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「Talibans」が大ヒット!!「カリブ海から世界へ:バイロン・メシアの音楽的探求

近年の音楽シーンにおいて、PheelzOxladeTemsなど、アフロビーツのアーティストが躍進し、世界の音楽シーンを魅了しています。特に、2022年にリリースされたRema「Calm Down」は、ヨーロッパ全域でチャートに登場し、その後、セレーナ・ゴメスが参加したリミックスは、世界15カ国以上のチャートでトップ5にランクインしました。

今回紹介するのは、セントクリストファー・ネイビス出身のByron Messia(バイロン・メシア)です。彼が2023年に発表したダンスホールレゲエ調の楽曲「Talibans」は、ニューヨークのヒップホップシーンをリードするラジオ局Hot 97のチャートでトップ5入りを果たし、新たなスターの誕生を予感させました。

ここでは、彼のブレイクソングである「Talibans」と彼の音楽キャリアについて解説します。

レーベル  : Ztekk Records, Simple Stupid Records & Geffen Records
リリース日 : 2023年1月20日
名前    : Byron Messia
本名    :    Dylan Byron
年齢    : 23歳
出身地   :    セントクリストファー・ネイビス

小さな島国での苦労を語る

バイロン・メシアはジャマイカで生まれ、生後わずか2ヶ月でセントクリストファー・ネイビスに移住しました。セントクリストファー・ネイビスは、カリブ海に浮かぶ2つの小さな島、セントクリストファー島とネイビス島から成る連邦国であり、西半球で最も小さな独立国の一つです。

彼は、自身の幼少期から育んだダンスホール・アーティストたちからの影響が、彼の音楽キャリアの初期段階で重要なインスピレーション源であったことを語っています。バイロン・メシアは、音楽活動を始めるにあたり、これらのアーティストたちに連絡を試みましたが、残念ながら返信は得られませんでした。しかしながら、この経験が彼にとって偶然にもポジティブな影響をもたらすことになりました。

幼い頃は、Nicha BやHighlight、I-Markといったアーティストをよく聴いていたよ。
俺はただ、自分でやってみようと思ったんだ!
Shetty Stainlessは、俺がフックアップしたプロデューサーだ。
彼がビートをくれて、初めてダンスホールのトラックを作ったんだ。
それが2017年の曲「Dropped A Letter」だよ。

Byron Messia - Dropped A Letter

バイロン・メシアは、Ztekk Recordsとの契約を勝ち取ると、トリニダード・トバゴに移住し、レーベルのトップであり仲間のアーティストであるPrince Swannyと協力することになりました。

この移住は、彼がアーティストとして成功する可能性を高めるための戦略的な選択ではなかったものの、最終的に彼に多くの支援をもたらしました。彼は、自分たちの国の音楽リソースが他国に比べて不足しており、独自の音楽ジャンルやアイデンティティが存在しないことについて言及し、それに対処するために通常よりも多くの努力と作業が必要だったと語っています。

俺たちは、他のどこの国にもあるような、音楽的なパターンに大きな影響を与えるような資源を持っていない国の出身なんだ。
例えば、アメリカにはヒップホップがある。イギリスにはドリルがある。
ジャマイカにはレゲエやダンスホールがある。
俺たちは自分たちのジャンルがないんだ。自分たちの名前もない。
一般的なアーティストよりも多くの労力と努力を払わなければならないから、間違いなく挑戦的だった。

バイロン・メシアのアルバム制作と「Talibans」の成功

バイロン・メシアは、これまでに7枚のアルバムをリリースしており、彼が世界的に注目された「Talibans」という曲は、2023年にリリースされたアルバム「No Love」に収録されています。このアルバム「No Love」は、レゲエ・アルバムチャートで8位にランクインし、バイロン・メシアにとって初めてのチャート入りを果たしました。

「Talibans」はYouTubeで4500万回再生され、Spotifyでは2500万回再生を記録し、さらにこの曲は彼の初の全米チャート入りも果たしました。しかし、この曲について「アフロビーツ」と「ダンスホールレゲエ」のどちらに分類されるかについて議論があることを、バイロン・メシア本人が認めています。

この曲のストーリーは、結局のところダンスホールのストーリーなんだ。
「Talibans」について歌っておて、それがアフロの曲であるという議論はあるけど、俺はそれをAfroとは呼ばないよ。
むしろダンスホールの曲と考えてる。

Byron Messia - Talibans

さらに、2023年7月にはナイジェリアのアーティストBurna Boyによる「Talibans II」というリミックスがリリースされ、この曲の人気をさらに高めています。

Byron Messia & Burna Boy - Talibans II

また、バイロン・メシアは2023年に入ってから10本以上のMVを公開し、Spotifyの月間リスナー数は300万人を超えるなど、まさに「Talibans」の勢いに乗って、精力的に活動を続けています。

Byron Messia - Moca


未来の展望:「ダンス・ソウル」ジャンルの確立と今後の活動

バイロン・メシアは、自身の最大の音楽的影響源として意外にもRod Waveを挙げています。彼らのスタイルはメロディをリリックに組み込む方法で類似しています。さらに、バイロン・メシアは新しいサウンドの探求に邁進しており、特にイギリスのアーティストとのコラボレーションに意欲的です。YouTubeで見たソカ・ドリルビートにインスパイアを受け、そのビートを使用して新しい音楽を制作し、ロンドンのストリートミュージックシーンに新たな要素を提供したいと考えています。

彼ら(イギリスのアーティスト)がソカ・ドリル系タイプのビートを持っているのを見て驚いたよ。
そして「これは何か違う!」と思ったね。
(トリニダード・トバゴのレジェンドシンガー)Marshall Montanaがドリルビートでサンプリングされているのを聴いたんだ。
俺はクレイジーだと思ったね。
だから、そのようなビートを使って、Digga Dやそういうアーティストとコラボレーションしてみようと思うんだ。
ロンドンのストリートの耳には、何か新しいものが届くはずさ。

インターネットの普及により、異なる音楽ジャンルの融合が一般的になり、現代のアーティストはさまざまなジャンルからインスピレーションを受けることがよくあります。その逆に、従来の音楽のジャンルに縛られると、アーティストが持つ真の幅広さを表現できないことがあります。この中で、バイロン・メシアは、自分をダンスホールアーティストよりもラッパーと考えており、彼の音楽ビジョンの一部として、新しいジャンル「ダンス・ソウル」を創り上げようとしています。これはダンスホールのリズムパターンとヒップホップのソウル要素を組み合わせたものです。バイロン・メシアは、アーティストとしての可能性に制限をかけたくないと語っています。

アーティストとして自分ができることに制限を設けるのは好きじゃないんだ。
だから、いろいろなジャンルの音楽から影響を受けていると言いたい。
ダンスホールとラップ...…俺は今、自分のジャンルを作ろうとしているんだ。
「ダンス・ソウル」という名前を目指しているんだ。
ヒップホップのソウルにダンスホールのドラムをミックスしたような感じかな。

2023年には、XXLによる「Freshman Class」に選出された若手注目株Fridayyのアルバムにゲスト参加するなど、その才能はアメリカ国内にも波及し、バイロン・メシアの音楽は、その独自性と魅力で多くのリスナーを魅了し続けています。彼が提唱する新しいジャンル「ダンス・ソウル」は、音楽界に新たな風をもたらすのでしょうか?
その独特のサウンドとメッセージが、今後どのように世界の音楽シーンに影響を与えるのか、非常に楽しみです。彼のこれからの活動と、彼が築き上げようとしている新しい音楽の世界に、私たちは目を離すことができません。

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