アフロ・B

Anderson .Paak , HIPHOP , SOUL , GARAGE PUN…

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Anderson .Paak , HIPHOP , SOUL , GARAGE PUNK|Wes Anderson , Emir Kusturica|ベース初心者|猫|フットサル|福山シティFC|怪人・怪獣 , ブルマァク , AWESOME TOY こじらせた青春自叙伝。

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さらば青春の光

ヤンキーの巣窟として悪名高い、地元の荒れた高校に通っていた。煙草の吸殻がそこらに転がり、窓ガラスは破壊され、廊下にはゴミが散乱。廃墟のような殺伐とした校舎に、入学初日から絶望した。 少しでも目立つ新入生はすぐに先輩ヤンキーの標的となり、理不尽な制裁をくらうか、あるいは一大勢力と盃を交わし、傘下となることでパシリとなった。 そんな横暴が日常的に繰り返されているのだ。新年度を迎える度に1クラス単位で退学者、音信不通者が続出し、卒業の頃には3クラスあった学年が1クラスにまで減少して

    • アウトローの星 Ⅲ

      ちょいクズ気質な友人U。彼はお酒が大好きで、一緒に飲みに出かけると、解散の瞬間までなにかしらのアルコールを体内に流し込んでいる。それでも酔い潰れることはなく、最後まで陽気だ。かつては彼のいかれた酒豪ぶりに呆れたが、今となってはその冷めた態度を反省している。彼は酒やつまみを豪快にかっ喰らうことで場を盛り上げようとしているのだ。そして、とどまることのないしょうもないトークで僕を楽しませてくれる。年齢を重ねたことで、彼の明るさにようやく感謝できるようになった。 Uは途轍もない記憶力

      • 死にたくなったらダンスホールへ disc 7

        高校生の頃に60年代のロックに傾倒し、アナログのレコードにも興味をもちはじめた。現代ほど情報が溢れておらず、頼りになるのは専門誌だけで、博打のような感覚で音源を購入していた。 地元の田舎町にはアナログを取り扱っている店がなく、リサイクルショップのジャンク品が放り込んであるような箱の中から、レコードを探すしかなかった。規則性がなく、無造作に陳列されているので、レコードを見るだけで体力が消耗したのを憶えている。 初めてレコードを買ったのも近所のリサイクルショップだ。本当にジャンク

        • 20240101

          大晦日の深夜から元旦の早朝にかけて、神社のお篭もりを体験。正月に向けて年末から国旗やのぼりの掲揚、清掃を進めてきたが、自分はお篭もりを担当することになった。 “おこもり”ってなんだか可愛らしい響きだが、その実態は掴めずにいた。近所の人になにをするのか聞いてもふわふわとした返答で、謎は深まるばかりだ。 「まぁ、あれよ。飲んだり、食べたりよ。それ以上は……」 僕はタブーに触れてしまったのだろうか。バツが悪そうな返答に、それ以上の追求は許されない不穏な空気が漂った。 結局のところ、

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        さらば青春の光

          猛スピードで彼は

          先週に引き続き同僚とフットサルへ。 経験者はブランクの期間が長くても、初心者と比較すると基本的な動きが違う。同僚は1ヶ月で勘を取り戻すと宣言したが、2回目のフットサルですでにその兆しが見えはじめていた。初心者の自分からすれば、羨ましい限りだ。 それとは無関係だが、同僚の全力疾走って、なんであんなに面白いのだろうか。見慣れていないだけだと思うが、新鮮でつい笑ってしまう。 足下に収めづらいパスを味方に出してしまった時、普段であれば反省するのだが、同僚に対しては笑ってしまう。全力で

          猛スピードで彼は

          エースストライカー

          同僚と一緒に個人参加型のフットサルへ。 月に数回のペースでフットサルをしているが、その程度の頻度では上達しない。クラブ活動並に鍛えなければ技術は向上しないし、筋肉痛になって終わるだけである。それでもマイペースにゆるく続けているのは、初心者でも楽しめる競技であることと、衰える体力を少しでも食い止めたいという思いがあるからだ。基本的には趣味の範疇で満足してはいるが、無性に虚しくなる瞬間がある。 チーム競技なので経験者とプレーする機会が多くあり、初心者とは明らかに違うフィジカルの強

          エースストライカー

          コントーションズ

          専門学校時代に出会った友人で、Tちゃんという恐ろしくマイペースな男がいる。この時期に仲良くなったクラスメイトとは現在でも親交があり、彼もその中のひとりだ。当時を振り返ると、クラスメイトと打ち解けるのに時間がかかったが、彼とは最初から波長が合い、居心地も良かった記憶がある。 グループで談笑している時に、電話やトイレ、あるいはなにかしらの事情で離席が続いた瞬間に「まずい」と思うことが多々ある。というのも、そういう時に限って、微妙な距離感のクラスメイトと二人きりなるのだ。気まずくて

          コントーションズ

          もぬけのバラッド

          専門学校時代に電車で通学していたのだが、混雑時の不快感や時刻表に合わせた行動に、最後まで慣れることができなかった。それまではバイクでスイスイとそこらを移動していたので、混雑や時間に縛られる電車通学はストレスでしかなかった。 卒業までの2年間、毎日のように電車を利用し、車内で色々なひとを見かけた。当時の記憶はほぼ消滅しかけており、ぼんやりとしか思い出せないのだが、ひとつだけ鮮明に憶えている出来事がある。 漫画みたいに分かりやすく、落胆する男子高校生を見た時のこと。坊主頭の彼は、

          もぬけのバラッド

          昨日に別れの接吻を

          戻りたいと思うほどではないが、高校時代はそれなりに楽しかった。鬱屈した中学時代を過ごしてきたので、なおさらそう感じるのかもしれない。 武闘派のヤンキーがのさばる学校で、先輩が恐ろしくてたまらなかったが、彼らはすぐにドロップアウトする傾向にあった。長期休暇が明けると退学するか、行方知れずとなり、音信不通となるのだ。それはそれで薄気味悪いのだが、おっかない先輩が徐々にいなくなり、ヤンキーの勢力はあからさまに弱体化した。武闘派が全滅したわけではないが、孤立状態になり、卒業までおとな

          昨日に別れの接吻を

          ミッドナイトマッドメン

          専門学校に通っていた頃に、深夜のネットカフェでアルバイトをしていた。深い時間帯ならではの特徴なのか、かなり個性的な客が多かったように思う。 深夜0時を過ぎると、夜行性の人間がぽつり、またぽつりと現れ、予期しないトラブルや、望まない群像劇に発展させていく。特に週末は地獄であった。混雑し、オーダーは狂ったように鳴り響き、重要な備品は切れる。現場は常にパニック状態で、カオスだった。 客も変だったが、スタッフも変だった。独特で癖が強く、やたらと無気力な人間が深夜帯に集結していたのだが

          ミッドナイトマッドメン

          激情[後編]

          しばらくするとオルタナティブも聴くようになるのだが、あまりのめり込めず、早々に飽きた。自分には不向きで、探求するまでにいたらないジャンルだったが、Sonic Youthだけは別格だった。まず男女混合の編成が新鮮で、視覚的なインパクトに魅了された。そして、あのノイジーなギターである。実験的な楽曲も多く、これまで体験してきた音楽と比較すると、明らかに異質であった。 振り返ると、僕の音楽観はここから本格的に狂いだしたように思う。過激な音楽を求め、よりアヴァンギャルドなバンドの音源を

          激情[後編]

          激情[前編]

          中学時代から音楽に夢中になり、中年になった現在でも、変わらず虜になっている。これだけ長く聴いていると、疎遠になったバンドやジャンルも存在するが、原体験となるような凄まじい衝撃を受けた音楽は、何年経過しても色褪せない。 中学時代でいえば「GUNS N' ROSES」。高校時代は「Sonic Youth」と「MAD3」。専門学校時代はサイケデリック、ガレージパンクのコンピレーションアルバム『Nuggets』。社会人になってからは「Anderson .Paak」だ。 音楽に触れは

          激情[前編]

          未来の人

          世代的にはずれているのだが、ケムール人の造形に心を奪われていて、いつかソフビを手に入れたいと思っていた。出かけようと思えば近くに玩具店はあるし、出かけなくてもオンラインで気軽に注文できる。いつでも購入できる環境であるにも関わらず、その想いはずっと放置されたままになっていた。そして、ケムール人そのものの存在をすっかり忘れてしまい、数年が経過。 先日、同僚と何気ない会話を交わしている時に、特撮の話題になった。ヒーローものやアニメをほぼ体験していない僕は、話の内容についていけなかっ

          ROCK GENERATION

          中学時代にだけ親交のあったクラスメイトでOという男子がいた。2年生の進級時に仲良くなり、卒業のタイミングで親交が途絶えた。 クラス替えや卒業などによる環境の変化で、疎遠になった同級生は他にもいたが、Oだけは現在でも印象に残っており、記憶に刻まれ続けている人物だ。 授業の合間や休憩時間になると、いつもOとしょうもない話をして過ごした。彼は人を小馬鹿にしたような態度で、実際に小馬鹿にしてくる。こうして言葉にすると腹立たしい嫌な男子であるが、憎めない存在なのだ。 彼の攻撃的な捲し立

          ROCK GENERATION

          素晴らしき世界 Ⅱ

          連休中に、普段は会う機会のない専門学校時代のクラスメイトと集まり、ドライブに出掛けた。とはいえ8ヶ月ぶりの再会で、新鮮味はない。それぞれが想像通りの風貌で、衣類が冬服から夏服に変化しただけである。 今回のドライブは遠方から遊びにきてくれたSちゃんを中心に計画された。ガンプラを積み散らかすのが趣味な彼のために、僕の地元で玩具屋をめぐることに。 ガンプラ道を極め、ひたすら猛突進する人間の嗅覚は凄まじい。初見の店舗であっても、目的のコーナーへ辿り着くスピードは、地元民の僕でさえも置

          素晴らしき世界 Ⅱ

          死にたくなったらダンスホールへ disc 6

          傾倒していた音楽や懐かしい景色にふれると、過去の記憶がふと蘇ることがある。自分にとってハードロックは記憶を想起させるスイッチになっており、GUNS N' ROSESを聴くと中学時代を思い出す。コンプレックスとリビドーがだだ漏れで、覇気のない印象しか残っていないが、ハードロックを爆音で聴いている時間だけは、学校のことを忘れて夢中になれた。 もともと苦手意識のあった勉強は中学に進学しても変わらず、むしろ悪化。特に試験期間中は苦痛でしかなかった。限られたごく僅かな人間としか交流せず

          死にたくなったらダンスホールへ disc 6