ジェニファー・ロペスが音楽で語る人生の物語:2000万ドルを投じたアルバム『This Is Me...Now』とは?
Jennifer Lopez(ジェニファー・ロペス)はダンサーとしてのキャリアを築いた後、数々のヒット作品で女優としても主演を果たしてきました。1999年にはアルバム『On the 6』で歌手デビューを飾り、2001年にはセカンドアルバム『J.Lo』と映画『The Wedding Planner』を同時にリリース。この快挙により、アメリカにおいて映画とアルバム両方で同一週にチャート1位を獲得した初のエンターテイナーとして讃えられました。
Island Recordsへ移籍後にリリースされた7作目のアルバム『Love?』からのシングル「On the Floor」は、18ヶ国以上でチャート首位に輝き、全世界で840万以上ダウンロードされる大ヒットとなり、2011年には女性アーティストのシングルとしては最高の売上を記録しました。
また、タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出されるなど、フォーブス誌の「世界で最もパワフルな女性100人」にも名を連ね、世界中で最も影響力のあるエンターテイナーの一人として高い評価を受けています。
そして2024年2月、彼女は10年ぶりとなる9枚目のアルバム『This Is Me...Now』を発表しました。この記事では、ジェニファー・ロペスの最新作に焦点を当て、その魅力に迫ります。
レーベル : Nuyorican Productions & BMG
リリース日 : 2024年2月16日
名前 : Jennifer Lopez
本名 : Jennifer Lynn Lopez
年齢 : 54歳
出身地 : ニューヨーク、ブロンクス
ジェニファー・ロペスの愛の軌跡:『This Is Me... Then』から20年後の再会
ジェニファー・ロペスの最新作は、なんと22年前にリリースされた3枚目のアルバム『This Is Me... Then』(2002)の続編であることがわかっています。この『This Is Me... Then』は、シングル『All I Have』が全米チャートで1位を獲得し、アルバム自体も全世界で600万枚以上のセールスを記録する大成功を収めました。ジェニファー・ロペスは、これまでの中で最も愛着を持つアルバムとして、何度もこの作品を挙げており、そして、彼女はこのアルバムから得た教訓をこう語っています。
このアルバム制作の背景には、ジェニファー・ロペスが俳優兼監督のベン・アフレックとの関係を再び燃え上がらせ、そこから受けた強いインスピレーションがあります。実際に、このアルバムは彼に捧げられた作品とされています。
約20年前、ジェニファー・ロペスとベン・アフレックは2002年から2004年の初めにかけて交際していたことがあります。彼らはその期間、『Jenny from the Block』のミュージックビデオで共演しました。当時、彼らはメディアや公に「ベニファー」という愛称で親しまれ、スーパーカップルとして広く認識されていました。そして2002年11月、二人の婚約が発表され、大きな注目を集めました。
しかし、2004年1月に婚約は解消されました。数年後、ジェニファー・ロペスはベン・アフレックがメディアの注目を避けたかったことが別れの原因の一つであったと述べています。その後、彼女はさらに次のように明かしています。
破局後、ジェニファー・ロペスは2004年にシンガーのマーク・アンソニーと結婚し、双子を授かりましたが、2014年に離婚。そして2017年には、元メジャーリーガーであるアレックス・ロドリゲスと交際をスタートさせ、2019年3月に婚約しましたが、2021年4月に2人の関係に終止符が打たれました。
その直後、ジェニファー・ロペスとベン・アフレックが再び交際していることが報じられ、翌年、ジェニファー・ロペスは初めてのプロポーズから20年を経て、2度目の婚約を発表しました。二人は2022年7月16日にラスベガスで結婚式を挙げ、その翌月には親しい家族や友人を招いて結婚式を執り行いました。
この復縁について、ジェニファー・ロペス自身も驚いたと同時に、困難な状況でも価値ある何かを諦めなかったと話しています。
愛の物語が映画とドキュメンタリーで蘇る
ベン・アフレックにインスピレーションを受けた『This Is Me... Then』を自身の最も愛するアルバムだと公言している彼女は、彼との復縁を経て、20年の時を超えてその続編をリリースする決断をしました。さらに、彼女は今作について「過去20年間の私の感情的、精神的、心理的な旅」と表現し、以下のように語っています。
彼女は、自身の恋愛、ベン・アフレックとの再会、そして愛を求める旅を記録した3部作の一環として、このアルバムのリリース、2つ目にミュージカル映画『This Is Me...Now: A Love Story』の公開、そして3つ目に舞台裏ドキュメンタリー映画『The Greatest Love Story Never Told』の公開を発表しました。
ミュージカル映画『This Is Me...Now: A Love Story』は、ケンドリック・ラマーの『HUMBLE.』やビリー・アイリッシュの『bad guy』といったヒット曲のMVを手掛けたことで知られるDave Meyersが監督を務め、2024年2月23日にAmazonプライムで公開されました。この映画は、アルバムの全曲をビジュアル化したものに加えて、ジェニファー・ロペスとベン・アフレックの恋愛や彼女の連続的なロマンスに直面する試練を基にした、洗練されたフィクションの物語を描いています。彼女の友人や同僚だけでなく、Fat JoeやPost Maloneといった著名人も出演している点が特徴です。
3つ目のドキュメンタリー映画『The Greatest Love Story Never Told』は、アルバムの制作過程と、先述の映画『This Is Me...Now: A Love Story』の制作過程を記録しています。このドキュメンタリーには、ジェニファー・ロペスやベン・アフレック、そして女優のジェーン・フォンダなどが出演しており、彼らは映画の中で、制作過程について語っています。特に、ジェニファー・ロペスとジェーン・フォンダは、この映画の制作について深く掘り下げ、ジェニファー・ロペスとベン・アフレックの関係や、「連続ロマンチストとしてのロペスの人生を検証する」ことに焦点を当てています。報道によれば、彼女はこの3部構成のコンセプト・プロジェクトに約2,000万ドルの自己資金を投じたとされていますが、映画は完成後、アマゾンが未公表の金額で買い取ったとのことです。
収録曲について
今回のアルバムには全13曲が収録されており、彼女のキャリア史上初めて客演が存在しない作品となりました。さらに、アルバムのエグゼクティブプロデューサーには、トラヴィス・スコットの『SICKO MODE』やジャック・ハーロウの『First Class』などのヒット曲を手がけたことで知られるRogét Chahayedが務めました。大役を果たしたRogét Chahayedは、自身のインスタグラムで次のように述べています。
『This Is Me...Now』
アルバムのタイトルであり、オープニングトラックである『This Is Me...Now』は、ジェニファー・ロペスが自身の成長、自己受容、そして愛について綴った曲です。彼女は過去の試練から学び、自愛と自己受容へと至った過程を歌います。歌詞は過去の教訓と未来への希望、そしてパートナーと共に困難を乗り越える成長を表現しています。
Jennifer Lopez - This Is Me...Now
『Can’t Get Enough』
4曲目「Can’t Get Enough」は、2024年1月にアルバムからの先行シングルとして発表されました。この楽曲は、数々のヒット曲を生み出してきたHit-Boyが共同でプロデュースを務めており、フックにはAlton Ellisの1967年の楽曲「I'm Still in Love With You」をサンプリングしています。また、この楽曲のミュージックビデオは、以前ジェニファー・ロペスの映画を監督したDave Meyersが制作を手がけており、ジェニファー・ロペスとベン・アフレックの結婚式を連想させるような映像になっています。
ジェニファー・ロペスは、この曲について次のように述べています。
Jennifer Lopez - Can't Get Enough
Alton Ellis - I'm Still in Love With You (1967)
『Dear Ben, Pt. II』
7曲目の『Dear Ben, Pt. II』は、ジェニファー・ロペスの三枚目のアルバム『This Is Me... Then』に収められた『Dear Ben』の後続曲として登場し、タイトルに示される通り、ベン・アフレックへの想いを綴った楽曲です。この曲には、イギリス出身の歌手RAYEがバックコーラスで参加しており、ジェニファー・ロペスは自分の指輪を見つめる中で、パートナーとの関係やその感情の深さについて内省します。彼女は、愛する人から希望を取り戻したり、引き寄せられる感覚に感謝の念を抱き、その関係の大切さを歌に込めています。愛する人との絆から安心感を得て、その関係を心から大切にしていることが伝わってきます。
Jennifer Lopez - Dear Ben, Pt II
Midnight Trip to Vegas
12曲目の『Midnight Trip to Vegas』は、恋人同士が日常のルーティンに飽き足らず、突然の思いつきでラスベガスへのミッドナイトトリップを計画する姿を描写しています。彼らは普段の束縛から解放され、新たな体験や冒険を通じて絆を深めます。この歌は、日常の中における新たな刺激や愛情の重要性を示唆しています。また、この曲は、ジェニファー・ロペスがお気に入りであるChris Isaacの『Wicked Game』(1989)をサンプリングしており、自身のX(Twitter)で次のように明かしています。
Jennifer Lopez - Midnight Trip To Vegas
Chris Isaac - Wicked Game (1989)
おわりに
ジェニファー・ロペスは、自身のアルバム制作を通じて、過去20年間の音楽キャリアと個人的な成長を振り返り、自分の音楽が常に個人的な経験から生まれてきたことに気付き、この新しいアルバムが彼女の音楽的な旅路の集大成であると表現しています。
また今作はリリースと同日に、Lattoが参加した『Can’t Get Enough Remix』や、Anuel AAとの『Rebound Remix』などの、3曲が追加されたデラックスエディションも公開されました。
そして、2024年6月からは30公演以上のアルバムツアーも予定されており、ジェニファー・ロペスは54歳を迎えた現在もトップスターとして、年齢を感じさせないパフォーマンスで多くのファンやオーディエンスを魅了し続けることでしょう。
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