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社員は大切な資源である。 5月19日 People as Resources 資源としての人材

#5月19日  金曜日、6時です。
おはようございます。今日も #ドラッカー #365の金言 からやっていきましょう。今日のテーマは、
#People_as_Resources
#資源としての人材

去年のテキストは、こちら↓

人材こそ人財。社員は大切な企業資源。
今でこそ、この考え方は当たり前になってきましたが、少子高齢化が明らかになった2010年代ですら、ほんの数年前まで、社員など消耗品、人は使い捨てれば良い、という考え方が主流でした。

実は、昭和30年代、40年代の高度成長時代は、企業側は組合に気を遣い、社員に気を遣い、終身雇用制こそ日本経済成長の要因、と分析されてきました。ところが、現在は、変化の激しい時代に終身雇用制は合わない、と外資コンサルに洗脳された、日本の経営陣は、よく考えもせず、バブル崩壊後、それまでの日本経済の長所を自ら捨ててしまうように、じわじわと、国内の人件費を抑え、人件費の安い海外、とりわけ、中国へ製造拠点を移し、工場を建てることが良策とされ、デフレ経済を伸ばすことが企業業績を伸ばすことだ、という愚策を採用しました。その結果が、今です。

 日本企業の働きがいは世界最低。イノベーション熱意も最低。国民負担率ばかりが高くなり、自分で自由になる手取り額は減るばかり。就業人たちにとっては、明るいビジョンが描けない、希望なき日々となって久しいのです。

 昔はそうじゃなかった、というのは老化現象だ、とも言いますが、実は、戦後の高度経済成長を支えた時期は、そんな意欲なき時代ではありませんでした。
 

 大戦前、日本は 最低の近代的設備のもとに 不熟練工によって作られた安価な悪質の商品を国外に供給し 安い労働賃金を利用して輸出市場を開拓した。

1960年ドラッカー来日講演より

その後、敗戦。国破れ、国家財政は破綻、GHQ支配の後、文字通り日本には何もなかった。

しかし 1960年の経済は 実は 根本的に新しい経済である。国内的には 大衆市場が作り出されており 村落の屋根に立ち並んでいるテレビ・アンテナを見るだけで 「なにを買うのか」というよりむしろ「どれだけ買うのか」が所得と居住地によって決定される国が ここにもあることがわかる。(中略)
 今日では 日本は 精密光学や電子学のような 最新の技術を必要とする産業製品の輸出において 指導的地位を握っている。25年前 日本がはじめて近代設備を持ったときは ドイツやアメリカのまねに過ぎなかったが 今日では日本は 全極東に近代産業開発の技術援助を与えている。

1960年ドラッカー来日講演より

 ドラッカーがこの講演を行なったほんの3年前の昭和32(1957)年の経団連の前身である経営者協会と労働組合の代表である全同盟との生産性向上に関する労使協定には、「生産性向上の目的は、企業利潤増大のみの手段ではなく、国民経済全体の福祉を増大するためのものであることが強く要請されている」「労使相互の立場の尊重」「究極において雇用を増大するもの」「国民生活の向上にある」としていました。

https://www.jpc-net.jp/movement/assets/pdf/domestic_19570604.pdf より

 誰もが、国民生活の発展向上の実現のために、希望を持って、クビになる不安を持つことなく、安心して働くことができました。それが、トヨタやホンダの躍進でしょうし、SONYなど家電製品の躍進、造船・設備など様々な分野で最新の技術で他国を凌駕し、貿易国として生計をなす、という国家モデルができました。

 しかし、オイルショック、プラザ合意などを経て、ご承知のとおり、「生産性向上」「経営合理化」は、少しずつ国民経済の発展を目的とするという路線はいつの間にか反故にされ、一層の企業利潤の増大、株主第一主義へと進みます。決定的だったのは1999年のバブル崩壊。組織の社員を大事にして、国民生活の向上という路線は、小泉内閣によって反故にされ、リーマンショック、東日本震災、さらに、パンデミック期を経て、増税・社会保障費増で国家が予算を拡大化し、その予算で政府が国民生活や企業経営へ干渉を増やし、公金チューチューで国民を従わせるような官僚主導、行政主導の国家運営へと進んでいます。

こうして戦後経済を俯瞰し、大きな流れを把握した上で、将来を決断していかなくてはなりません。パンデミックで経済を止め、自粛を促した結果、一層進行した少子高齢化や迫り来る隣国からの侵略傾向を考慮すれば、26%に迫る高齢者の世話にこれ以上、公金を投入し、就業人口を人的資源を投じる余裕はありません。これからの日本のビジョンを描かなくてはなりません。それは、国民全体で考えるべきテーマになろうかと思います。

企業組織も、そして、個人にとっても、どういう将来を描くか、ということについて、大谷翔平選手ではありませんが、日々考えていくことが大切に感じます。

やっていきましょう。

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