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370 中1ギャップ


はじめに

ゴールデンウィークも残すところ後、2日程度になりました。長い学校では10日間の休みがあった学校も少なくないでしょう。
公立学校の多くでは、3連休後に中3日間の登校で最後4連休というところがほとんどかと思います。
新学期を迎えて1カ月しかたっていないとはいえ、新しい環境での生活はとても疲れたのではないでしょうか。今までとは違う環境は心にも体にも負担が大きいものです。文部科学省の調査でも、連休明けに不登校の児童生徒が増える傾向があるという分析がされています。その要因の一つである中一ギャップについて今日の教育コラムでは少しお話してみたいと思います。

色んな先生に頼ってみて

宿題や課題が終わってない人は、まだ2日ありますので何とか自分のできる範囲で頑張って進めていきましょう。
問題は学校が始まってからです。きっとわからないところや十分に完成しなかったところがあるでしょうから、各教科の先生の力をお借りしてみることにしましょう。
小学校では、学級担任の先生が基本的には全ての教科を教えますし、朝から放課後まで一日中一緒に過ごします。これは、児童と接する時間が長いので、信頼関係が気づける何でも相談できるといった点で便利ですが、うまくいかない先生だった時は最悪です。
中一ギャップという言葉がありますが、小学校と中学校の学校生活では、宿題の量も学校生活のリズムも違います。物は考えようで、中学校からは教科担任制に変わり、教科によって教える先生が変わるわけですから、逆にわからないことや勉強の内容だけではなく色んな先生の中から自分の相談しやすい先生を見つけることだってできるわけです。
嫌な先生とは授業ごとに先生が変わるのですから、小学校のときよりも一人の先生と過ごす時間は短くなります。どの先生を頼ってよいのかわからなくなる生徒が多いですが、逆にどの先生にも頼ることは可能なわけです。

わからない気持ち

一人で考えこんで悩みすぎる前に、気に入った教科の先生に他の勉強のことも相談してみてください。何を隠そう私も社会の先生によく数学を習っていました。私が教わっていた中学校の数学のその先生は、数学が得意でしたが社会は全くできませんでした。
社会の先生は数学は決して得意ではありませんでしたが、私が質問すると丁寧に教えてくれました。ご本人は、数学が嫌いだと言っていましたので、たぶん苦手なだけにできない人の気もちを理解されていたのだと思います。

やり方がわからないだけ

勉強が難しくなったと悩み、学校に行きたくなくなる児童や生徒が増えるのもこの時期です。
中1ギャップの主な内容として小学校との学習内容の違いを上げる人も少なくありません。中学校での勉強は、算数が数学に変わり、英語が主要科目になるなど、小学校のときに比べ格段に学ぶ内容の難易度が上がります。また、学習量も増えますし、授業のスピードも速くなります。
このギャップが、勉強ができる子とできない子の学力の差を広げていくことになります。すると次第にクラスや学年の中でのポジションがはっきりしてきます。感じた違和感は次第に勉強することそのものに対する「ストレス」になっていくわけです。休み明けのテストが多い学校では、こうした心理的な負担に対する配慮が必要になります。
中でも多くの生徒がギャップを感じるのが英語の学習です。小学校で英語が導入されたとはいえ、その内容は英語を遊びや歌の中で学ぶようなごく簡単なもので、英会話が中心です。急に難しくなったと感じるのは正しく覚える、正しく書くことが多くなる点にあります。ある調査では、中学生の約半数が「英語を嫌い」と回答しています。主な理由は「英語の授業が理解できずについていけない」というものです。
授業の内容自体は決してそれほど高度ではありません。問題は、学習の方法が全て新しいということなのです。中学の英語は文法やリーディング、リスニングというように、学習の仕方そのものが違いますし、つける力も違ってきます。普段使わない言語のルールを学ぶわけですから多くの子どもたちが戸惑います。何をどのように学べばいいのかを英語の学習では特に教わることが大切です。

ギャップを埋めるために

ギャップに苦しむことは誰にでも、どんな時でもあります。よく理想と現実は違うと言いますが、人はそのギャップを埋める努力を日々、少なからずしているように思います。
埋めるとは、隔たりを無くしたり近づけることを言います。自分が思い描くものと今の現状が異なる状況に遭遇することは決して悪いことではありません。海外に憧れ行ってみたが理想と違う、就職してみたが理想と違うなどなどギャップと向き合う機会は山ほどあります。
そんな時は、自分でその溝を埋めようとしたり、近づこうとしたりしながらも、誰かに相談したり、少しゆっくり考えたりしながら進んでいくものなのです。

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