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『次のレベルに引き上げる・・・』 ウィズ・カリファのニューアルバム!! Wiz Khalifa - Multiverse (2022)

Wiz Khalifa(ウィズ・カリファ)はこれまでに6枚のアルバムをリリースしており、シングル「Black and Yellow」(2010)で脚光を浴びて以来、4枚のアルバムは全て全米チャート2位以上を獲得し、2010年代を代表するラップスターへと成長を遂げました。

また、Ty Dolla $ignCurren$yとコラボプロジェクトを発表したほか、2022年にはJuicy Jとコラボアルバム「Stoner's Night」や、Girl TalkBig K.R.I.T.、Smoke DZAとのアルバム「Full Court Press」を発表するなど、今年に入ってもその勢いは止まるところを知りません。

そんな人気引っ張りだこである彼が、4年振りとなるニューアルバム「Multiverse」(マルチバース)(2022)をドロップ。

前回に引き続き、今回もウィズ・カリファをご紹介します。

レーベル  : Asylum Records, Atlantic Records, Taylor Gang & Taylor Gang Records
リリース日 : 2022年7月29日
名前    : Wiz Khalifa
本名    :    Wiz Khalifa / Cameron Jibril Thomaz
年齢    : 34歳


出身地   :    ペンシルベニア州ピッツバーグ

2022年の動きについて語る

ニューアルバムに触れる前に、2022年に入ってからのウィズ・カリファは目まぐるしく活動しており、2月にはJuicy Jとコラボアルバム「Stoner's Night」をリリース。
Juicy Jとは、TM88とのラップグループTGOD Mafiaでアルバム「Rude Awakening」(2016)を発表していたほか、10年以上も前から親交があったようで、彼について次のように明かしています。

Juicy Jとは本当に親しい友人で、レコーディングでは素晴らしい化学反応を起こすんだ。
彼は自分が何をしたいか、曲をどのように聴かせたいかを正確に知っていて、俺はいつもそこにいて、そのビジョンを実現する手助けをしているんだ。
お互いに尊敬と信頼を持ってベストを尽くしているし、いつも楽しい時間を過ごしているよ。

その2ヶ月後の4月には、Girl TalkBig K.R.I.T.、Smoke DZAとアルバム「Full Court Press」をリリース。
以前からそれぞれのキャリアを積み、年齢の近い4人が集まったこのアルバムは、自分にとって刺激的で楽しいものだったと明かしました。

Girl Talkがしばらく前に俺ら全員を集めて、ただパーティーをして、吸って、キックをして、楽しんでいたんだけど、それぞれが自分のことをやって、それが本当に素晴らしい作品になった。
彼らはみんな素晴らしい人たちだよ。
出自は違うけど、同じ時代に育ったから、それぞれのキャリアで学んだことやエピソードを交換するのは楽しかったね。
みんな本当に仲がよくて、音楽を作るときのケミストリーが素晴らしいんだ。

今作について明かす

前作のソロアルバム「Rolling Papers 2」(2018)から4年の月日が経ちましたが、今作では「次のレベルに引き上げるようなサウンドを開発しようとしていたんだ」と話し、さらなるレベルアップを目指したことを明かしています。

自分を次のレベルに引き上げるようなサウンドを開発しようとしていたんだ。
すべてのプロジェクトで、俺はいつも自分の世界にいたような気がする。
ただ、自分に関係のあるものを作って、それをみんなに提示して、旅に連れて行っていたんだ。
特に今回のアルバムでは、リスナーに今までとは違う形で音楽を体験してもらいたいと思ったね。

これまでのアルバムとは、一線を画す作品にしたいと考え、特に曲の構成にこだわり、新たな挑戦をしたことを明かしています。

曲の構成だね。
俺はレコーディングの経験から、様々なスタイルや音に対する敏感さを身につけたんだ。
その中で、ワクワクするような、最後まで聴いてもらえるような曲作りをしたいと思ったね。
アップビートな曲、ソウルフルな曲、スローな曲など、さまざまな方法でそれを実現できたと思うよ。
本当に遊び心のあるプロジェクトだと思うね。
このプロジェクトでは、最近多くの人がやっていないようなことを経験し、感じられると思うんだ。
だから、ある人にとっては新鮮だろうし、そういうものを待っていた人にとっても新鮮だろうね。

近年の音楽シーンは、SNSを中心にTikTokやミームを狙った尺の短い曲が主流になりつつありますが、彼はそういったものをとは逆に、曲を最後まで聴いてもらいたいという思いがあったようです。
また、そうした思いの背景には、彼の作品における「愛」というテーマがあり、過去の経験や父親である自分自身のことを歌にしたようです。

愛がベースになっているね。
人間関係の愛、父親である俺への愛、そして自分自身への愛。
これは、俺が話したかった、前面に出したかった主要なトピックの多くなんだ。
俺が本当に経験したことで、俺をこのような方向へ駆り立てたね。

「才能ある人たちと一緒に仕事をするのが好きなんだ」

今作は全17曲、約1時間され、その中でクラブヒットになりそうな「Bad Ass Bitches」や、はたまたソウルフルな「We Don’t Go Out To Nightclubs Anymore/Candlelight Girl」など、緩急のつけた作品に仕上がっています。
これについて彼は、その時折の「瞬間」を作っていくうちにアルバムが形になったと説明しています。

最高の音楽を作ること、そして楽しみながら、今までやったことのないことに挑戦し、さらに以前から持っていたアイデアを本当に出すことだった。
「Iced Out Necklace」のような楽しくてアップビートな瞬間、「Bad Ass Bitches」のようなクラブの瞬間、あるいはもっとシリアスでソウルフルな瞬間、リリックを書くときの切り口など、自分自身でさまざまな瞬間を作ろうとするうちに、アルバムはひとりでに形になった感じ。
でも、音楽的にはとてもクールで、聴く人を旅に誘うような感じ。
それがこの作品の背景にあるアイデアで、ただ、人々が腰を据えて楽しめるようなものを作りたかったんだ。

Wiz Khalifa - Bad Ass Bitches (Pro. Hitmaka)

また、Girl TalkScott StorchIllaDaProducerBankroll Got Itなど新旧のラップシーンで活躍しているプロデューサーが参加しており、今作の多くをプロデュースしたHitmakaとは、長年に渡って共にヒット曲を輩出しており、次のように話しています。

「Something New」や「Letterman」といった曲やシングルをいくつか作ってきたけど、どのようにコラボレーションするかという自分たちのスタイルを作る機会はなかったんだ。
俺は才能ある人たちと一緒に仕事をするのが好きだし、自分たち独自のパターンや方式を確立するのが好きなんだ。
他の人が聴いてもいいような曲は置いておいて、俺の音楽的なやり方、俺が出したいと思っているビジョンに合うような曲にしたんだ。
このアルバムを作るまでは、そういうチャンスはなかったと思う。

Wiz Khalifa feat. THEY. - Goyard Bags (Pro. Hitmaka)

ロジックとツアーを敢行!しかし最近まで会っていなかったことを明かす

ウィズ・カリファLogicがヘッドライナーを務めた「Vinyl Verse」ツアーがアルバムリリースと同時期にスタートしています。
このツアーは、ゲストに24kGoldnDJ DRAMAなどを迎え、カリフォルニア州を皮切りに、テキサス、アトランタ、ニューヨーク、ミシガンなど主要都市で28公演を予定しています。

1ヶ月に及ぶツアーになりますが、2人は最近まで顔を合わせてなかったようで、ウィズ・カリファは次のように明かしています。

やっとだけど、直接会えたのは良かった。
彼はオンラインでも音楽でも超クールだから、どんなやりとりもドープなんだ。
でも、何度もプラチナセールスを記録した曲を一緒に作っているのに一度も会わないというのは、あまり普通のことではないよね。
でも、だからこそ、ツアーに出る意味があるんだ。
俺らのファンベースは、記録であれ、数字を作ることであれ、あるいはメッセージであれ、互いに手を取り合って支え合っているよ。
共通の土台がある事はいいことだと思うし、俺と彼は、自分たちがラップゲームに対してやってきた事に慣れてきている段階だ。
でも、俺たちはそれを次のレベルに引き上げ、今後10年、15年の間に素晴らしいことをやってくれる人たちのために全開で行くよ。
そのために、最終的に俺たちが集まって、そのステージに立つのであれば、それはそれでいいと思っているよ。

現在34歳のウィズ・カリファは、同世代のLogic(32歳)とラップシーンをリードし、次の世代をさらなる高みへと導こうとしています。

アルバムの制作に関しても「次のレベルに引き上げる」と、度々口にしており、そして完成した「Multiverse」。果たして”次のレベル”とはどんな音になったのでしょうか。

是非それをあなたの耳で確かめてください。

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今回紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️

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