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NASAのCuriosity、火星で初めて「太陽の光」を見る。

NASAのカリフォルニア州パサディナにあるJPL研究所(Jet Propulsion Laboratory in Pasadena, Calif.)が公開している「NASA's Jet Propulsion Laboratory Day in Review」は2023年03月06日に、ベテラン火星探査機「キュリオシティ(Curiosity)」が、新しい雲画像キャンペーンの開始とともに、まばゆいばかりの夕日を撮影したと報告した。

火星の夕日は独特のムードがある。

あなたは、火星に雲があり、
夕日があることを知っていましたか?

NASAの探査機「キュリオシティ」はは2023年02月、ひときわ目立つ夕日を撮影した。
2023年02月02日、太陽が地平線に沈むと、光線が雲を照らした。

この「太陽光線」は、ラテン語で「黄昏(twilight)」を意味する「クレプスキュラー光線(crepuscular rays)」とも呼ばれる。

火星でこれほどはっきりとした太陽光線が観測されたのは、これが初めてである。

キュリオシティは、2021年に実施した夜光雲の観測に続く、火星探査機の最新の夜光雲観測でこのシーンを捉えた。

ほとんどの火星の雲は地上37マイル(60km)以下の高さにあり、水の氷で構成されているが、最新の画像に写っている雲は、特に寒い高所にあるようで、このことから、この雲は二酸化炭素の氷、つまりドライアイスでできていることがわかる。

地球と同じように、雲もまた、気象を理解するための複雑で重要な情報を科学者に与えてくれる。いつ、どこで雲ができるかを調べることで、火星の大気の組成や温度、その中の風についてより詳しく知ることができると報告している。

2021年の雲調査(cloud survey)では、キュリオシティの白黒ナビゲーションカメラによる撮影が多く行われ、雲が移動する際の構造を詳細に見ることができた。しかし、2023年01月に始まり2023年03月中旬に終了する最近の調査では、探査機のカラーマストカメラ(color Mast Camera)またはMastcamに頼ることが多くなり、科学者が雲の粒子が時間とともに成長する様子を見ることができるようになっている。

2023年01月27日、キュリオシティは太陽光線の画像に加え、羽のような形をしたカラフルな雲を撮影した。太陽光に照らされると、ある種の雲は「イリデッセンス(iridescence)」と呼ばれる虹のようなディスプレイを作り出すことができる。

コロラド州ボルダーにある宇宙科学研究所の大気科学者マーク・レモン(Mark Lemmon, an atmospheric scientist with the Space Science Institute in Boulder, Colorado)は、「虹色に見えるということは、雲の粒子サイズが、雲の各部分で隣り合う粒子と同じであることを意味します。」「色の遷移を見ることで、雲の中で粒子の大きさが変化していることがわかります。それは、雲が進化している方法と、その粒子が時間とともにどのようにサイズを変えているかということを教えてくれます。」と述べている。

キュリオシティは、太陽光線と虹色の雲の両方をパノラマで撮影し、それぞれは地球に送られた28枚の画像をつなぎ合わせている。画像はハイライトを強調するように処理されている。

ミッションの詳細
キュリオシティは、カリフォルニア州パサデナのカリフォルニア工科大学が管理するNASAのJPL研究所によって作られた。
JPL研究所は、ワシントンにあるNASAの科学ミッション本部を代表して、このミッションを主導している。サンディエゴのMalin Space Science Systemsは、Mastcamの製作と運用を行っている。

https://www.jpl.nasa.gov/search?query=Curiosity
https://www.jpl.nasa.gov/images/pia25739-curiosity-views-first-martian-sun-rays
https://www.jpl.nasa.gov/images/pia25740-curiosity-views-feather-shaped-iridescent-cloud
https://www.jpl.nasa.gov/news/nasas-curiosity-views-first-sun-rays-on-mars
http://mars.nasa.gov/msl

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