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数学ギョウザ

秦時代の数学者黄清(?-前193?)に因んだ中国東北地方(現遼寧省)の郷土料理で、数学餃子または素数餃子と呼ばれる。黄清は素数が無限に存在する証明を記した最古の書物の筆者として知られる。
黄の友人で哲学者の趙明が黄の家を訪ねると、黄は一心に餃子を包んでいた。何事か趙が尋ねると、黄は答えた。「それ以上分けられぬ数を単位とすれば、思想の海がひらける。朝夕これを思い続け、気付けば餃子のひだを2,3,5,7,11,…と折っていた。空腹では思索もできぬ。友よ、共に酒と餃子を楽しもうではないか」
素数餃子を食べると悪魔が割り切れなさに困惑し逃げていくとの言い伝えから、今でも遼寧省を中心に旧正月料理の一つとして人気がある。羊挽肉を包んだ小ぶりの餃子を茹で、花山椒、黒酢、紹興酒を混ぜたタレをつけて食べるのが一般的である。
なお日本での事例として、東京工業大学の学園祭では、素数餃子を売る屋台が毎年3店出店される。

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