見出し画像

裏打ち頑張ってみた報告書2024年1月

前回の報告から半年も経ってしまいました、墨の作品の裏打ち報告記事。

裏打ちの時間もとれないまま裏打ちしたい作品がじわじわ溜まってきていて、先週末にやっと重い腰を上げました。今回裏打ちしたのはこちらの三点です。

左のニシコクマルガラスと右の菊はnoteでもご紹介済みですね。

そして真ん中のは……そうです、アレです、アレの題字のオリジナルです。

手順は基本的に第一回目に説明した流れで、壁(例の如くタンスの扉)への貼り付けは第二回目の裏向きを採用。今回は何は違うかと言うと、糊です糊!買って来たんですよ、昨年8月9月に日本に行ったときに、フエキ糊!

第一回目で「ドイツAmazonで買ったヤマト糊を使っているけれどフエキ糊のほうが水で伸ばしやすいらしい」と書きましたが、やっとフエキ糊で裏打ちができます!(今回使ってみたら、一回で結構消費してしまうことに気が付き、チューブ2本しか買ってこなかったことをやはり後悔……)

その他の道具はいつも通り。


では裏打ちの経過のご報告、開始いたします。

まずは菊。背面から霧吹きで水浸しにしたところ。
「げ、描いてからこんなに時間が経ってるのにの字の部分が滲んじゃった」と思ったのだけど、描いた時点で滲ませてあるんだった、そう言えば。
裏打ち用の紙の片面に水で伸ばした糊をつけ、作品に重ねたところ。
糊付けの工程はスピード勝負のため写真なし。
タンスの表面にやはり背面をこちらに向けたまま張り付けマスキングテープで固定。
毎回裏打ちの写真で微妙に写るタンスの上部に貼ってある絵…もしや皆さま気になっているのでは、と思い、今回もうちょっと見えるように撮ってみました。笑
次はニシコクマルガラス。実はこの絵を描いてからまだ一ヶ月も経っておらず滲まないか心配だったのですが大丈夫でした。墨液ではなく手で磨った墨を使っているのが良いのかもしれません。筆ペンで描いた作品を裏打ちしようとしたら絵が流れた、という話も聞いたことがあります。
カフカ題字の水浸し状態。墨の乗った部分が少ないからか、皺を伸ばしやすかったです。
裏打ちの紙を重ねたところ。
三作品の裏打ちが完了。
後は乾くのを待つだけ。

最後の写真では絵とタンスの扉の間に空気が入っているのがすごく気になるのですが、一時間も経つと見えなくなりました。

もしかすると早いかも?と思いつつ、約36時間後、完全に乾いているようだったので、タンスの扉から剥がしてみることにしました。

ニシコクマルガラス……どう見てもボコついてる~。悲しい。
マスキングテープを剥がした状態。
剥がし中。三枚ともけっこう強力に貼り付いている部分があり少々苦戦。

今回は裏打ちの紙が絵よりも結構大きく、そのほうが絵に裏打ちの紙を乗せる時は楽ちんですが(絵が裏打ち紙からはみ出してしまう心配をしなくていいから)余白が大きすぎて扉にしっかり貼り付いてしまって剥がしにくかったのかもしれません。無駄遣いはするな、という教訓ですね、きっと。

以下、四辺を落とした完成品です。

少々皺が寄りましたが、絵全体はピシッと決まりました。


糊が薄まりすぎていたのか、上部が渇いていく段階で扉から剥がれてしまい、結果波打ち状態で固まってしまうことに。
すっごい怒ってる顔に見えますわ、ニシコクマルガラス。「俺を何だと思ってるんだよ、こんな状態に仕上げやがって」って思っているのでしょう。
まだまだこの鳥は描き続けなければいけないってことみたいです、はい、嬉しいです。


今回一番うまくいった裏打ち。
これで「えっ、あの小説の表紙の題字?買うわ!」なんて奇特な方が現れても準備万端……何言ってんだか。笑


やはり前回の裏打ちから時間が経つと忘れていることもあり、もっと頻繁に裏打ちすれば、こんな不安ばかりの裏打ちにならずに済むのになあ、と思います。考えてみれば、三点の作品くらいだったらそんなに時間を取らないんですよね。今回も週末の朝の小一時間で済んでしまったのですよ、裏打ち。ではなぜ裏打ちをするのにこんなに腰が重くなるのか……最大の原因は「お気に入りの作品を裏打ちで失敗して台無しにしてしまったら」という恐怖心。それなら裏打ちが百発百中になればいいわけで、そのためには不器用な私はひたすら回数を重ねて慣れていくしかない。
そこで「せめて月に一回の裏打ちを目標にしてみる?」と思い、今回は記事タイトルに「1月」と入れてみましたが……そうすると常に「裏打ちしたい作品」も生み出していかなくてはいけないわけで……精進あるのみ、ですな。


この記事が参加している募集

習慣にしていること

🦖🦕🦖🦕