見出し画像

『Big Energy』の誤解を解きたい・・・本人がニューアルバムについて語る Latto - 777 (2022)

2019年にシングル「Bitch from da Souf」のバイラルヒットで一躍脚光を浴びたLatto(ラト)は、翌年RCA Recordsと契約を交わし、City Girls21 Savageらを迎えたデビューアルバム「Queen of da Souf」(2020)をリリース。
その中からGicci Maneのヒット曲「Freaky Gurl」をサンプリングした「Muwop」が話題を呼び、アルバムのデラックスエディションもリリースされるなど、デビュー作ながら多くの人にその存在を知られることになりました。

またChris BrownYoung Thugのシングル「Go Crazy」のリミックスや、グラミー賞にノミネートされたChloe x Halle「Do It」のリミックスにも抜擢され、業界の中で一際注目を集めているラッパーの1人です。

多くのオーディエンスが彼女に注目を集める中、待望のセカンドアルバム「777」(2022)をリリース。
今作には以前 "巨根パワー" で紹介した、彼女にとって初のR&B/Hip Hopチャート1位を獲得した「Big Energy」も収録されています。

ここでは、このアルバムについて解説します。

レーベル  : RCA Records, StreamCut
リリース日 : 2022年3月25日
名前    : Latto
本名    :    Latto / Alyssa Michelle Stephens
年齢    : 23歳


出身地   :   ジョージア州アトランタ

アルバムタイトル"777"の意味とは・・・

彼女は、前作「Queen of da Souf」(2020)のリリース直後からこのアルバムの制作を始めたようですが、完璧主義者であるため、リリースまでに2年掛かったことを語っています。

最初の曲を作ったのは、たしか2020年にさかのぼるわ。
『Queen of Da Souf』をリリースして以来、ずっとこの次のプロジェクトに取り組んでいたの。
だから、確かに時間はかかったけど、私は完璧主義者なの。
 この期間、より多くのことに挑戦したわ。
女性として本当に成長しているし、それが音楽にも反映されているわ。
アーティストである以上、成長し、私の経験を自然に話すことになったわ。
音楽を通して私の人生の進化を示すの。

またアルバムタイトル「777」について、幼い頃から好きな数字で、偶然にも自分のキャリアと合致していたと明かしています。

7は神様の数字だから、そこから始まったの。
幼い頃から7は好きな数字だったんだ。
「777」は666に勝利する、あるいは666に打ち勝つという意味なんだ。
宝くじとカジノにちなんでLattoに改名したとき、大当たりは777ということで、私のブランドの一部になったわ。
この言葉にはすでに意味があったの。
どういうわけか私のキャリアと合致していたわ。

今作に秘められた思い

今作についてラトは「業界での地位を固めたかった」と明かし、ヒットソング「Big Energy」についても語っています。

この業界での地位を固めたかったの。
自分の歌を披露して『Big Energy』のような曲を作っていることを知ってもらって、自分の多才ぶりをアピールしたかったわ。
フックのないフリースタイルで、ただひたすらラップをするの。
だから私はラップをしながら、同時に多才さをアピールしているわ。
『Big Energy』の成功で、自分がどれだけ目新しく見られているか感じた。
このアルバムは、そのような人たちをファンとして取り込むチャンスだと思っているの。

そのリードシングル「Big Energy」は、Mariah Carey(マライア・キャリー)のヒットソング「Fantasy」 (1995)と同ネタTom Tom Club(トム・トム・クラブ)「Genius of Love」(1981)をサンプリングして話題を呼び、アルバムリリースから3日後にマライア・キャリーDJ Khaledによるリミックスが公開されています。

Latto & Mariah Carey feat. DJ Khaled - Big Energy Remix (2022)

オリジナルは全米チャート3位を記録し、メインストリームにその名を広めた曲になりましたが、彼女は世間からは誤解されていることを明かし、それにやや苛立っているようです。

私については、たくさんの誤解があるの。
誤解の原因は、私が本格的に業界に足を踏み入れ『Big Energy』で初めて大ブレークしたことだと思うの。
今一番の誤解は、"彼女はそれに値ない" というような業界の植え込みのようなものだわ。
みんな私のことをよく調べればいいと思う。
私は8歳からラップしているの。
一夜にしてこうなったわけじゃない。
今の自分があるのは、本当に努力した結果よ。

業界での立ち位置を示したかったと明かす

アルバムリリース前にラトはTwitterで、自身のInstagramの投稿で『コメントが2万件に達したら、アルバムのトラックリストを公開する』とファンに呼びかけました。
この投稿から1日も経たないうちにこの目標が達成され、公言通り翌日に公開されました。

収録曲には、前作に続き21 Savageや、Kodak BlackLil DurkNardo Wickといった男性ラッパーが主にゲスト参加しています。
フィーチャリングについては、Latto名義での初めてのアルバムということもあり、自分なりのエッセンスを加えたかったと語っています。

フィーチャリングで埋め尽くしたくはなかったわ。
なぜなら、これは私自身を世界に紹介するためのものだからね。
新しい名前での最初のプロジェクトだから、この業界で自分がどのような位置にいるのか、しっかりと示したかったわ。
でも、みんなフィーチャリングが好きだし、私も好きだわ。
だから、自分のエッセンスは絶対に入れたかったの。
プロジェクトに入れられなかった人もいるから、デラックスの話も出ているわ。
でも、急ぐことはないの。
このまま波に乗ってこの流れを見ようって思っているわ。
フィーチャリングにはかなりこだわったから、アルバムに収録できなかったものもそのうち聴けるようになるといいんだけどね。

と、デラックスエディションのリリースを示唆したラトですが、収録曲「Sunshine」では、Childish GambinoLil Wayneの豪華メンツが参加。
セカンドアルバムで彼らと共作できたことに『ドープだ』と嬉しそうな彼女の様子が伝わってきます。

一緒にスタジオでレコーディングしたわけじゃないけど、私のチームが彼らにオープンヴァースを送ったの。
私は『彼らがやってくれるといいな。もしできなかったら、プレッシャーにならないように』と思っていたんだ。
でも、2人とも実際にバースを送ってきてくれたので、すごくうれしかったわ。
Childish Gambinoのバースなんてめったに見られないから、それだけで超ドープだわ。
ウェインもGOATだから、超ドープだよ。
私のキャリアの初期に彼らからOKをもらったことは、とても意味のあることだったわ。

Latto feat. Lil Wayne, Childish Gambino - Sunshine (2022)

終わりに

23歳と若きラッパーですが、自分の立ち位置を測り「Big Energy」だけではないことを強くアピールするために、意識的にこのアルバムを作ったように感じます。
また今年の目標についても語っており、数字やロジスティックに囚われず、あくまで楽しんでやっていきたいと明かしています。

成長し続けること、そして何事も楽しみながらやること。
ロジスティックスや数字にあまりとらわれたくないんだ。
ただ、楽しみたいだけだわ。
私は8歳のときからラップをやっているの。
8歳の頃からサイファーやフリースタイル、タレントショーに出演しているビデオを見てもらえばわかると思う。
私は音楽が本当に好きで、だから自分が作れる最高の音楽を作って、周りを見て楽しみながらやっていきたいんだ。
私も一生懸命祈っているわ。

前述したように、5月には今作に収録できなかった楽曲が加わったデラックスエディションの公開を控えるなど、アルバムリリース後も彼女の動向には要注目です!

※ DIGTRACKS.comは、音楽プロモーター、音楽業界に携わるプロフェッショナル(DJなど)専門のデジタル・レコードプールサービスです。
ご利用の際は必ず「ご利用規約」をご確認ください。

最新HITチャート

Digtracks.com ランキング

#hiphop #rnb #dj #新譜 #歌詞和訳 #洋楽和訳

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?