんなものなのか聞きながらこの文を締めたい。-bluc

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