0.はじめに
5月にホワイトハット・パラディンの有料ポッドキャストをサブスクしてみました。今ではホワイトハットやアライアンスを自称する人たちはそこら中にいて、20年前にはそれがホワイトナイトと呼ばれていたことがわかっていますが、個人として名前と顔を出して名乗り出ている人は一人もいません。唯一パラディンだけが声を出しています。
5月のコーリーのQ&Aでは、ホワイトハットとアライアンスの違いについて語られていましたが、個人的にはあまりピンときていません。アライアンスが軍関係、ホワイトハットが金融関係というのが個人的な印象です。
いずれにせよ、本当に存在するのかしないのか、どんな人たちで何を考えているのか、あまりはっきりしない人たちです。彼らは姿を見せませんが、彼らと繋がっていると主張する彼らの代弁者はコミュニティに溢れています。だから実際に存在はしているのでしょう。しかし、彼らがコミュニティの人たちの思い描く理想像通りの人たちである保証は全くありません。これまで彼らには証明できる実績など何一つなく、聞かれるのは「地下施設に囚われている子供たちを救出した」みたいな確認の取れない話ばかりで、ほとんどファンタジー上の「白馬の騎士」と変わりません。
そんな中、唯一、「ホワイトハット」という呼び名を広めたオリジナルのホワイトハットであるパラディンだけは、実際の証拠を携えた本物の匂いを漂わせていました。彼の持つ「証拠」は、実際にイギリスの貴族院で議題に上がった程でした。そんな人は自称ホワイトハット/アライアンスの中に他に一人もいません。
だからパラディンは「ミュージシャンズ・ミュージシャン」と同じで、「インフルエンサーズ・インフルエンサー(インフルエンサーがフォローするインフルエンサー)」みたいになっています。ミュージシャンと違って、インフルエンサーが汚いのは、自分の情報源を明かしてしまっては、自分のフォロワーが自分を飛び越えて直接情報を得てしまうので、自分の商売に支障をきたすと考え、誰から情報を得ているのか隠そうとすることです。
チャーリー・ウォードがあそこまで自信満々にQFSについて語れるのは、彼が「QFSの大使」であるからでも、QFSについての具体的な情報を得ているからでもありません。「QFS」が実在すると主張するパラディンのことを絶対的に信用しているからです。彼がパラディンのDiscordグループから情報を得ていたことは初期の段階でわかっています。だから彼がよく言うキャッチフレーズ「ホワイトハットが全てを掌握している」という言葉も、「パラディン、あなたたちを信じてる、期待しているよ」と言っているのと何ら変わりません。彼にはパラディンの情報以外に確信的な根拠などないのです。
私はいまだにQFSについては懐疑的です。パラディンは多くの点で信頼できる発言をしており、好感の持てる人物ですが、QFSの存在を信用するに足る根拠を提供しているとは思っていません。しかし、彼の情報を全て見たわけではないので、私が知らないだけなのかもしれません。もっと彼と「ホワイトハット」について知る必要があります。
1.有料ポッドキャストで語られていたこと
4月中旬からパラディンはポッドキャストを再開し、5月末までに5回の配信がありました。内容は自身の健康状態(あまり良くない様子)に関する取り留めのない話から、時事的なニュース批評、政治の裏話、コミュニティで注目の話題、といった感じで、なかなかおもしろい内容ではありました。私は10ドルのJournalistコースでサブスクしてみましたが、3ドルのFollowerコースで得られる情報と差がないように感じられました。
本題に入る前に、各回の配信のハイライトを少し紹介していきます。
トランプの当選とホワイトハット
まず、4月16日の配信では、トランプに対する思いが語られていました:
オクシデンタル大学の学生証の件はフェイクだったみたいです。それでトランプは主張を取り下げたのだとロイターは言っています。
しかし、このハワイの出生証明書を発行したハワイ州保健省の局長のロレッタ・ファディという女性が、インドネシアのズブド教のアメリカ支部長であったことや、就任わずか4ヶ月だったこと、そしてその2年後、不審死していることについてはロイターは言及していません:
トランプがなぜ2016年の選挙で当選できて、2020年には当選できなかったのかは大きな謎ですが、パラディンはホワイトハットが2016年の不正工作を間際で覆したからだと言っていました。すると、2020年にはなぜそれができなかったのか、なぜ不正工作を防げなかったのか、理屈に合わなくなりますが、それはパラディンも不思議に思っている様子でした。
彼の話を聞いていると、「私たちと同じようなことを考えているんだな」と親近感が湧く一方で、ホワイトハットへの幻想が薄れたのではないでしょうか。彼らはおとぎ話のヒーローではなく、「すべてをコントロール」しているわけでもなく、私たちと同じような疑問や不満を持ち、期待と失望を繰り返している生身の人間だということが伝わってきました。
次に4月29日の配信です。この配信では、まず、タッカー・カールソンについてのパラディンの所見が語られていました。タッカーがツイッターを番組プラットフォームとして選んだことが発表される10日前の配信です。
タッカーについて
カール・ローヴとヒラリー・クリントンの発言
カール・ローヴというのは、ブッシュ政権で大統領上級顧問だった人物です。
実は例の発言が「カール・ローヴのもの」であるかどうかはファクトチェッカーによってケチがつけられているのですが、ジャーナリストが「ブッシュ大統領の顧問」から引き出した本当の発言であるということは事実認定されているようです。
ロン・サスキンドはピュリッツァー賞受賞歴のあるウォール・ストリート・ジャーナルの上級記者であり、Snopesの記者からすれば雲の上の存在とも言えるトップ・ジャーナリストです。
彼の取材の信憑性にケチをつけるなんてことは恐れ多くてできない、だから解釈の方にケチをつけよう、というSnopesの記者の心理が伝わってくようでおもしろいです。しかし、この発言の主がカール・ローヴであるかどうかなんて、どうでもよく、「ブッシュ大統領の上級顧問」の発言であるという事実だけで十分です。これはカバールのエリートたちの本音がポロリと出た瞬間であり、彼らの極意を知る上で非常に重要な発言だと思います。そして、サスキンドがこの発言を引き出した2004年の頃のコミュニティに目を向けてみると、より感慨深いものがあります。
事実ベースで賢明に研究をしている人たちですら、一足先に行動によって現実を創造しているカバールにとっては、歴史の脇役でしかないと見られているのです。では、妄想ベースでただ期待して待っている人たちのことはどう思っているのか?
ここにヒラリー・クリントンの有名な「Deplorables (嘆かわしい人々)」演説があります。
かなり面白い演説です。言葉の端々に、クリントンの優越感と選民思想がにじみ出ています。
要するに、「トランプの支持者なんて、どうせみんな人生の落伍者で、夢も希望もないのよ。半分は救いようのない哀れな人たちだけど、残りの半分には同情してあげないとね。数で負けちゃうから。」と言っているように聞こえる演説だったのです。
面白いのは、これにはさすがに大衆が怒り、クリントンは謝罪するはめになり、選挙戦において大きなダメージとなったことです。トランプにとっては追い風となりました。
これは大衆の怒りの矛先が正しい方向に向けば、大きな力を発揮するということを示しているのかもしれません。ただ、カール・ローヴやヒラリーのように、カバールが無防備に本音を漏らすことは非常に稀です。こういった民衆の反発を恐れているからでしょう。
ちなみにヒラリーの「Deplorable」失言が元ネタになっている『The Hunt』という映画があります。一連の背景を知っているとなかなかおもしろい映画です。
続いてパラディンはギデオンについて言及していました。彼とCSRQの詐欺については過去の記事(①・②)で詳細に取り上げています(それからもう1年近く経つことに衝撃を受けています)ので、ここではパラディンの見解のみ抜き出しておきます。
ギデオンに興味を示すパラディン
さて、これが本物のホワイトハットのメッセージです。コーリーやアライアンスが言っていることと全く同じでした。このコミュニティに、本物のホワイトハットやアライアンスの声に耳を傾ける人がどれほどいるのかわかりませんが、『ネサラを待ちわびて』の記事の反応を見る限り、あまり多くなさそうです。
ここに、カバールによってこのコミュニティに植え付けられた偽りの希望、間違ったスピリチュアリズム、的外れな自己啓発の末路を象徴する一枚の画像があります。これを見ると、今のコミュニティの追い込まれた現実が凝縮されているようで、なんとも悲しい気持ちになります。
さて、次は5月11日の配信です。この配信でまず印象的だったのは、RFKジュニアに対するパラディンの期待感です。
RFKジュニアについて
この配信から1ヶ月経ちましたが、RFKジュニアは着々と支持者を拡大している模様です。
そしてパラディンは再びギデオンの話を始めました。パラディンはまだ彼とRaindropDAOの詐欺の関係には気づいていないようです。
とは言え、賢明なパラディンのことなので、「カバールがギデオンの暴露に気づいていないはずはない」「あるいは、おそらくこれはカバールが自ら計画のベータテストを晒して大衆の反応を見ているのかもしれない」「彼らに個人情報を渡すのはリスクがある」と考察していました。それに関連して、ベーシック・インカムについても自身の考えを述べていました。
ベーシック・インカムについて
ベーシック・インカムについては、個人的には必要だと思っています。パラディンが言っていることは重々承知ですし、その通りだと思います。
しかし、生活必需品・燃料の価格高騰、増税、社会保険料の負担増、AIによるあらゆる産業の自動化が有無を言わさず急速に進む一方で、収入面でのセーフティネットが全く間に合っていない現状では、将来への不安と日々のストレスしかありません。これは実際に経済的弱者になってみなければわからない気持ちだと思います。
さて、ここまでこの記事の本来のテーマとは違う話題が続いてきましたが、ようやく本題に入ります。
WEFに対抗する金融システム?
さて、ついてにホワイトハットの実態に具体的につながる情報が出てきました。GIDIFAについては調査に時間がかかりそうなので、今後じっくり調べていくことにして、先に残りのポッドキャストの内容をさらっておきたいと思います。
5月中旬~6月上旬の配信のハイライト
5月14日の配信では、CNNで行われたトランプのインタビューについての感想などが語られていましたが、トランプには評価できるコメントも多かった一方で、話していないことも多いという不満が述べられていました。
パラディンの中でかなり葛藤があることがわかります。ただ、パラディンは「トランプがこのインタビューを受けるにあたって、何らかの取引をしたようだ」ということも言っていたので、事前に禁止事項が取り決められていた可能性もあります。いずれにせよ、トランプが背負いきれないほどの大きな期待をかけられているのは確かだと思います。
5月24日の配信は、2016年の大統領選挙の際に「流出した」とされる、クリントン陣営の戦略コンサルティング会社「ベネンソン戦略グループの内部文書」をパラディンがずっと読み上げるだけの回でした。この文書の内容については、3年前の記事で紹介済みですので、ここでは触れません。
当時はこの文書を扱ったサラ博士の記事をそのまま紹介しただけでしたが、パラディンが「おそらくこの文書をリークしたのはロジャー・ストーンだったと思う」「FBIまで出てきてこの文書を否定していたのは興味深いことだ」と言っていたので、それだけ確認しておきたいと思います。
ロイターの記事の記事に移ります。
クリントン陣営に聞いたって「本物です」と認めるわけがありません。なんとも無意味な検証です。結局、この文書の出処はロイターでも特定できなかったそうです。
次は6月7日の配信です。ここでもベネンソン戦略グループの文書の話が続きました。
ホワイトハットレポート57でその経緯が語られていました。
「リック・デイビス」という名前で私が唯一思い浮かぶのは、ポール・マナフォートとパートナーを組んでいたリック・デイビスです。
ポール・マナフォートはトランプの選挙対策本部長だった人です。
彼についてはQの投稿やパトリック・バーギーの情報を元に、ディープステートの回し者だったという考察を過去にしていました:
しかし、その後トランプがマナフォートに恩赦を与えていることを考えると、この考察は間違っていたのかもしれません。
このあたりは誰が味方で誰が敵なのか非常に入り組んでいて分かりにくく、外野から分析しているだけでは真相が計り難いわけですが、マナフォートのパートナーのリック・デイビスが二重スパイだとすると、様々な謎や矛盾点の説明が付きそうな気もしてきます。しかし、リック・デイビスがガンで亡くなっているという情報は少なくとも表に出ていませので、パラディンが言う「リック・デイビス」と同一人物である(可能性は高いと思いますが)確証はありません。
いずれにしても、「リック・デイビス」がホワイトハットレポートで明かした2016年の選挙戦の舞台裏のAI戦争は、ディープステートの虚を突き、柔道や合気道のような方法を使ったからこそ勝てたのであって、再現性は低いのかもしれません。だから2020年の選挙ではしっかり対策されてしまって不正操作をひっくり返せなかったのか、そして2024年の選挙ではどうなるのか、気になるところです。
パラディンはこの後、古代ローマ帝国の時代から不正選挙が行われていたという話をしてから・・・
・・・再びギデオンのインテル・ドロップの話に移りました。
カバールの奴隷制度から抜けるためには、マトリックスへの参加をやめること、それも集団でそれを行うこと、というのはコーリーが話していたことと全く同じです:
コミュニティの多数派(社会全体では少数派)は「X月◯日まで待っていれば救われる」という意識から一生抜け出すことができないようです。もともと百年くらい前からそういうコミュニティなので、このコミュニティからはもう何も生まれないと思った方がいいでしょう。
可能性があるとすれば、2016年の米大統領選挙の時に使った孫子の兵法のように、カバールの計画を逆手に取って、うまく私たちの利益になるように持っていくということでしょうか。その意味では、ベーシック・インカムも、中国共産党的な極端な社会信用スコア管理システムと切り離せれば、良いものになる可能性があると思います。「ベーシック・インカムはカバールの罠だからダメだ!」と言いながら、既存の社会保険料を払い続けていたり、「待っていればネサラゲサラで救われる」と誰かの妄想話に期待を託していたりしても、何も変わりませんし、むしろ状況は悪化する一方でしょう。
パラディンの配信の中で、「仲間たちは今後の数ヶ月で起きることに楽観的だ」とか「今週大きな動きがありそうだ」といった話もありましたが、あえてスルーして、すぐには記事にしませんでした。そういう期待感を煽る話を発信すれば、多くのアクセスと支持を得られることはわかっていますが、いつまでもそんなことを繰り返していて何の意味があるのでしょうか?
個人的にはパラディンには好感を持っていますし、興味深い情報を発信していると思いますが、パラディンが「My guys/My boys(私の仲間たち)」と呼んでいる「ホワイトハット」の人たちのことは信用していませんし、パラディンに偽情報を吹き込んでいる可能性すら疑っています。しかし、今回のリック・デイビスの話は、具体的にホワイトハットの存在感を感じられる話として、印象に残りました。
次の章では、GIDIFAを手がかりに調査し、より具体的に彼らの実態を見極めていきたいと思います。
今日の更新はここまでです。