【おすすめ本】哀しい話なんて、読まなくても?(大岡昇平/野火)
今週もこんにちは。もう八月ですね。時間が経つのを早いと思うタイプの人間ではないのですが、時々ハッとさせられます。
だれかに本を勧めるのは勇気がいります。本は読むのに時間がかかるし、人によって好みも違う。大岡昇平「野火」(1952年発表)は最後まで迷ったけれど、八月というのもあって、紹介することにしました。
▼▼今回の本▼▼
太平洋戦争下、フィリピンで結核にかかり、軍隊を追放された主人公の田村。本作は敗残兵となった彼が生死の境をさまよいながら、正気と狂気の間で揺れ動くさま