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ワーケーションについてのいくつかの誤解

ワーケーションについてのたくさん情報収集しているとまだワーケーションしていない人のご意見もたくさん目にします。それ見てると、結構誤解があるなーと感じるんです。

ワーケーションってやったことある人とやったことない人だとこの温度差が大きいですよね。今回は「その認識ちょっと違うかもよ」というお話をしたいと思います。


別に金持ちじゃない

ワーケーションしている人、別にお金持ちじゃないです。
これまでワーケーションとお金に関する記事も結構書いてきましたが、どれも結構節約生活話だったりします。ワーケーションは旅行とは違います。

ワーケーションの予算

自分の場合は交通費込みで1日1万円ぐらいの予算でワーケーションしています。先日とあるワーケーションをたくさんしている方のお話では交通費別で1日1万程度と言っていました。自分がお話を聞いた感じではみんなそんな感じではないでしょうか。実際は食事はどこにいても食べるのでさらに細かく整理すればワーケーション活動自体にかけてる金額はもっと少ないと思います。

もちろん中には1泊3万以上のところに長期滞在する方もいるかもしれませんが、それはなんとなく主流ではない気がします。ワーケーションをよくしている方は、いろんなところにたくさん行きたいのであまり予算をかけずにワーケーションをする機会を増やしている印象です。

趣味にかける予算

そもそもお金持ちの概念がちょっと分からないのですが、大人が1年間にかける趣味の費用として20万ぐらいってどうなんでしょう。この金額設定は自分の場合ですが、1シーズンに1回ワーケーションしたらそれぐらいの予算感だと思います。それはお金持ちになるんでしょうか。一般的な範囲ですよね。

登山でも交通費や山小屋の宿泊費、装備費が結構かかります。他にも趣味はキャンプや自転車、アニメ、ソシャゲ、競馬などいろいろありますが、どれも年間を通じるとそれなりにかかるはずです。比較して考えるとお金持ちの趣味ってほどではない気がします。

そしてワーケーションは趣味じゃありません。ライフスタイルのようなもの。そう考えると趣味よりさらに予算をかけてもいいのではないかと思います。


リゾートじゃなくてもいい

ワーケーションはリゾート地でするものという先入観がいまだに根強いです。でも別にリゾートじゃなくても大丈夫です。

バケーション要素が強いという先入観

おそらくですが、ワーケーションという言葉のなりたちに「バケーション」という要素が入っているからそう思われるんでしょうね。ワーケーションをよくしている人の様子を見ますと、案外リゾートでない場合も多いです。近所の公園であったり、どこかの街だったり、ホテルだったり、ゲストハウスだったり。そのスタイルは自由です。

うちはリゾート地じゃないので、、

某県の話ではあるのですが、その方に「ワーケーションするのに面白い場所はありますか?」と尋ねたらこう返ってきました。さみしい、、自分は地方都市型のシティワーケーションを楽しむスタイルなのですがつくづくもったいないと感じます。リゾート地じゃないとワーケーションしてはいけないなんてことはありません。経験上観光地化していない場所でも十分楽しめます。逆に観光地じゃないけど長期滞在が狙える面白い取り組みなので、どの地域も自信を持ってワーケーション誘致してもらえたらなと思っています。

近くで行うワーケーション

定義的なものを見ると「生活圏を離れて」という表現を見るのですが、まさにそれです。あまり出かけない人ならば隣の駅だっていいと思います。県や市などを離れなくてもいいと思います。そんなのワーケーションじゃない!なんてことを言う人はいません。

マイクロワーケーション

この比較的近くの場所でというワーケーションスタイルを「マイクロワーケーション」と言ったりもします。遠隔地でワーケーションするのは不安と言う方も多いと思いますが、そんな方はこのマイクロワーケーションを試してみてはいかがでしょうか。


サボってない

人によるとか言われてしまうとそれまでなんですが、自分の場合はサボっていません。たくさんのワーケーションをしている人の様子を見ても、「今日は◯◯の仕事をした!」などと仕事の成果を報告しているケースも多く、やっぱりみんな仕事ちゃんとしてるよな、と感じたりもします。

じゃあ誰が「ワーケーションはサボってる」とか言ってるの?

多分それは管理者ですね。社員には手を抜かず黙々と仕事して欲しいという日本っぽいカルチャーがあって、その感覚なんだと思います。その感覚を持った方が日本の会社の上層部に多いのでなかなかワーケーション導入が進まないという現実があります。実際は大変そうに仕事をしていたら仕事が捗るという訳でもないんですけどね。

ワーケーション中の仕事

実際にワーケーションしていて感じるのですが、ワーケーション中に進めやすい仕事と進めにくい仕事がある気がします。適正と言いましょうか。それはPCや通信の環境面だったり。または気分だったり。または集中力だったり。頻繁な会話を求めるものだったり。

会社だとその制限が少なく、どの業務もこなせる環境が整っています。それがワーケーションとなると業務によって環境がマッチしない。そんなことが発生します。管理者からすると、「その仕事は今の環境ではできません」とか言われるとめんどくさい。だから常に会社と同様のパフォーマンスを発揮できる環境でいて欲しいのでワーケーションを認めたくない。そんな感覚が働くからワーケーション導入が進まないのだと思います。

実際はコントロール次第

経営者である自分のお話で言いますと、たしかに忙しい時期はワーケーションできません。つい最近までそんな状況でした。イベントの会場ロケハンや荷物の受け取り、ヘビー目な映像編集、急な打合せ。それのどれも会社が拠点でないと成り立ちません。

でも緊急性の低い時期というのはあります。そんな時は業務の内容ごとスケジュール調整して、ワーケーション期間中はワーケーション中でもしやすい仕事を割り振ります。そんな先読みや業務内容のコントロールができる方は決してサボらず仕事していると思います。

そもそもですが、サボりたい人はワーケーションじゃなく純粋な旅行をしているでしょう。旅先でも仕事しないといけない状況の人がワーケーションしているケースが多いのでむしろサボっているとは真逆のワーカホリック気味の人が多いと思います。「常に仕事を止めたくない」。そんなマインドを持っている人こそがワーケーションをしている人なんじゃないかと思います。


地域交流しなくてもいい

これも結構地方自治体さんのワーケーションの資料などを見ると感じます。
まるで地域交流、地域貢献が前提のような表現。それはちょっと違うような、、と感じます。

まずは自分の仕事

そもそも自分の仕事が終わらなくてせめて気分転換をしながら仕事しようと思っているような状況なのに、なぜその地域の仕事をさらにしないといけないのかと感じます。少なくとも自分は地域貢献が前提でワーケーションはしていません。自分の仕事を消化するのが精一杯です。

まずは楽しむ、そして次に好きになる

もちろん滞在した地域は好きになることがほとんどで、お力になりたいと思うことはあります。でもそれはあくまで順番が「行く→楽しむ→愛着が湧く→力になりたい」であって、「力になりたい→行く」ではありません。自分の場合は地域貢献はその次かなーと思ってます。

もちろん地域貢献がしたい人のスタンスを否定するものではありません。最初からモチベーションが高い方は素晴らしいと思います。

ただそれを前提にしたような誘致は逆にハードルを上げてしまうのではないかと感じます。自治体さんの補助金がある場合はこの地域課題解決型的なプログラムが組み込まれていたりしますが、建前の地域貢献はサステナブルではないと思います。

自分はそんなこんなで自治体さんの補助金は利用していません。わがままと思われるかもしれませんが、まずは仕事面でも気分面でも自分を満たす時間としてワーケーションをしたいと思っています。


まとめ

正直ワーケーションという言葉が拡大するにつれ、いろんな意味を含んで実態が掴みづらい状況になっているなと感じます。それを体系的に分類したくなる(他と一緒にされたくない)という気持ちもよく分かります。また誘致の視点からワーケーションという言葉が良くないんじゃないかという感覚も分かります。今はほんとカオスですよね。

今回の記事はこの誤解がワーケーションのハードルを上げてしまっている印象があったので、もったいないなと思って誤解を解きたくて書いてみました。正しいワーケーションとはこうだ!みたいな話をしたい訳ではありません。あくまで自分の経験や見聞きした情報を紹介しているだけです。

この記事がワーケーションしようかと思っている人の背中を少しでも押せればと思っています。

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