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優秀な営業は 「どこの」「だれの」「何番目」 を理解している

優秀な営業とその他の営業の差の一つとして、 「どこの」「だれの」「何番目」を理解しているか否かがあると考えています。

今回のnoteではこの内容を解説していこうと思います。

(2021年の営業系初noteです。サボってすみません・・・)

注:SaaS営業を前提として書いています。

良さそうVS欲しい

「良いものだって理解はしてもらえたけど、契約に至らなかった」

という経験をしている営業の方は多くいらっしゃると思います。
(というより、案件の半分くらいこんな感じだと思います。)

一方で、

初回の打ち合わせからお客さまに刺さりまくって、トントン拍子で契約に至った

という経験もされたことがあると思います。

この違いが「どこの」「だれの」「何番目」です。

良さそうだけでは買ってもらえません。
欲しいって思っていただく必要があります。

あなたの商材は、「どこの」「だれの」「何番目」に欲しい物なのか。
日々の業務に没頭していると、案外忘れがちになってしまうことが多いですので、改めて整理をしていきましょう。

「どこの」を定義する

まず、「どこの」を考える必要があります。

この場合考えることは以下3点です。

・業種/業界
・企業規模
・部署(業務内容)

多くの方に、「メインのターゲットはどこなんですか?」
って伺うと、

「IT業界をターゲットにしています」
「マーケティング部門を狙っています」

というようなお答えをいただきますが、もう少しブレイクダウンして考えましょう。

IT業界をターゲットとおっしゃっていた方は、
→企業規模は?どこの部署?どんな業務?

マーケティング部門とおっしゃっていた方は、
→どんな業界?どんな企業規模?

つまり、ココまで絞りましょうという話です。

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業種特化型のバーティカルSaaSだから・・・とおっしゃる方も多いですが、
絞れているのは業種/業界だけですので、
残り2つもしっかりと定義していきましょう。

注:複数の部署が対象となるパターンや、複数の業種/業界が対象となるパターン、様々な企業規模が対象になるパターンも、もちろんアリます。

「だれの」を定義する

先程の「どこの」で
・業種/業界
・企業規模
・部署
まで決まっているので、次に考えるのは「だれの」です。

要するに、どんな役割の人か(≒役職)です。

一般的に、上位役職者にアプローチするのが重要と言われますし、正しいと思います。
一方で、

「上位役職者は報告を受けるだけで、実務では困っていない。」
→上位役職者には刺さらない
→せっかく狙った「どこの」の役員にアポイントが取れたのに、何も起きずに失注してしまった。

というケースもご経験があるのではないでしょうか?

ですので、
一番欲しいと思っている人まで絞り込む必要があります。

営業課長が、現場マネジメントと経営層への報告の板挟みで疲弊している。
とか、
経営管理部門の現場担当者が、予実管理で営業部門長と経理担当者の間で奔走している。
とか、
こういった具体的な役割までブレイクダウンをしていきましょう。

有名なコピペでこんなものがあります。

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笑えない笑い話ですが、
現場に限らず「これ絶対やばいっすよ」の人を想定しましょうって話です。

「だれの」を複数作るストーリー

「だれの」を絞り、「これ絶対やばいっすよ」と言っている人が見つかっても、先程のコピペの通り、トップに近づくと「実に順調です」となり、話が進まないってことがよくあると思います。

なので、「これ絶対やばいっすよ」と言って頂ける同士を増やしましょう。って話です。

つまりは、それぞれの人ごとにどんなハッピーなことがあるのかストーリーを準備しておくって話です。

具体例としてSFA(営業支援システム)を例にすると、
社長/役員向け:常にリアルタイムに実績だけでなく、今後の見込みまで把握できるので、期末になって「数字が足りない!なんとかせよ!」という前に、施策を打つことで常に先を見据えた舵取りができますよ?
マネージャ向け:経営層から落ちてくる数字が現実的でないといったパターンもありますよね? そんな場合、現場はあきらめムードになるか、疲弊してしまいますよね。しかし、見込み案件が可視化されることで、現実的なストレッチ目標になるので、チームの士気が上がると思いませんか?
営業担当向け:数字数字と言われるのに、社内向けの報告が多くてお客さまと打ち合わせをする時間が取れない!ってことありませんか?
今後は、活動履歴と案件の更新だけしてもらったら日報も会議資料も作らなくて良くなります。お客さまと会う時間を増やせますよ?
営業企画向け:売れている営業の傾向を逆引きして把握できるようになりますよ。スキルの平準化を目指して、チーム力の底上げができるかもしれませんよ?
マーケ向け・・・(以下省略)

と言った感じで、同じ商材であっても、役職や役割によって得られる効果が違うので、それぞれの方が“実務で”どんなメリットがあるのかまで、ストーリーを整理しておくのが大切です。

これによって、「だれの」を増やしていくことで、
「一つを除き問題ありません」「様々な部署で色々な問題が起きています」に変えていくのが大切です。

また、ここでとっても大切なポイントがあります。

営業や開発といった、いわゆる縦軸のチームと、
コーポレートITや経営企画といった、いわゆる横串のチーム、
双方にアプローチすることが重要です。

本当に風通しのよい組織のお客さまなら良いのですが、
多くの場合は、一方からの意見だけでは、否定的な声も上がってきます。

「また営業がなんか勝手に盛り上がって騒いでるよ。」って思うIT部門
「ITがセキュリティだとか、現場無視してなんか言ってるよ」って思う営業

と言った感じで、悲しいかな、お互いに反発し合うことが多いです。

ここを上手く折衝し、お互いの共通ゴールを見出すお膳立てをするのも営業の腕にかかっています。

(とはいえ、本来はお客さま自身が、外部の営業なんかに言われずとも自走する形が理想だと僕は思っています。)

「何番目」を1番にする

ここまで絞れていたら、最後の関門は「何番目」です。
お客さまに必要性を感じてもらっても、

「けど、今じゃないよね」
「他に優先度が高いものがある」

となり撃沈することは多々あると思います。

そんなときに優先度を1番にしてもらう方法があります。
が・・・
これだけで1本noteをかけてしまうので、次回のnoteで詳細を解説するという形で今回はご容赦ください・・・

ヒント的なnoteを載っけておきます。

(ココには書いていない内容なので、次回をご期待くださいませ!)

「どこの」「だれの」「何番目」は受注分析で分かる!

最後に少しシステム(SFA)のお話になります。

受注分析と失注分析、どっちが重要ですか?

というご質問をよく頂くのですが、
僕は圧倒的に「受注分析」と答えています。

理由は明確で、
受注した案件を逆引きしていけば、「どこの」「だれの」「何番目」が分かるからです。

失注を分析したところで、勝ちパターンは見つかりません。
受注から勝ちパターンを見つけるほうが効果があると思います。

なので、SFAで受注分析をしようと思った場合、
「どこの」「だれの」「何番目」が分かる形で設計をしておく必要があります。
失注理由をダラダラ書くより、書く側も気分良く書けると思います。

最後に(スイートスポットに注力しよう)

今回書いてきた 「どこの」「だれの」「何番目」が完璧にハマるお客さまをスイートスポットと呼んだりします。

このスイートスポットから外れていると、カスタマイズやオンボーディングに工数が掛かったり、後々トラブルになる可能性も上がると考えています。

無理してゴリっと売るのではなく、スイートスポットにあたるお客さまにど真ん中の提案をしていただきたいなと思っています。

その方がお客さまに満足して頂けるはずです。

ちなみに、営業がよく言う“嗅覚”とは、スイートスポットを見つける力なんだろうなぁって思っています。
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次回は「何番目」を「1番」にするを書きますので、乞うご期待!


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