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君の心にハワイはあるか?『私立探偵マグナム』


今熱い海外ドラマはどれだ!?
と聞かれたら、思わずこれだよ!と答えたくなるドラマ────それがリブート版『私立探偵マグナム』だ!
まあシリーズ始まったの4年前だけど‼︎

↑何回聞いても飽きないOP。


豪邸に居候する元ネイビーシールズの私立探偵トーマス・マグナム。
そんな彼が地上の楽園ハワイを舞台に、フェラーリ(借り物)で爆走!
市民から依頼された難事件を解決していく。
トム・セレックが主演した同名作のリブート作だが、オリジナルと遜色ないドラマだ。
ですがねえ、amazonの評価も低い!
何より

見てる人が少ないんだな!これが!


…という訳で、今回は私立探偵マグナムの魅力を語っていきたい。
いや、語らせてくれ!



・タフガイじゃないマグナム

無限レンタカーのフェラーリ


ビジュアルおよびタイトルだけ見るとタフガイ丸かじり!な内容を連想するかもしれんが、それはビッグな間違いだ。
主人公のマグナムの経歴は元軍人という固めの仕事であったが、ハワイに引っ越してからは一転。
地元ではノリの軽さで定評のある私立探偵だ。
劇中、STIのコスタ・キャリーコンプというガバメントのハイキャパカスタムを愛用しているマグナムだが、

まあ撃たない!銃を!


確かに第一話は景気よく撃つものの他のエピソードでは、ほぼ発砲はしない。
ダメ押しのように割と敵に捕まりがち、気絶しがちなのも他のドラマと一線を画している。


そんな痛い目に遭いつつも愛嬌を忘れない私立探偵を演じるのがジェイ・フェルナンデス。

思えばエアー版『スーサイドスクワッド』や『ホステル』で悲惨な目に遭っていた彼ならば、まあ拉致されたり気絶するくらいは擦り傷みたいなもんだろう!

おかげさまで周りから女好きでいい加減なだけの男として見られているが、困った人を助けたいという気持ちは本物。
ここぞ!という時にキメてくれる。
タフガイ24時間営業ならぬタフガイのフレックスタイム制を採用!
何よりマグナムの最大の武器は強さではなく、優しさというのが分かる。
悪人を撃つよりも、依頼人の心を撃つのを優先。
「心に愛がなければスーパーヒーローじゃないのさ」理論を地で行く活躍はベタかもしれんが分かっていても実にグッとくる。

マグナムスマイルに撃たれろ!



ドラマとして話題になった『ブレイキング・バッド』もマグナムがいたならば『ブレイキング・グッド』になっていたかもしれん…と、つい思いをはせてしまう。
リアルではツーブロックを一切信頼できない俺だが、本作のツーブロックなマグナムは信頼できる。

・マグナムのゴキゲンな仲間たち。
そんなマグナムなので、周りには心強い仲間が多い。
まず居候する屋敷に常駐するツンデレ執事のジュリエット・ヒギンズ。

作中でステゴロ最強のヒギンズ


元MI6の諜報員というのもあり、時には勢い余って相手を殺しちゃうのだが、特に後悔はしないサバサバ系女子である。
それだけならまだしも、諜報員時代のコネや知識をフル活用!
事件のヒントの8割はヒギンズが拾ってくるので、マグナムにとってはなくてはならない相棒だ。
なんならマグナムより身体を張っているといえなくもない。
エピソードを重ねる内に演じるパティータ・ウィークスの腕が太くなっていくのも本シリーズの見どころの一つである。

腕が順調に育っているヒギンズ


思えばジェイ・フェルナンデス同様、ホラー映画『地下に潜む怪人』で身体を張っていた彼女の経歴が本作でも活かされているフシがある。
豪邸に男女が二人ということで、色っぽい関係があるのでは?と思うかもしれんが、

この二人がまあくっつかない!


いわばシティーハンターの獠と香の関係性とでもいおうか…
観てるコッチは付き合っちゃえよ!立ち飲み屋のオヤジ客みたいな気持ちになってしまう。
ともあれ、三歩進んで二歩下がるマグナムとヒギンズの関係性も本作の見どころの一つだろう。

2人の関係の行方はいかに⁉︎



そんな二人を見守る同級生ポジションなのが、リックとTCのコンビだ。
マグナムにUber感覚で修羅場へ呼ばれる度にボヤく二人だが、いわばマグナムと同じ釜の飯を食った仲。
カタギではあるものの、リックは元狙撃兵、TCはヘリの操縦士ということで戦闘力が高い。
だが、困った人を助けたいメンタリティはマグナム同様。
なんだかんだ言いながら最後まで付き合うズッ友精神は見習っていきたい。

左がリック、右がTC。テストに出るよ!


そしてヒギンズに勝るとも劣らないツンデレっぷりを発揮するのがゴードン・カツモト警部。
警察というのもあり私立探偵であるマグナムを邪険に扱うものの、いつしか彼の姿勢に影響を受けていく。
「マグナムのバカ!もう知らない!」と言いつつも協力する姿は、声は違えど精神性は釘宮理恵と思わせてくれるだろう。

ある意味ヒロイン枠のカツモト刑事



侮れないのが屋敷お抱えのカルチャーセンター講師クムだ。
他のメンツと比べ100%カタギなわけだが、ことあるごとに修羅場に巻き込まれるおかげでレベルアップ!
いきなり重機を運転、誘拐犯を説教、片手でマシンガンを乱射…と、目を見張るバトル熟女ぶりを披露!
またハワイの伝統や自らが歩んできた長い人生を踏まえたアドバイスで事件解決に一役買っている。

ハワイの戦う市原悦子=クム


・治安がエキサイティングなハワイ
打率3割くらいで町内会レベルの事件→ハワイを揺るがす大事件に発展しがちなのも本作の特徴。
例えばマグロを追ってたはずが気が付いたら国防の危機になったり、猫探しからFBI殺人事件に発展したり、人探しが気が付いたら核爆弾を追う羽目になったりと名探偵コナンばりの展開を見せてくれる。
five-Oしかり、『ハワイ事件起きすぎだろ!』という話ではあるが、ただの観光ドラマで済まさない製作側の気合を感じる。

あ!フェラーリが!


・初見にも優しい
きょうび1時間30分やら2時間なんてエピソードをブッこんでくるドラマが多い中、どれを切っても1本40分!
ドラマとなると次へのエピソードへの伏線を張って気を持たせるのが多いが、本作は解決すれば即打ち上げ!
ドラマシリーズとなると、いちいち前後関係を気にしなければいけないが、本作は違う。
一話完結型なので、どのエピソードから見ても楽しめる。
この潔さ。
まさにハワイの空のように曇りがない。
強いて繋がりを見つけるとすれば、全エピソード普遍的な人情ドラマが根底にある。
ともすれば地味なドラマっちゃドラマなのだが、そこが良いのよ!
ストレートの球を投げるのを恐れていないおかげか、シーズン1~3の全米の視聴率も至って普通!
結果、ライセンス料の兼ね合いもあり製作中止を発表された…
だが、捨てるマグナムあれば拾うマグナムあり!
返す刀で別な局での新シーズン製作を発表されたのであった。
これも根強く愛するオハナ(ファン)を獲得していたおかげかもしれない。

みんな良い顔


世界観を共有しているfive-Oのキャラクターも多数出演しているので、five-Oロスで喘いでいる人にもオススメできる本作。
リアルで人間関係がギスギスしていたりすると、他人への優しさや親切さを忘れがちな昨今。
そんな時こそ心にハワイを持っておきたい。
そしてマグナム・スマイルで受け止めたい。
そう思わせてくれるドラマシリーズですよ。

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