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本のむし

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記事一覧

【おすすめ本】50年かけて書く、15年越しに読む(埴谷雄高/死霊)

今週もこんにちは。今日は朝から仕事です。日曜日なのに〜GWなのに〜〜😭 それはさておき。き…

吉川歩
5日前
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【おすすめ本】本棚の遠い女性たち(アトウッド/侍女の物語)

今週もこんにちは。関東はよく晴れた週末です🍡 今週の一冊はマーガレット・アトウッド「侍女…

吉川歩
3週間前
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【おすすめ本】僕が僕になるまでの長い助走(西加奈子/サラバ!・夜が明ける)

今週もこんにちは。日本に帰ってきました。思ったより、寒い! セーターを着ています。 帰路…

吉川歩
1か月前
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【おすすめ本】ことばに追われて、救われて(李良枝/石の聲)

今週もこんにちは。 李良枝(1955-1992)は韓国人の両親を持ち、日本で生まれた作家です。初…

吉川歩
2か月前
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【おすすめ本】「わからない」をしりたくて(古井由吉/杳子・妻隠)

今週もこんにちは。関東は今週大雪だったみたいですね。みなさん元気でお過ごしでしょうか。 …

吉川歩
2か月前
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【おすすめ本】本はゆっくり読むほどにいいのだ(レサマ=リマ/パラディーソ)

今週もこんにちは。関東は朝から久しぶりの大雨です。 今回紹介する本、じつは読んだと胸を張…

吉川歩
3か月前
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【おすすめ本】伝染する怒りのはてに(吉田修一/怒り)

今週もこんにちは。冷たい空気と曇り空。年の瀬ですね〜。 今回は吉田修一さんの「怒り」を紹介。中公文庫から上下巻で出ています。渡辺謙や広瀬すず、森山未來などの豪華キャストで映画化もされている作品です。 ▼▼今回の本▼▼ ある夫婦が惨殺されるという事件が起きた一年後。接点のない3組の登場人物の前に身元不詳の男が1人ずつ現れる。その3人の謎の男のなかに殺人犯がいるのか、という点をフックに物語は進んでいきます。 吉田さんの文章はすごく独特です。一見クセがなく読みやすいのに、中

【おすすめ本】書をひらこう、旅に出よう(ヘッセ/クヌルプ)

今週もこんにちは。ウガンダは雨ですが、今日は晴れだよ、と名古屋にいる祖父に聞きました。み…

吉川歩
5か月前
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【おすすめ本】タフな15歳にはなれなくても(村上春樹/海辺のカフカ)

今週もこんにちは。ウガンダに来ました。雨季と乾季の境です。雨が朝夕に降るけれど、昼間は乾…

吉川歩
5か月前
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【おすすめ本】きみの幻に恋をする(ビオイ=カサーレス/モレルの発明)

(本記事はネタバレを含みます!) 今週もこんにちは。関東は秋晴れで気持ちのよい一週間でし…

吉川歩
6か月前
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【おすすめ本】暮らしは芸術でできている(鶴見俊輔/限界芸術論)

今週もこんにちは。一昨日あたりから、急に寒くなりましたね。短い秋という感じです。芸術の秋…

吉川歩
7か月前
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【おすすめ本】輝いた「あの頃」のあとに(カズオ・イシグロ/日の名残り)

今週もこんにちは。今週は連休の方が多いのでしょうか。関西にたまたま来ているのですが、まだ…

吉川歩
7か月前
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【おすすめ本】翻訳を読みくらべる(カフカ/訴訟・審判)

今週もこんにちは。みなさん、少しはお盆でお休みになれたでしょうか。台風で大変だった方も多…

吉川歩
8か月前
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【おすすめ本】哀しい話なんて、読まなくても?(大岡昇平/野火)

今週もこんにちは。もう八月ですね。時間が経つのを早いと思うタイプの人間ではないのですが、時々ハッとさせられます。 だれかに本を勧めるのは勇気がいります。本は読むのに時間がかかるし、人によって好みも違う。大岡昇平「野火」(1952年発表)は最後まで迷ったけれど、八月というのもあって、紹介することにしました。 ▼▼今回の本▼▼ 太平洋戦争下、フィリピンで結核にかかり、軍隊を追放された主人公の田村。本作は敗残兵となった彼が生死の境をさまよいながら、正気と狂気の間で揺れ動くさま