猫背が全てを台無しに。(ゴルフもダイエットも。)

ゴルフのような再現性を求められるスポーツは姿勢が大事。スコアの良いゴルフの先輩から懸命にフォームのアドバイスをしてもらっても、修正できない。そんなことはありませんか?
「背中はまっすぐに!」
「体が開いているから、もっと絞って!」
などなど・・・・・・ありがたいとは思いつつ、理屈がわかってもフォームがなかなか良くならないと、ついこんな思いに駆られてきます。
「なんだかせっかくアドバイスをもらっているのに、申し訳ないな…。」
と、自分自身に苛立ったりする方も多いのではないでしょうか。
スポーツもダイエットも姿勢が悪いと思うような結果が出ない場合が多いです。猫背を改善する方法、お伝えします!

筋のアンバランスがC型姿勢(猫背)の要因

姿勢は“意識で直す”でものはなく、“崩れた筋肉バランスを整える”が正解です。崩れた筋バランスは、ゴルフのアドレス時に背中を丸くし、バックスィングは回りづらくなり腰を痛め、無理に回そうとして今度は肩が痛くなります。ダイエットをする人なら、ぽっこりお腹の要因になり得る。もともと弱っている筋肉は、伸ばされてさらにストレスがかかり、固くなっている筋肉はもっと固くなる悪循環に陥るこうなると、姿勢はますます悪化し、動作がスムーズに行えないばかりか、次々といろんな箇所に痛みが発生してくるでしょう。もちろん、ダイエットの結果も出ない。。。こんな状態で、「はい、もっと背筋を伸ばして!」と檄を飛ばされても、筋肉のバランスが崩れてしまっていれば、それを意識だけで改善することは不可能なのです。そこで、C型姿勢(猫背)に大きく影響される「肩」周辺に関して話をしていきたいと思います。

肩関節は、体の中で最も動きが大きい関節です。

肩関節は“球状関節”といわれる形状をしています。人間の体の中では肩関節と股関節だけがこの形状です。この形状の関節の特徴は何といっても、その可動域の広さです。単独の関節で考えた場合、肩関節と股関節だけが全方向に動くことができます。従って、ゴルフスィングに限らず、肩関節に痛みがあり、その動きに制限がかかってしまうと、求めている動作を実行するのは、とても難しくなります。

筋肉のアンバランスが引き金に。

肩の不調は、上半身筋肉群のアンバランスで引き起こされることが多いです。特に現代人の日常生活を見ると、体の動きの変化が乏しく、長時間同じような姿勢で過ごすことが多いですよね。(デスクワーク、PC作業、スマートフォンやタブレットPCの使用など。)このような状態だと静的な姿勢ストレスがかかり、その姿勢を保つための筋肉(姿勢筋)は短縮していき、使用していない筋肉(動作筋)は弱体化していきます。

少し話がずれますが、“肩こり”で困っている方も全くこの状況に陥っています。業務の関係で同じ姿勢をとることが多い方がよくなっている印象です。特別なことをせず、一般的な肩のエクササイズをご紹介するだけで、ほとんどの方の症状はほぼ100%改善されていきます。適度な運動が好影響を与えるといういい例ではないでしょうか。

さて、このような生活習慣のなかにおいて、チェコの神経学者であるブラミディア・ヤンダ博士は、多くの人にある同じパターンで筋のアンバランスが起きていくことに気づき、そのパターンを「上半身交差症候群」と名付けました。その筋アンバランスパターンは、

弱体化(伸ばされてしまっている筋肉):
背中から脇にかけて(僧帽筋下部と前鋸筋)
首(前側)(頸部屈曲筋群)
短縮化(収縮してしまっている筋肉):
肩から首(後ろ側)(僧帽筋上部と肩甲挙筋)
胸 (大胸筋と小胸筋)

この筋のアンバランスがC型姿勢(猫背)の要因となります。このような傾向がある方は、ゴルフなどのスィングスポーツの時に背中が丸くなっていることでしょう。この状態から動作をしようとしても胸椎の回旋がうまくできないので、肩を無無理に動かしてしまう。弱体化している筋肉は、さらに伸ばされてストレスがかかり、同様に短縮化している筋肉はさらに縮んでストレスを受けます。姿勢が悪いと、動作がスムーズに行えないだけでなく、肩に痛みや違和感が出てきてしまします。

筋力/柔軟性の低下も要因。

もう一つ、C型姿勢(猫背)の要因は肩関節周辺の筋力/柔軟性の低下です。先ほど触れたように肩関節は身体の中で最も動く関節です。でも、運動不足などで肩を動かく機会が減り、さらに日常生活でも同じ姿勢ばかりだとしたら・・・・・当然のことですが、肩関節周辺の筋力は低下する。柔軟性も低下する。肩の動きは悪くなってしまいます。いわゆる“四十肩”のような状態ですよね。こんな状態でゴルフのようなスポーツをすると、肩周辺に痛みや違和感がおこりえます。インパクト直前にリード側の肘(右打ちの場合、左ひじ)が折れ、その結果、脇が開いてしまいます。スィングのスピードを殺してしまいパワーロスにつながる。あなたが打ったボールは弱々しい高弾道のボールになっていませんか? 繰り返しますが、スポーツに限らず、日常生活にも影響は出ます。ダイエットを目指している人にも影響は出ます。スムーズな動作、きれいな姿勢を保つためにも一定の筋肉量・筋力は必要です。

まとめ

肩の痛みや違和感を誘発する要因は以下の2点です。
・悪い姿勢(猫背:肩周辺筋肉のアンバランス)
・肩の筋肉の筋力/柔軟性低下
正しい姿勢が取れるように弱体化している筋肉(背中から脇にかけて)を強化する。短縮化している筋肉(胸と肩から首にかけて)を緩めてあげる。また、筋力/柔軟性向上のために、肩の筋肉(アウターマッスルの三角筋、インナーマッスルのローテーターカフ)の強化と可動域を広げてあげる。そうすれば、おのずと肩の機能が改善にスポーツが楽しめる、きれいな姿勢をつくることができる、ダイエットの効果が上がるようになります。

次回は、これらの身体的制限を改善するエクササイズを紹介したいと思います。

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