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治療の選択権は誰にあるのか

シンガポール勤務時代

クリニック業務の中で学んだことのひとつがある

当時、日本のライセンスしか持たない私は、衛生士業務では無く受付スタッフとして働いていた

日本でいう金融街にあるクリニックは、有名なマーライオン公園のそばにあり、エグゼクティブ専用の高級クリニックだった

ご存知の通り、日本のような保険制度は無く、治療においては自費診療となる

価格は、高級クリニックだけあって、恐らく日本の自費診療とは比べ物にならないくらい高額だった

最初のコンサルテーションが終わると、まずは担当ドクターから治療の見積書が渡される

それを患者さんに提示し、説明し、予約を取るのが業務の一つだった

どんなに深刻な状態でも
治療の選択をするのは、患者さんだ

治療の内容に納得して貰えない、治療費が妥当だと思われないと治療には進めないのだ

それまでの私の経験では
治療の選択権はクリニック側にあることが多かったように思う

きちんとした説明も無いままに歯を削り、きちんとした説明も無いままに治療費をいただき、きちんとした説明もなくままに、またいついつ来てください、という

日本は保険制度があるとは言え、一部負担金を払うのは患者さんだ

買い物や食事での支払いと、消費者としては何ら変わりない

日本に帰ってから今まで
特にこの点について注意を払っている

医療人として、知識や技術を高めることはもちろん大切だ

だだ、そこに胡座をかいているべきではないと感じている




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