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セラーナの年齢をマジメに考察してみる

今回はTES5:Skyrimに登場するキャラクター、セラーナについてちょっと真面目に考えてみようと思います。
あ、サムネは自環境で利用させていただいてるrxkx22氏制作、Serana holicのversion 1.3ですね。この人すごいけど何者?素人の仕事じゃないけど。

セラーナといえばDLC:Dawnguardにて登場し吸血鬼の王、ハルコン卿の野望を阻止すべくドヴァキンと共に奔走する吸血姫です。
男女問わず残念フェイスが多いskyrimの中でも比較的整った顔立ち、『~ですわ』『よしなに』などのお嬢様言葉、芯の強い女性として描かれTESシリーズには珍しい正統派ヒロインであり国内外で絶大な人気を誇るキャラクターです。

私はSkyrim発売当時XBOX360でプレイしていたのですがその時はDLCなしの通常版であったためセラーナというキャラクターを知りませんでした。
PC版Skyrim:special edtionを購入したのが割と最近でして「なんだこのお嬢様は」となり、美化MODをすぐに入れた(なにか問題でも?)。
MODを含め魅力的なフォロワー・コンパニオンが数々いるにも関わらずセラーナしか連れていません。
以来私はセラーナ・キ〇ガイを方々で公言していますので直接交流がなくても『なんかコイツ見たことある』という方もいらっしゃるかもしれません。そう、私だ、私。

人気キャラクターのセラーナですが出自など作中でも明かされることが少なく考察や議論の的になっているのをよく見かけます。
なのでどこかで見たことの繰り返しになってしまう部分もあるかもしれませんがちょっと真面目に考えてみましょう。

※以下は個人の推論となります。また文献や資料によって年代等のズレが多少起きる場合もあります。あくまで目安ってことで。

まず超ざっくりとTESの歴史をおさえておきましょう。
下記の通り第一紀の始めからskyrim本編開始まで4451年あります。

・夜明けの時代
・メレシック時代(エルフの時代・神話の時代とも):約2500年(?)
・第一紀:2920年
・第二紀:897年
・第三紀:433年
・第四紀:201年(TES5:Skyrimの舞台)

セラーナの年齢を探る要素

・シロディールの帝国
セラーナの年齢を考察するうえでよく挙げられるのが
「シロディールに帝国が?」
という帝国・帝都、Imperial Cityの存在を知らないことを窺わせるこのセリフです。
シロディールの帝国といえば聖アレッシアによるアレッシア帝国建立を指すものと思われます。
それまでエルフ種:アイレイドに隷属していた人間種が解放を求め奴隷の女王こと聖アレッシアのもと起こした『アレッシアの反乱』。
現在は帝都の中心にある白金の塔にてペリナル・ホワイトストレークがアイレイドの王ウマリルを倒すことによってアイレイドの時代は終わります。
それが第一紀243年。
もしくはアイレイドのもと白金の塔を中心に都市国家が建立されたのが第一紀1年ですのでおよその目安として4451年~4208年前となります。

・眠っていた期間についての言及
次に「二百年も一緒に埋まっていれば何か分かりそうな気がしてくるかも知れなかったけれど、そんな事はありませんでしたわ」
ディムホロウ墓地で眠っていたことに関するセリフですがこれもよく挙げられますね。
ちなみにですがこれ原文では"a couple hundred years locked away"となっているので二百年とは限りません。正確な期間は分からないが『長い期間』という意味合いが強いと思います。
"a couple hundred years~"…2,3百年前となると第三紀、前作のOblivionのあたりかそれよりもう少し前になりますが判断材料としてはちょっと弱いかな。

・ドワーフに関する言及
「ドワーフの実物はどんなふうなんだろうとずっと思っておりましたの。エルフに似てるけど、ヒゲを生やしてるんですって」
「これがドワーフの都市? こんなに荒れ放題なんて信じられませんわ」
これも年齢を考察するうえで重要なセリフですね。
ドワーフの失踪を知らないことを示唆しています。
モロウウィンドのチャイマー(後のダンマー:ダークエルフ)とドワーフ(ドゥーマー)は常に敵対していたのですが侵略してきたノルドに対抗するため手を組みこれを阻止しようとします。第一紀401年のこと。
同盟を結んだチャイマーとドワーフはモロウウィンドからノルドを撤退させるのに成功したのですが両者の同盟は長くは続かず再び争いに発展します。第一紀700年『レッドマウンテンの戦い』です。
しかし、ドゥーマーが種族全体丸ごと忽然消え去るという謎の事件が発生。

そしてここではもう一つ重要なポイントがあり、ドゥーマーの失踪により奴隷とされていたファルマー(ファルメル)が解放されたということです。
ファルマーは元々スノーエルフであったということはDawnguardをプレイした皆さんはご存知ですよね。
メレシック時代の後期、北のアトモーラ大陸から現在のスカイリムへ入植してきたイスグラモルがサールザルに地下都市を建設します。
そこで偶然、秘宝であるマグナスの目を発見、それに目を付けたスノーエルフとの間で戦争になり、イスグラモルとその二人の息子を除き、入植していた古代ノルド人は全て虐殺されます。
これが『涙の夜』です。
アトモーラ大陸へと引き返したイスグラモルは500人の同胞団を従えスカイリムに舞い戻り、ソルスセイム島までスノーエルフを追い詰めます。
追い詰められたスノーエルフは偶然ドワーフと接触、ドワーフは疲弊したスノーエルフを匿う替わりに騙して毒やら変な薬やらを飲ませて実験材料にしてしまい、結果ファルマーが誕生します。
ドワーフの地下遺跡やブラックリーチにファルマーがいるのはこういった経緯があるんですね。

・純粋なスノーエルフ
前述のなにがセラーナと繋がるかと言いますとファルマー化していない純粋なスノーエルフであるギレボルとヴィルスールの存在が重要になってきます。
涙の夜やスノーエルフのファルマー化はメレシック時代の出来事、つまり第一紀から四紀、計4451年より以前にこの二人は存在しており、恐らくメレシック時代の終盤にヴィルスールがあの星霜の書を使った予言を作り出したと推察することができます。ざっくり推定で5000年、もしくはそれ以上前。
まあヴィルスールの予言はもっとあとになってから作り出された可能性もありますが。

・吸血鬼の始祖、ラマエ・バル
ヴィルスールは自身が吸血鬼になったことで予言を作り出したので最初の吸血鬼、ラマエ・バルは当然それ以前に誕生したことになります。
ネディック人(ネーディック、古代ノルド人)がアトモーラ大陸からタムニエルに入植し始めたのがメレシック時代の中期~後期にかけてといわれていますのでネディック人だったラマエ・ベオルファグがモラグ・バルに吸血鬼に変えられたのはこのあたりの出来事だと思われます。
つまり、これより前に吸血鬼は存在していません。とはいえ詳しい年表がないので(もしかしたらあるの?ちょっとわからない)正確に何年前とは言えないのですが。

ヴィルスールの予言、予測されるラマエ・バル誕生の時期から少なくともメレシック時代終盤以降にセラーナが誕生したのではないかという推測ができます。ふう、話が長いね。でも言ってることは分かるでしょ?
まだあるのでもうちょい付き合って。

・ソリチュードに関する言及
「お城からは山並みの向こうにソリチュードが見えましたのよ。あの頃に思い描いていた通りの街ですわ」
「ソリチュードの風車の事は本で読んだことがありますけど、まさかあんなに大きいなんて!」
ディムホロウ墓地に幽閉される以前よりヴォルキハル城からソリチュードの街並みを眺めていたことが分かるセリフです。風車は位置的に見えなかったのかもしれません。実際にヴォルキハル城のバルコニーから見たんですが風車はちょっと確認できなかったので。
で、ソリチュードの風車がいつできたのか?ちくしょうわからねぇ!大事な部分なのに!
とはいえブルーパレスが建てられたのが第一紀143年という情報がありますのでソリチュード全体が概ねそのあたりの時代に作られたものであると考えることにしましょう。

・ウィンドヘルムに関する言及
「ウィンドヘルムは“王の都”と呼ばれておりましたのよ。本にはそう書いてありましたわ」
「イスグラモルの都はもっとその… 大きいと思っていましたのよ」
実際に見たことは無かったがウィンドヘルムを知っていたことを指すセリフです。
ウィンドヘルムが建立されたのは後期メレシック時代。前述のイスグラモルがスノーエルフを追い詰めるのと同時期ですね。はい、以上。もう話すことはありません。フン(鼻を鳴らす)。
 と思ったんですがもう一つ『古代ノルドの遺跡』についてもセラーナは言及しますのでこれも考えていきましょう。
「今でもドラウグルはわたしの子供の頃と同じくらいノロマなのかしら」
セラーナが子供の頃からドウラグルはいたことを窺わせるセリフです。
ドラウグルはあちこちの古代の遺跡を守るSkyrimではおなじみのアンデッドですが起源としてはおそらく竜戦争以降のものと考えていいでしょう。
この辺はメインクエストやDLC:Dragonbornにもあるので詳細な説明は省きますが竜戦争ののちに第一紀に入ります。
セラーナが子供の頃、ドラウグルは既にドラウグルでノロマだったということになります。
これは結構重要なポイントではないかと思います。

・ウィンターホールドに関する言及
「まあ以前は…色々と。最初に行こうと考えたのはウィンターホールド大学でしたわ。魔法や歴史を学ぼうと思いましたの」
「わたしがいた頃はここまで…崩れかかっていませんでしたわ。大きな街でしたのよ」
大崩壊前のウィンターホールドに訪れたことがある旨の言及をしています。
まずウィンターホールドを襲った津波による災害、大崩壊は第4紀122年に起きた出来事です。かなり最近ですね。セラーナがそれを知らないのは納得。
そしてウィンターホールド大学ですが所蔵されている文書によれば第二紀に記された大学に関するものがあります。
また初代アークメイジであるシャリドールが活躍したのは第一紀前半(第一紀400年前後)であり、その頃には大学が存在していたことから、大学の設立はそれよりも前であることが推察できます(シャリドールが大学を設立したわけではない)。

以上セラーナの年齢を推察できそうな要素を書き出してみました。
これを踏まえてみましょう。

第一紀143年:ブルーパレス(ソリチュード?)建設
   243年:アレッシア帝国建国
   700年:ドワーフ消失

第一紀143年~243年の間に封印されたのではないかと推測します。
このちょうど100年の間にセラーナは生まれ、モラグ・バルの儀式を受けコールドハーバーの娘、すなわち吸血鬼となり、ハルコン卿はヴィルスールの予言を発見、その野望を阻止するためセラーナはディムホロウ墓地で星霜の書と眠りについた。

・結論
セラーナの年齢:推定4208~4308歳
これが私の出した結論です。
どうでしょうかね?個人の推測ですけど割といい線いってそうな気がするんですが。
とはいえ実際に活動していた期間はせいぜい数十年であとの4000年余りは眠っていたはず。

セラーナの出自についての考察というか持論もあるんですがそれはまたの機会にでも。そんじゃまた。

追記 2021/5/19
上記は私の見解でして他の説もありますのでご紹介しておきます。
これ実は知ってたんですけど個人的にそうかなあ?と思ってたので記事では除外してた(おい)。でも意外と読んでくれる方が多いので誤解を与えぬためにも無視できないと思いまして。
その説とはベセスダフォーラムのコミュニティ・マネージャーであるMatt Grandstaff氏による2013年の発言を根拠としたもの。

「セラーナはレマン王朝崩壊からタイバー・セプティムがタムリエルを統一する第二紀終焉のあたりで眠りについたよ」

『シロディールに帝国が?』はセプティム王朝ないしはそれ以降の帝国のことを指しているよ、つまりレマン王朝とセプティム王朝の空白期間があるからセラーナはシロディールの帝国を知らないよ、てこと。
えーっと…この説だと推定1500歳ぐらい?

この説を裏付ける事柄としてヴォルキハル城にいるヴィンガルモの存在を有志コミュニティで挙げています。ヴィンガルモはハルコンに仕えるアルトマーの吸血鬼ですが元々はサルモール。
サルモールが歴史上初めて登場したのは第二紀580年だから第一紀に眠りについたセラーナと面識があるのはおかしくない?というもの。

 ヴァレリカの足取りを追った先のソウル・ケルンで邂逅するダーネヴィール、あいつ竜戦争時に死霊術を用いた軍隊を作れないか?という目論見があってソウル・ケルンに足を踏み入れたドラゴンなんですよね。第二期にセラーナが幽閉されたとすると、恐らく同時期にソウル・ケルンに来たヴァレリカの監視を開始するまでの少なくとも3000年は意味もなくソウルケルンをぶらぶらしてたことになるんだよな。いくら長命のドラゴンでもそんなことするだろうか。

まあそういう説もありますよということで。

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