快適さというのは人によって違う
夫について
子供たちが次々と巣立ち
あれだけ狭いと感じていた我が家が広く感じるようになってしまった
もともとは、夫と同じ寝室で、そこにはお互いの持ち物で溢れかえっていた
私は常に、夫の脱いだものを拾い上げ
散らかった書類を整理し
本棚に本を戻す
という作業にいつしか慣れてしまっていた
たびたび
「あの服はどこ?」
「書類が見つからない」
などと聞かれるたびに、探すのも私の役目だった
子供たちがいなくなり、空いた部屋に夫が拠点を移した
案の定、部屋は散らかっている
床が見えないくらいに書類がばら撒かれ、洗濯した洋服はしまわれることなく積まれている
そしてそれが一向に気にならない様子だ
失せ物もなくなり、私に問いただすこともなくなった
快適さというのは、人によって違う
違う価値観を持った人間が、空間を共有するというのはなかなか難しい
家庭内の空気は、より一層穏やかなものになった
写真は、私の両親
随分と前に生活空間を分け、穏やかに暮らしている
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