超活用法01

『with』2019年7月号 アンケートに学ぶ、商品ニーズを引き出すポイント

雑誌の特集記事にはよく読者アンケートの結果データが登場します。主に美容や恋愛の記事の導入で使われることが多いのですが、ファッションの分野で商品ニーズを引き出すアンケートが抜群に上手いのが『with』です。

『with』は、20代半ばの女性を主な対象として、ベーシックなオン/オフのスタイルを紹介している女性ファッション誌です。表紙や特集に起用されるモデルは流動的で、読者層を選ばないスタンダードぶりが強みです。

同世代の類誌では社会人読者を獲得していくことが目下の課題になっており、『with』では2018年後半頃からは通勤着にフィーチャーした「お仕事with」というレギュラーコーナーを設けて誌面に力を入れています。

こうした背景を踏まえつつ、今回は梅雨時のシーズンのファッションを取り扱った2019年7月号の内容を見てみましょう。

「オフィスで着られる上品Tシャツコーデ」
(読者100人アンケート)
Q:通勤でTシャツを着たいですか?(単一回答)→「YES」86%
Q:実際に通勤でTシャツを着ていますか?(単一回答)→「YES」56%
→Tシャツ通勤したいのに着られていない人が約半数!!

アンケート結果の解説をしましょう。
1問目の回答からは、「通勤着にTシャツを取り入れたい期待値」が86%に表れており、2問目の回答からは、「実際に取りている人は半数に留まる現実」が56%に表れています。

理想(1問目)と現実(2問目)のギャップ。これが特集テーマ「オフィスで着られる上品Tシャツコーデ(Tシャツアイテム)」のニーズを引き出すリードデータになっています。素直に上手いと思える構成ですよね。

もしこのアンケート結果が無かったら…
Tシャツアイテムにフィーチャーする必然性が弱く見えたり、あるいはただの商品紹介ページのように見えてしまうかもしれません。

「実際は着たいけどうまく着こなせない」というギャップをしっかりと押さえているからこそ、後に続く「深くあきすぎないネックライン」のようなアイテム紹介が生きてきます。

この「本当はやりたいけど→できていない(だから商品・サービスが必要になる)」アンケートデータは高い説得力を持ちます。営業資料や調査リリースなどで非常に映えるので、積極的に使ってみてください。

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