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343 SMART


はじめに

関東にある有名私大のトレンドを表す言葉にMARCHと言うことばがあります。このMARCHの二分化が始まってSMARTという新しいトレンドがはじまっています。今日の教育コラムでは、この新しいトレンドにふれながら大学受験について少しお話してみたいと思います。

MARCH

関東の有名私大のトレンドMARCHは、明治、青山学院、立教、中央、法政という5つの大学の頭文字のわけですが、このトレンドは長らく定着していて、学習院を入れてGMARCHなんていう場合もあります。
この大学群は、これまで同程度の偏差値であり、人気であったわけですが若干学部で差はありますが、少しずつ同じ群ではなく次のように二分化されてきています。
○上位群3大学 (M)明治大学、(A)青山学院、(R)立教
○下位群2大学 (C)中央、(H)法政

そこで、最新の難易度を用いた新しい大学群として「SMART」と呼ばれる新たな大学群が作られています。
新大学群である「SMART」を構成するのは次のような大学となります。
(S)上智大学(Sophia)
(M)明治大学
(A)青山学院大学
(R)立教大学
(T)東京理科大学
こうした大学のランクやトレンドは、大概の場合において大手の学習塾や予備校などがつくりだし、広げていくわけですが現在の都内の難関有名私立の人気がどの辺にあるのかを顕著に表しているという意味では、分かりやすい指標の一つと言えます。さらに、重要なのは現在はMARCHの中で大学間の難易度に大きな開きが出てきているということです。

大学群別の偏差値

SMARTの大学の特色

S:上智大学
カトリック系の大学で、文、神、外国語、総合人間科学、総合グローバル、国際教養、法、経済、理工という9つの学部、29学科があります。国際色豊かな校風です。

M:明治大学
最近の印象は、近代的で就職実績が高いことでも知られています。文、法、商、政治経済、経営、情報コミュニケーション、国際日本、理工、農、総合数理という10学部と29学科があります。

A:青山学院大学
「青山スタンダード」というシステムで学部や学科によらず幅広い教養が学べる魅力的です。文、教育人間科学、経済、経営、法、総合文化政策、国際政治経済、社会情報、地球社会共生、コミュニティ人間科学、理工という11学部と26学科があります。

R:立教大学
充実した留学制度があるのが特徴で就職に強い経済学部と経営学部が人気です。文、異文化コミュニケーション、経済、経営、社会、法、観光、コミュニティ福祉、現代心理、スポーツウェルネス、理という11学部と27学科があります。

T:東京理科大学
社会的評価が高く、就職に強い大学としても知られており、理系学部だけでなく文系学部もあります。理第一、工、薬、創域理工、先進工、経営、理第二(夜間)という7つの学部と33学科があります。

なぜ新たな大学群が生まれたのか

MARCHではなくSMARTという新たな大学群が形成された背景には、時代に即した各大学の独自の教育プログラムが提供できているかどうかという点が重要な視点となります。
上智大学は、国際関係学や外国語学部が有名ですが、ここでは高い国際性を学生に提供することを実現しています。また、明治や青山学院、立教ではビジネス、法律、文学などの各分野で特色ある教育プログラムを提供しています。東京理科大学は、理工学分野における研究と教育の評価の高さだけではなくその成果が日本の科学技術の進展に貢献しています。

どこの大学に行くかではなく何を学ぶか

予備校が定着させた大学受験の文化の一つに「Fランク大学」という言葉があります。本来はBF(ボーダーフリー)という言葉を用いていたものが次第にFラン大学と呼ばれるようになっていきました。
こうした大学の入試問題の多くは公開されていないことも多く、赤本も無かったりします。そのため、憶測が憶測を呼んで今では、こうした大学をさげすむような発言をネットでする人もいます。
実際に入試で科目数が少なかったり、内容も中学レベルのものが含まれている等、多くの問題はあるわけですがこれには定員充足率の低さが関係しています。こうした大学は、日本人の学生でうまらない分を海外の学生をエージェントに頼んで送ってもらうなど苦しい大学経営を様々な方法で切り抜けようとしています。経営自体が厳しい状況にある日本の大学は、全体の約4割に上ります。
Fランク大学の問題は、その講義の内容と学生の実態にあります。例えば、基礎学力の足りない分を補う講義が多くなり、大学の内容とは思えないような授業が続き、やりたいことができないであるとか、中退率や就職率が高くないといったことです。
意味もなく大学に行く時代は終わり、中卒であろうが高卒であろうが、自分のやりたいことを自分や仲間と協力して学びながら進めていくことがスタンダードになりつつある時代において、大学進学が就職に深く関係するような環境も次第に終わっていくかもしれません。
大切なことは、どの大学に行って学ぶのかではなく、学びたい環境と学びたい内容がどの大学にあり、その大学とは、ある一定上のレベルの学校に集中しているということなのです。
大学選びが重要なのではなく、学ぶ目標と自分が何をしていきたいかを考えるライフプランを持ち合わせていくことが大切なのです。

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