モーツァルト：弦楽四重奏曲 第7番 変ホ長調 K 160（159a）
03:32 II. Un poco adagio
08:10 III. Presto
バリリ四重奏団による1955年2月録音は、モノラル録音で第1楽章は「Allegro」、第2楽章は「Un poco adagio」、第3楽章は「Presto」です。演奏者は、ワルター・バリリ、オットー・シュトラッサー、ルドルフ・シュトレング、Richard Krotschakです。
モーツァルトの弦楽四重奏曲第7番 変ホ長調 K.160（159a）は、1773年に作曲されたとされる作品です。この曲は、若きモーツァルトが16歳のときに作曲され、彼の初期の弦楽四重奏曲の中でも特に明るく、華やかな雰囲気を持っています。
### 楽曲の構成
この四重奏曲は、以下の三つの楽章から構成されています：
1. **Allegro** - この楽章は、軽快で活動的な主題によって開始されます。モーツァルト特有の明るさと洗練された対位法的な技法が見られ、楽器間の対話が鮮やかです。
2. **Andante** - 中間楽章は、より穏やかで抒情的です。緩やかな旋律が弦楽器によって優しく奏でられ、情感豊かな音楽が展開されます。モーツァルトの旋律の美しさが際立つ楽章です。
3. **Rondo (Allegro)** - 最終楽章はロンド形式で書かれており、主題が繰り返し現れる中で変奏が施されていきます。この楽章は特に技巧的であり、華やかなフィナーレを飾ります。
### スタイルと影響
K.160は、モーツァルトがイタリア旅行から帰国した後に作曲された作品群の一部であり、イタリア・オペラや宮廷音楽の影響が見て取れます。この時期のモーツァルトは、個々の楽器の可能性を探求し、それぞれの楽器が独立した声部として機能するように工夫を凝らしています。
### 音楽的価値と受容
この四重奏曲は、モーツァルトの作品中では比較的初期の部類に入るため、後の成熟した四重奏曲ほどの複雑さはありませんが、彼の音楽的才能と若さ特有のフレッシュな魅力が感じられる作品です。聴衆にとっては、モーツァルトが後に展開する音楽的アイデアの萌芽を感じることができる貴重な一曲と言えるでしょう。
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