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能動的三分間

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記事一覧

【能動的三分間#9】ふるさとを元気にする仕事

【能動的三分間】9回目は山崎亮の「ふるさとを元気にする仕事」(ちくまプリマー新書)です。 私のふるさともいわゆる田舎です。農村というほどではないですが、商店街はシャッター街と化し、優秀な若者ほど都会へ出ていってしまうような街です。帰省するたびに「もっとどうにかならないものか」(いつか自分がどうにかしたい)という想いがあり本書を手に取りました。 著者の山崎亮さんは恐らく日本初の「コミュニティデザイナー」です。デザイン事務所「studio-L」の代表で、地域再生を「仕事」にし

【能動的三分間#8】仕事2.0 人生100年時代の変身力

【能動的三分間】8回目は佐藤留美の「仕事2.0 人生100年時代の変身力」です。 NewsPicks Bookの8月最新刊になります。佐藤留美さんはNewsPicks副編集長です。 「仕事2.0」というタイトルの通り、働き方をアップデートする必要があるというのが主題です。「一生サラリーマンで良いのか」と終始問いかけられる内容になっています。 そのような危機感を抱かざるを得ない現代社会の状況については、出生率の低下、高齢化による社会保障制度の崩壊と、反面健康寿命が伸び退職

【能動的三分間#7】あなたが作る建築の未来

【能動的三分間】7回目はマーク・クシュナー「あなたが作る建築の未来」です。 今回は本ではありません。皆さんはTED(Technology Entertainment Design)という非営利法人をご存知でしょうか。 Ideas worth spreading(広める価値のあるアイデア)をスローガンに、プロ・アマ問わず様々な人が自身の考えや知見、経験等のプレゼンテーションを行うカンファレンスを主催する団体です。 そのカンファレンスで行われたプレゼンテーションの一部はネッ

【能動的三分間#6-④】史上最強の哲学入門

【能動的三分間】「史上最強の哲学入門」④です。「史上最強の哲学入門」については今回最後になります。 ④存在の「真理」について そこにモノが存在するとはどういうことか。当たり前のことを「考える」ことで哲学は始まった。 ヘラクレイトス(BC.540〜)「万物流転説」 紀元前600年頃、人類史上初の哲学者であるタレスが「万物の根源は水である」と提唱した。以来、万物の存在を考えることで哲学は発展する。ヘラクレイトスは万物は一定の法則(=ロゴス)に従って変化し続ける何かであると考

【能動的三分間#6-③】史上最強の哲学入門

【能動的三分間】「史上最強の哲学入門」③です。 ③神様の「真理」について 神とは何か。宗教とは何か。どのようにすれば人は幸福になれるのか。 エピクロス(B.C341〜)「快楽主義」 アレクサンドロス大王によってほとんどの国家が滅ぼされてしまった時代。「幸福」に関する考えは主に3つに大別された。 ・キュニコス派:最初から何も所有していなければ奪われることはない。この状態で幸せを感じることができれば本当の幸福に到達できるはずである。 ・ストア派:「ストイック」の語源となった

【能動的三分間#6-②】史上最強の哲学入門

【能動的三分間】「史上最強の哲学入門」②です。 ②国家の「真理」について なぜ国家があるのか。なぜ人は生まれながらにして国家に属するのか。国家の在り方についての章になります。 プラトン(B.C427〜)「哲人王思想」 哲学史において最初に国家を考えた人物。古代ギリシアの衆愚政治に陥ってしまった民主主義体制において師匠であるソクラテスが処刑されてしまったことに絶望。イデア(究極の理想)を知ることができる優秀な哲学者が王になるべきだと考える。アカデメイアを創設し、優秀な哲学者

【能動的三分間#6-①】史上最強の哲学入門

【能動的三分間】6回目は飲茶の「史上最強の哲学入門」です。 本書は31人の哲学者の思想を「バキ」的な思想バトルの展開で紹介する哲学の入門書です。 著者の飲茶さんは東北大学大学院出の作家、会社経営者のようです。肩書きから見ても、自身が学んだ哲学を実践されている方なのだと思います(その理由は6-②をご覧いただければと思います)。 私は高校の頃、理系でしたが倫理の授業を選択しており、この科目が好きでした。今となっては「倫理」という名前が良くないなと思うのですが(素直に哲学とすべ

【能動的三分間#5】人生の勝算

【能動的三分間】5回目は前田裕二の「人生の勝算」です。 前回に引き続き、NewsPicks Book発刊の書籍になります。 前田裕二さんは若干31歳にしてSHOWROOMという動画配信サービスを運営するSHOWROOM株式会社の代表取締役社長です。 新卒で外資系証券会社に就職、DeNAを経て独立されています。本書には前田さんが若くして、いかにして社長となったか、SHOWROOMというビジネスに辿り着いたかが書かれています。 ”この本を通じて伝えたいことは、大きく三つで

【能動的三分間#4】読書という荒野

【能動的三分間】4回目は見城徹の「読書という荒野」です。 皆さんはNewsPicksというサービスをご存知でしょうか。様々なニュースに対してプロ、アマの「ピッカー」と呼ばれる人たちが発信している意見をニュースと併せて見ることができるニュースアプリです。 ひとつのニュースに対して専門家や著名人、一般人の様々な捉え方を知ることができる素晴らしいサービスです。 そのNewsPicksが「新時代の必読書」として月に1回発刊しているNewsPicks Bookの作品の一つです。見

【能動的三分間#3】有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む

【能動的三分間】3回目はドリヤス工場の「有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む」です。 作者のドリヤス工場さんの詳細は不明ですがtwitterのプロフィールを見てみるとパチモノ同人作家、時々商業作家、とのこと。水木しげるを彷彿とさせるタッチの絵です。 収録作品をいくつか紹介すると、 人間失格【太宰治】 注文の多い料理店【宮沢賢治】 羅生門【芥川龍之介】 阿Q正伝【魯迅】 イワンのばか【トルストイ】 ドグラ・マグラ【夢野久作】 などなど。 私はいわゆる文

【能動的三分間#2】迷子のコピーライター

【能動的三分間】2回目は日下慶太の「迷子のコピーライター」です。 まず、この本を手に取った理由は、表紙の人物がとてもコピーライターに見えなかったからです。著者紹介を見てみるとなんと電通で働くサラリーマンとのこと。おまけに同じ大学の先輩にあたる人のようだったので、読みたいという衝動を抑えられませんでした。 ちなみに表紙は週4回ホームセンターに通って作ったホームレスの仮装だそうです。その時点で訳が分かりません。笑 どのようにすれば上手いコピーが思いつくか、電通で抜きん出た実績

【能動的三分間#1】革命のファンファーレ 現代のお金と広告

本は人に知識と教養を与えてくれる。 映画は人に感動と興奮を与えてくれる。 音楽は人に文化と感性を与えてくれる。 良質なコンテンツが溢れる世の中において、読みたい本、見たい映画、等々、挙げだしたらキリがありません。 本を1冊読むのに4〜5時間、映画なら2時間、ドラマでも1時間かかります。 でも以外と、そのコンテンツで言いたいこと、大事なことは至ってシンプルなことが多いなあというのが最近よく思うことです。 最近触れたコンテンツの「言いたいこと、大事なこと」は何だったのか、とい