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イライラする気持ちの外在化

今日は「イライラする気持ちの外在化」について書いてみたいと思います。

clubhouseの部屋で口喧嘩が起こることがあると聞きますし、職場でも趣味の集まりでも、人が集まればそこでイライラした気持ちが起こるのは普通のこと。

さて、この「外在化」。 ナラティヴ・アプローチという心理療法の分野で使われる手法です。 基本的な考え方として、「人が問題なのではない。問題が問題なのだ」ということ。 これを言ったのはオーストラリアのマイケル・ホワイト。

クライエントが悩んでいる問題を、「自分自身に内在する問題」と考えるのではなく、問題をクライエントから切り離して「自分の外側にあるもの」として捉える、という手法です。

自分の内側にある目に見えない感覚に名前をつけたり喩えたりして、感覚を客観視する方法です。 (『妖怪ウォッチ』というアニメで、日常のいろいろな問題を妖怪の仕業だ、というのと似ています) 感覚を自分の内側から取り出して、外に出して眺める感じです。

イライラする感情に名前を付けます

たとえば「自分がイライラしている」から「イライラさんに火がついている」という表現に変更します。

前者(内在化)は、イライラ、イコール、自分(イライラ=自分)です。
後者(外在化)は、自分の中にイライラの火があり、焚き火を眺めるようにイライラを眺めるイメージです。

焚き火を眺めている視点に変えることで、火が大きくなりすぎて火事にならないように調整したり、イライラの火を大きくしたら自分も相手も困った事態に発展してしまうだろう、など冷静な判断をすることも可能になります。
いま、「イライラさんがやってきている」と考え、「イライラさん、ありがとう。でも、大丈夫!あなたの力を使わなくてもやっていけます」と心で唱える。 すると、以前よりも冷静にものごとに取り組めるようになります。 また、ユーモアの視点を加えることで、視点の切り替えがスムーズになることもあります。

また、他の表現も試してみます

それは、イライラする場合、「あるべき菌」の影響を受けている可能性がある、というものです。 「あるべき菌」にやられると人を裁いたり、批判したくなってしまいます。 その人はあるべき菌の影響を受けており、あるべき菌の被害者です。
Clubhouseの例で言えば、みんなで話しているのだから自分の自慢話ばかり10分以上もして、みんなの時間を奪うべきではない、話し始める前に「お話ししてもいいですか?」と許可をとってから話し始めるべきだ、など。
その菌の存在に気付いて、そいつをやっつける、退治するイメージです。 その結果、問題を客観的に見られるようになります。

イライラの火を眺めたら、こんな風に冷静な自分を取り戻すことが出来ます。 自慢話を延々と続けているこの人の態度に自分はイライラしているから火が燃え盛っているんだな。 ちょっとこの人を観察してみよう。 この人はどんな性格の人なのだろうか。 この人はclubhouseでしか自慢話が出来ない人なのかもしれない? 「すごい」って言ってほしくて称賛が必要なのかな? まずはその気持ちを満たしてから、話を短めに切り上げてもらえないか、相談してみようかな? などと対処行動について冷静に考えることができます。

ちなみに、節分における「鬼退治」や、子どもが転んで泣いた時にお母さんが「痛いの痛いの飛んでいけ」とおまじないをかけると子どもが泣き止んだりします。これは、「痛み」という自分の中にあるものを外に出す外在化の技法の一種です。

ちなみに、さっきのイライラに名前を付けるやり方。
他に、 怒りっぽいなら、「怒り虫」、うっかりミスをしやすいなら「うっかり虫」、怠け癖があるなら「なまけ虫」、疑い深いなら「疑い虫」、さらに幻聴の症状があるなら「幻聴さん」と名付けることができます。

もう一つ、ちなみに、ナラティヴ(語り)に重点を置いた医療をナラティヴ・ベイスド・メディシン(NBM)と言います。本人の人生の意味に重点を置いた医療のことです。 「ナラティブヴ・アプローチ」を簡単に定義するなら、「客観的な事実よりも、クライエントの語る物語を重視するアプローチ法」といえます。
(2022年2月20日に書いた記事です)


イライラしている自分を見るって言う感じかな。客観的に自分も含めて、対立している人たちを見るっていう感じなんだね。 それができると、火が燃え上がりにくくなりそうだね。
意見がぶつかる。それはあってもいいと思う。
だけど、感情の赴くままにぶつけるんじゃなく、立場が変われば見方も変わるって認めて話せるといいね。

り患した疾病(病気にかかる)に対して、治療やケアする時も同じ考えだよ。かかったその人が悪いんじゃない。患者自身が、その病気と闘ったり・共生したりするために自分から切り離して捉え、医療従事者のチームに入って一緒に取り組む。患者だけじゃなく周りの人や物も同じチームの仲間として考える。医療で出来ることは100%じゃなく、患者の状態を確認して、最大限に関われるように整えること。と整理される。

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いつもこの場を訪れていただき、ありがとうございます
とは言え、頭では分かっていても感情が勝手に動いちゃうものです
感情のコントロールは修行なのでしょうかね
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👇関連記事。外在化するためのWHOで定義のリンク貼っています


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