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「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」 脚本が天才すぎる! 最初は「苦手」とか思っていたのに、ラストは「終わんないで―!」ってどハマった傑作復讐連続ドラマ!!

先日、このドラマを観終わりました。

「ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜」


あらすじなどはこちら

昨年の年末から配信が開始されたNetflixの韓国ドラマですね。Netflixって韓国で放送されているドラマも配信したりするから良く分からなくなってしまうこともあるのですが、このドラマはNetflixの完全なオリジナル作品みたいです。

もう配信される前から結構話題だったこのドラマ。何と言っても題材が強烈で

主人公が高校時代に受けた酷いいじめ(っていうか暴行)から、その加害者に大人になって復讐していくという話。
鑑賞された方のレビューとNetflixのプッシュぶりに一時期、インスタを開けばこのドラマのシーンを目にしない日はないってくらいの状態でした。
とはいえ、私が昨年からいろいろと忙しかったのもあったのと、

このドラマがシーズン1とシーズン2として、2タームに分けて配信するという形式だったので、「全話配信されてから観ようかな」と思っていたこともあり、観始めたのは3月の後半からでした。
でもね~、観始めてから最終話まで自分的には

すんごい早く観終わりました!


なぜかというと

すんごい面白くて先が気になって仕方なかったから!!!


というわけで、ここからは盛大にネタバレしつつ、どんだけ面白かったかを語っていきたいと思います。

※ここから先は思いっきりネタバレしてますので、結末を知りたくない方はご注意下さい。

※この作品にはいじめ、暴力、パワハラ等のシーンがあります。鑑賞にはご注意下さい。

(こういう写真でも見ないとやってらんないよね笑)



この作品、実は観始める前の予告だけを観ている時点では苦手意識がありました。

私の三大苦手題材、

ホラー、戦争、そしていじめ。


ホラーはただ怖くて観れないだけですが、戦争映画といじめの映画は、辛いんですよほんと。リアルでしんどくなっちゃうし、観終わった後の引きずりがハンパない。作品によっては体調などにも影響が出たりも。
なので、よっぽどの話題作以外はすすんで観ようと思う事はめったにないです。昔はなんでもかんでも観ようとしてましたが、最近はもう大人になったので、「どんだけ話題になろうとも観れない物は観れない」と割り切ってしまうことも結構あります。
なので、この作品も観ようか結構迷ってたところもあって。

ただ、この「ザ・グローリー」、韓国ドラマの大きな賞「百想芸術大賞」に今年数多くノミネートされていて。

さらに

この「私の解放日誌」の時と同様、インスタなどでやりとりさせて頂いている韓国ドラマ好きの方々からのオススメもあって観てみることにしました。


で、先に言ってしまうとやっぱり

すみません、例のいじめのシーンの数々は直視できなくて。結構飛ばしてしまっています。
ただ「どれだけ酷い内容だったか」のニュアンスは掴んでいるつもりで観ていますので、ご了承ください。


このドラマの主人公、復讐のためだけに生きている女性ドンウンを演じたのはソン・ヘギョ。

化粧気も無く常に闇を抱えたような女性ですが、とにかくとても綺麗で彼女が主人公にぴったりだったと思います。私は初見だったのですが、韓国ではとても人気な女優さんのようだし「当て書きだったのかな~?」というくらい。

辛い過去の動機から強い意志で計画を遂行していくドンウンの闇と、トラウマに苛まれている面とをしっかりと表現していました。「彼女が幸せになってほしい」と視聴者が思えなければこのドラマの成功は無いと思うのですが、最終回まで「いきすぎない」ように制御しながら演じられていたと思います。

で、このドラマ、

脇役の演技がまた強烈なんです!(韓国ドラマはいつもだけどさ~)


まず、ドンウンの最大の宿敵ヨンジン

この方!凄いのよ、顔から。

Netflixの公式がこういう画像を作るくらい凄いんですよ!(笑)怖かったー!そもそも私にとってはこのヨンジン


サイコパスだよ!

このぐらい強烈だったからこそ「ドンウンの人生をかけての復讐」に十分な説得力が出たと思うのですが、まー凄かったわ!夢に出てきそうだったし。
そもそも高校時代にドンウンの前に別の子をいじめてて、しかも殺してるんですよ!!で、ドンウンが去ったら別の子を餌食にしているという。だから、「いじめをする人ってまるで息しているようにしてるんだ」みたいな。分かりやすくヤバいキャラクターでしたね。演じたのはイム・ジヨン。強烈な印象が残りました。熱演だったと思います。

その他にも

このいじめの加害者だったこのグループの一人一人もアクが強いキャラクター達ですが、それぞれ上手く演じてたと思います。韓国の役者さんってこういう悪役もぜんぜん躊躇せずにとことん演じているように感じられるところが凄いですよね。

高校時代を演じた子達もメンタルが心配になるぐらい(ちゃんとケアしてくれ~、あ、ヨンジンの娘のイェソルちゃん役の子もだよ!)。
一人一人語っていくと超長くなってしまうので(笑)今回は割愛させて頂きますが、とても見応えがありました。

そして、

このヨンジンの夫、ドヨンを演じたチョン・ソンイルも個人的に印象的でした。終わってみれば実はそれほどドンウンとの絡みも少なかったとは思うのですが、この作品の重要なツールとなる囲碁を通してのドンウンとの交わり方は結構ドキドキしました。色気もある役で良かったですね。ラストは血がつながらない娘のイェソルを守る存在としてしっかりと存在感を残していたと思います。

自身が壮絶な過去と苦悩を持ちながら、ドンウンと惹かれあい復讐に全力で協力していく整形外科医ヨジョンを演じたイ・ドヒョンは、個人的には「ちょっとこのドラマには馴染み切らないカラーだったかな」という印象。
演技も良かったし、キャラクター的にも複雑な役どころを重すぎずに演じていた印象でしたが、さわやかすぎたかもしれません(笑)。っていうか若すぎた?演技は上手いんですよ!でもしょうがないんですよね、このドラマはどうしても他のキャラクターが濃いので。

あと、すみません、このドラマの個人的に最大の楽しみポイントだった

ヨム・ヘランを久々にめっちゃ堪能できた!!

このドラマを観ようと思った最大ポイントの一つ、ヨムさんがまた

最高だったのよー!!もーヨムさん!!

私はヨム・ヘランさんがもはや自分の身内のように好きなのでね(笑)。

今作も夫から凄まじいDVを受け、夫を殺す約束の代わりにドンウンの復讐に手を貸していくことで生きがいを取り戻していくおばさんを

これでもかってくらい上手く演じてました。

ヨムさん、どうしてそんなにそういう役が上手いの!?もはや私はヨムさんの演技で数回泣いてました。

最低な夫から娘と共に暴力を振るわれながら逃げきれない悲惨な生活を送っているのに、どこか人間味があって少しコミカルなおばさん。けど、娘と離れる時や夫が死んで船に乗って弔う時の何とも言えない複雑な悲哀の演技。120%ヨムさんの得意分野でしょー!!

ヨム・ヘランさんが好きな方は「もーこれこれ!」って感じでたまんなかったと思います。少なくとも私はたまんなかったです。本当に私はヨムさんの演技が大好きです。

というわけで、演技についてざーっと書いてきましたが、このドラマで私が一番「これはやべー」と感じたのは、タイトルにも書きましたが

脚本が「天才かよ!?」ってくらい良かった!!


こういう復讐やミステリーのようなジャンル物はもちろん演出も演技も大事ですが、この作品については私は脚本がとにかく「面白い」と思わされてしまいました。

そもそも、高校時代のいじめのツール「ヘアアイロン」。こんな強烈な道具をね、しっかりとひどく視聴者側に印象づけるわけです。このヘアアイロンを使った暴行は実際にあった事をモデルに書いているそうです。インパクトがとても大きかったですね。恐らく書き手も最初に知った時は驚いたんじゃないでしょうか。だからこそか、そのシーンの描き方もとても直接的です。私は観れなかったんだけど。

またドンウンの場合は母子家庭で母親はアル中のような状態で貧しい。それもいじめの原因の一つのような状況だったり、養護教諭の女性教師が助けようとしたものの、担任の教師はいじめの加害者と同等かそれ以上にひどい存在(後に息子に殺されるんだけど)だったり。

そこで体中に残ったやけどの跡を背負いながら生きていかされるドンウンの姿が映し出されるシーン。その時のドンウンはほぼ無表情です。どれほど大きい悲しみと痛み、心の傷なのかがかえって伝わります。
ドンウンのトラウマは「腕の傷を掻いてしまう癖」で表現しているのですが、同じ目にあわされた別の登場人物も同じ癖を持っていることが後で描かれます。

そういった動機付けをきちんとしながら、「加害者への復讐がどういう形で行われていくのか」という、言っちゃなんですが「下世話」な面をしっかりとエンターテインメントとして進めていくことで「作品として面白い」こともとても大事にしている。

こういう社会問題を扱うような作品ってバランスが難しいと思うのですが、これがエンタメの要素を下げてつまらない作品になってしまうと話題にならないし、作品を作った意味が薄くなってしまう。
どちらにも偏らずにそれを「両立しているところが凄い」と改めて思いました。クオリティの追求がハンパない。こういう点は欧米のドラマすら先行しているような印象があります。

これは

昨年に観た同じNetflixオリジナルの韓国ドラマ「D.P」でも同じようなことを感じました。エンターテインメントとしても社会派ドラマとしても面白い。
「ザ・グローリー」はパート1の終盤あたりからパート2の最終回の前ぐらいまでの回まで、毎話観るたびに続きが気になって仕方ありませんでした。

そしていじめを扱う作品として「完全に勧善懲悪物である」というところも、個人的にとても気に入っています。「グレーゾーンにしないこと」が誰かを救う事ってきっとあると思うのです。

ただ個人的にはヨンジンは逮捕はされたんだけど、甘いかな〜。殺されてる人とかいるしね(笑)。

この作品の脚本家はキム・ウンスク。「韓国ドラマファンなら知らない人はいないかも」と言うくらいの人気の作家のよう。
私も「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」を鑑賞していましたけど、全然タイプが違うドラマなのですが、確かにあの作品もとてもいい脚本だったな~と。いまだに雨が降るとたまに「トッケビ」思い出すもんな〜。

ドンウンを演じた主演のソン・ヘギョとは「太陽の末裔」以来のタッグだそうです。恋愛ドラマが得意だったようですが、今作のようなミステリーでも

すげー面白かった!!


ので、「韓国ドラマ界の才能の凄さを改めて思い知らされたな」と感じました。そして

今年の百想芸術大賞の脚本賞ノミネートって全員女性作家なんです。

キム・ウンスク『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』

ムン・ジウォン 『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』

パク・ヘヨン 『私の解放日誌』

チョン・ソギョン 『シスターズ』

ホン・ジョンウン、ホン・ミラン 『還魂』

ドラマって確かに女性作家が活躍している印象は日本もありますけど、全員女性って凄いですよね。

作品を観始める前とは全然違って、最終回前には「終わっちゃうの寂しいな~」みたいな気持ちになった今作。本当にお見事でした。「キム・ウンスクさんの作品は今後もできるだけチェックしていきたいな」と思います。

気になった方はぜひ観てみてください♪


おまけ

このドラマ観て「囲碁って面白そうだな〜」と思ったのは私だけではないはず。旦那巻き込んで始めようかと(笑)。


おまけ2

「太陽の末裔」まだ観てないんですよね〜。観ようかな。

おまけ 3

このnoteを書いた後に百想芸術大賞が発表に。ドンウンとヨンジンがそれぞれ役者賞受賞!!
ヨムさんはノミネートされてたけど、めっちゃカッコいい姿で出てきて最高だったわ!

おまけ4

大賞はウヨンウのパク・ウビンちゃん!これも嬉しいな〜。ウヨンウも以前に感想書いてます♪


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