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バカと天才は紙一重

バカと天才は紙一重。よく聞く言葉だ。

北朝鮮からのミサイル発射で日本中が騒がなくなったのはここ最近だろう。
中学生の時、北朝鮮からのミサイルが非常に多かった。
朝、テレビをつければ毎回、金正男総書記が登場していた。

そんな中学時代のある日、友人F(今でも一緒に社会人チームでサッカーをするぐらい仲が良い)と通学路を歩いていた。
確か、犬のフンが大量に落ちていることから「うんち通り」と呼んでいた通りでの出来事だったと思う。

「金正男って書記のくせに偉そうだよな〜」
何気ない疑問をFに呟いた。
「ほんとそうだよな!書記ごときに好き勝手されて、トップは何してんだ!」とFが返す。

おバカすぎる会話である。

小中学校で委員会制を経験していた僕たちからすると、書記というのは委員会の数ある役職の中でも最底辺であり、「字が綺麗な子」か、「やりたい役職に手を挙げられずに押し付けられちゃう子」がやるイメージだったのだ。
そんな地味ポジションである書記で、連日テレビに登場して、おまけにミサイルまで発射させちゃう金正男は僕達にとって非常に恐ろしい男だった。

連日の報道や大人たちが憤る様を目の当たりにして、僕達の怒りの矛先は金正男に対してではなく、まだ見ぬ彼の上司、つまり北朝鮮の真のトップである”委員長”に向けられていた。

今思えば社会主義の勉強が足りていなかったと思えるが、この素朴な疑問が大きなものを生み出す可能性は否定できない。
まだ見ぬ北朝鮮の真のトップである”委員長”を空想することで、物語を描けるかもしれない。社会主義国に住む人にこの疑問をぶつけることで、「確かに!総書記じゃなくて委員長にするか!」と大改革が行われるかもしれない。
もしこれらが実現すれば、僕達は「天才」として、連日テレビに出演するだろう。

時に何も知らないことが、新たな発見を生み出すことがある。
時にド下手であることが、新たな領域を作り出すことがある。

こんなマインドでいると、未知の領域への第一歩は軽やかになる。

新しいところに行くと、その道のプロや経験者に臆することがあるが、そんなことを気にする必要はない。
彼らにない視点や技術を有している唯一の人物が、自分であるからだ。

勉強しないことが、新たな視点を作り出すことがある。
そんなことを言って、今日も大学をサボる。




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